地下街を歩く内に新しいバーガーショップを見つけた。南通りの古くからあるカフェはカウンターから喫煙コーナーまで人がぎっしりと詰まっていたのに、こちらは人影も疎らだった。まだ広く知られていないのだ。入口付近のカウンター席にはビジネスマン風の男が悠々とノートパソコンを広げて仕事に打ち込んでいた。奥のソファー席にはシングルゲストが数人、外国人のカップルが数組ほど見えるだけだった。床も窓も天井も汚れ一つなくみな美しかった。どこに行こうか……。迷えるほどの余裕の中、隅っこの丸いテーブルにかけた。すりガラスの向こう側に雑貨を選ぶ女性の姿が見えた。食事を終えたゲストが、返却口を探して目をきょろきょろとしていた。彼らもここに初めて来たのだろう。紙に包まれたバーガーが届くのを待ちながら、私は旧タイプのポメラを開いた。
・
落ちぶれた
モバイルの背に
手をかけて
波待つモスに
詩人はひとり
(折句「おもてなし」短歌)
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落ちぶれた
モバイルの背に
手をかけて
波待つモスに
詩人はひとり
(折句「おもてなし」短歌)
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