すぐ使うだろう。と思って買っておいたものが、気がつくと期限切れになっている、ということはないでしょうか。粉チーズ、片栗粉、パスタ・ソース、手巻き海苔。いつのかなと思って見た時には、半年とか1年も期限が切れていたりします。たっぷりとあると思う消費期限も、そうでもないことがあります。気づくと1年くらいはあっと言う間に過ぎるのです。
1週間の間に2度、3度、パスタ。2日連続でパスタ。それなら切れるはずはないのです。しかし、一度パスタ熱が冷めると、存在を忘れるほどに遠ざかってしまいます。きっと原因はその辺りにあるのでしょう。考えてみれば、最近はおでんとカレーの2パターン化していて、それでは他の食材が入り込む余地もなくなります。言わばひふみん式です。
本棚に目を移してみると、英会話やビリヤード入門、猫の描き方など、期限の切れた本が並んでいるのがわかります。本には期限がないようにも思えますが、再び熱が向かないと決まっていれば、それはもう切れてしまっているのです。(ビリヤードなど、たまたま一度やっただけで、つい熱くなった勢いで入門書を買ってしまう。でもすぐに醒めてしまうのです)
日記などの文章においても、同様のことがあります。これはブログに書くぞとペンを起こしますが、走り始めた途端に疲れてしまって、寝かせてしまいます。そして、気づくとそのまま起き上がることなく、眠りっぱなしになっていることがよくあります。
生きていると、その日その日(その場その場)に書きたいことに出会います。その日感じたことという鮮度には勝てません。過去にときめいたことも、時とともに自然に風化して、何を書きたかったのか思い出せなくなってしまいます。本当にときめいた? そうなると当時の自分の感性さえも疑ってしまうことになるでしょう。
芯となる部分を思い出せなければ、その文はもう没となることが自然です。(何かのきっかけで、別の何かと結びついて復活するということは考えられますが)
では、どうすれば期限切れになってしまう文章を救うことができるでしょうか?
1つは、客観的に見てもわかるほどに、少なくとも形にしておくことです。おおよそ固めておけば、細部は後でどうにかなるものです。
あるいは、もっとスピード感を持って書くことです。
なるべく簡単に、無駄を排除して、本質だけみて、ゴールを向いて書くのです。立ち上げたペンが眠ってしまうより早く、ゴールまで走り切ってしまうのです。
書くという作業は体力を使いますが、ゴールラインに早く到達するためには、瞬発力も大事になるのではないでしょうか。