局後の話をここで書く。小池さんが改まった口調で、「先生、将棋に勝つ秘訣を教えてください」と言った。
「うん。三十年かかって僕が到達した結論を教えます」「はい」「自分より弱いのとやることだ。これです」「いや」と小池さんはムキになった。「精神面をお尋ねしているんです」「それは」と声がはずんだ。
「侮ってはいけない。今日だって、僕はあんたを侮らずにやったでしょう、控えめに、控えめに……」
「将棋は恐ろしい。私は甘かった……」。小池さんの悲痛な反省の声を聞いた。ご老体を「くみしやすし」と侮る心が▲8五歩と打たせたに決まっている。
飛騨支部のHPを覗いたら、ムサシ君が支部長先生に角落ちで教えて頂いている記事を目にした。
前に遊びに来てくれた時、高校卒業までに角落ちも卒業を目標にとアドバイスさせて頂きましたが、この子は素直に早速取組んでいる。
この営みで、将棋は中盤から終盤のファンタジアが大切なんだと理解してくれば、今持っている序盤力を組み合わされて凄く伸びるでしょうね。
角落ちを制したら、平手でも3番に1番は入るようになる。
ガンバレ・ムサシ君。
さかのぼって▲8五歩のところでは、▲8八飛と慎重に指せば互角であった。
Hageyubi師匠の最善手も、▲8八飛だった。(なんでこんなに正解を示すんだろう。)
最近、見なくなった感がある牛刺身。