元東京電力社員の方が書いた本である。エネルギー政策の理想と現実、エネルギーに関する基本、電力システムの今後、電力会社の体質論などが書かれている。結構中立的な書き方だ。電力を考える上では参考になる。
私が興味を持ったのは、最後の電力会社の体質論だ。電力会社員の頭には「供給本能」があるという。電力の停止をしてはならない、というものだ。法律でもそう書かれている。停電した時のお客さまからのクレームは、ガスが止まった時の比ではないだろう。しかしその考えがあまりも多くを占めてしまって、高コスト体質になってしまっているようだ。
私は、現役時代、某都市ガス会社に勤めていた。そしてそのほとんど期間を安定供給の仕事をしてきた。その意味では「供給本能」を頭のかなりを占めている。そんな意味で、この本の著者の考えには共感できる。これからは、この供給本能を持ちつつ、高コスト体質や修正していくことが必要だろう。ガス業界関係者の方も一度読んでみてください。
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