「選考の後、採用の場合は電話にてお知らせさせていただきます」
(あれっ? 電話番号は? あー、これか。ではこちらの方へ)
彼女がそう言っていたのは、確か先週の今日か明日か……。担当者は前の人ではなかったようだ。春にも落ちていたから、どうせ駄目だと思っていた。あまり期待はしていなかったのだ。しかし、(前もそうだったけど)話をした感触から、何か少し楽観している、望みを抱いている自分も、少しはいたのだろう。早々に返事がない場合はだいたい駄目。週を明けて返事がなければ、ほとんど駄目。そして、火曜日、水曜日。はずれくじを握りしめながらどこかでまだ逆転を待っているような自分。最初からわかっていたことも、現実として受け止めるのはまた別だ。選考は本当に存在するのか。本当に人を募ってはいるのか。
企業によっては、採用不採用に関わらず連絡し、中にはご丁寧にその根拠にまで踏み込んで説明するところもあるらしい。あなたはどちらのタイプが好みだろうか。採用時のみ連絡という方が、合理的ではある。だが、何かもやもやとする。恋愛や友人関係が自然消滅していく時のような、緩やかな傷つき方をする。(ああ、やっぱりそういうことなのだ)相手は何も言わないので、自分の中で納得していく過程は切なくもあるだろう。合理的というなら、本当はその場で答えが出ているのなら、僕はその場ではっきり言ってもらっても構わない。
「お前なんかいらねえよ! とっとと帰れ!」
中にはそういう尖った企業もあるかもしれない。
いずれにしろ、僕はまた何かを探さねばならない。人でも会社でも、出会いというのはタイミング次第なのだ。歩みを止めない限り、世界のどこかにはきっとまだ希望はあると信じられる。
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