眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

新着レストラン

2020-01-09 10:43:00 | 短い話、短い歌
 タブレットの中を深くのぞき込めば、表面がとろけそうな親子丼が香りながら訴えかけてきた。ちょうどそろそろ親子丼が食べたいと思っていた頃だった。最後に親子丼を食べたのはいつだろうか。先月だろうか。いや、もっと前だ! クリスマスよりも冬よりもずっとずっと前だぞ! よし、じゃあ決まりだ。指先がふわふわの卵の上に……。
「注目の天とじ丼が登場!」
 突然、新しいメニューが割り込んできた。せっかくの決断がリセットされてしまう。
「いま注目の冷やしうどんが登場!」
「もちもち、ゆでたて、新食感!」
「今考えたばかりのアイデアで勝負!」
「ライブ感覚の新かき揚げ丼が新登場!」
「あなたへのおすすめ丼!」
 周りを見渡せばテーブルに着いて熟考している人の姿が目に付く。
「たったいま注目の親戚丼が登場!」
 なんてメニューの回転が速い店だ!



親子丼
他人丼ぼく
インドカレー
自分も食えよ
肉そばあるで

(折句「お大事に」短歌)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« サイダー・フィッシュ | トップ | モーニング・メモ(夢にまつ... »

コメントを投稿