眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

平成揚一番

2020-01-10 15:51:00 | 短い話、短い歌
 とうとう夢は叶わなかった。地球を身につけることはできなかった。一つの星を与えられることはなかった。働くところはなくなった。次々と新しいものたちに追い越され、生身の感覚を口にすることも少なくなった。恋する人はみんないなくなってしまった。納めるものはない。落ち着くところは見当たらなかった。否定が飽和を迎えた。希望が底をついた。長く眠った。最後にたどり着くところはとてもシンプルなものだ。それは一番最初の頃の澄み切った感触の中にあったもの。ああ、何とも何気ない。



人はみな揚一番を食うものと悟り最後に一つ平成

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