1月15日、本日発売される書籍です。「そうだったんだ中小企業経営」という書籍。私の執筆した部分の一部(最初の4ページ)を紹介します。価格は、出版部数が少ないため、1冊2,450円+税 と高めです。中小企業さんへの挨拶用に、名刺代わりに使う予定です。
第1節 中小企業診断士とは
本書を手に取られた方、中小企業診断士ってどんな人たちか、わかるだろうか? 医者や弁護士などはテレビドラマでも頻繁に出て来るためわかりやすいが、それらとは違って、ちょっと想像しづらいのではないだろうか。それでは、まずこの章では、中小企業診断士という資格、職業について紹介して行こう。
第1項 中小企業診断士の社会的意義
同法第 11 条には、「中小企業者がその経営資源に関し適切な経営の診断及び経営に関する助言(経営診断)を受ける機会を確保するため」に中小企業診断士という制度を設けている、とされている。制度の創設は昭和 27 年であるから歴史と社会的意義のある制度であることがわかる。
第 2 項 資格の取得
中小企業診断士の資格を取得するには、一次試験、二次試験(筆記と面接)に合格し、さらに、実務補修を経験する必要がある。
(1)一次試験
中小企業診断士になるのに必要な学識を有しているかどうかを判定することを目的として、企業経営に関する7科目について、筆記試験(多 肢選択式)を行う。なお7科目とは①経済学・経済政策 ②財務・会計③企業経営理論 ④運営管理 ⑤経営法務 ⑥経営情報システム ⑦中小 企業経営・中小企業政策 である。
(2)二次試験
中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、診断及び助言に関する実務の事例並びに助言に関する能力について、筆記試験及び口述試験を行う。
(3) 実務補習
中小企業診断士試験合格者を対象に、15日間の実習方式で実施する。この実務補習は、指導員の指導のもと、実際に企業に対して経営診断・助言を行う。3企業に対して、現場診断・調査、資料分析、診断報告書の作成、報告会を行う。
受験する資格は特にない。誰でも受験が可能である。そして合格率は一次、二次通算して約4%とかなり厳しくなっている。合格までには、約1,500時間必要とされる説もあり、合格者はかなり厳選された人達である。
第2節 中小企業診断士の仕事
次に、中小企業診断士はどんな仕事についているのかを紹介する。グラフは少し古いが2011 年の調査結果である。経営指導が最も多く、次いで診断業務、調査研究、講演・ 教育訓練、執筆活動の順になっており、何かこれ、という特定業務ではないようである。また、専門分野別では、経営企画がトップ、次いで販売・マーケティング、財務、人事・労務と続き、こちらも診断士の多様性を表している。
グラフにはないが、診断士には、公的診断の多い診断士と民間業務が多い診断士がおり、各々得意分野を活かしている。
診断士の特徴は、他の資格を併せ持ち、シナジー効果(相乗効果)を出していることである。グラフは診断士の保有資格について調査したものであるが、情報処理ならIT、FPなら財務、販売士ならマーケティング、 社労士なら人事・労務を得意としていることがわかる。
中小企業診断士と他の資格、例えば税理士や社労士等との違いは、税理士や社労士の仕事は、法令で決まっているので、誰がやってもまずほとんど同じ結果になる、ならないとおかしい。しかし、中小企業診断士の仕事は、経営戦略など自由度が多く、多様な切り口と解決策がある。ここが他の資格と違う特徴というか魅力である。
それでは、次節に、診断士の主な業務である「経営指導・診断」、「講演・ 教育訓練」(研修)、「調査研究」、「執筆」について簡単に実際の業務を紹介 する。
書籍の内容紹介はここまでです。