碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

アクション・コメディ映画『アザー・ガイズ』の日本公開

2011年09月04日 | 映画・ビデオ・映像

昨年の夏に、ホノルルのワードセンターで観た映画『The Other Guys(ジ・アザー・ガイズ)』が、ようやく日本でも公開された。

毎年、我が家の女性陣が買い物をしている間に、息子と二人で映画館に入るのが定番になっていて、この時はポスターの元気良さ(笑)が気に入って、観てみたのでした。

ちなみに、その前の年に二人で観たのは『第9地区』だ。

『The Other Guys』は、字幕なしでもストーリーは理解できてしまうシンプルさだったし、全体は予想以上に楽しめました。

邦題は『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』。

「俺たち踊るハイパー刑事」って(笑)。

昨年の秋公開といわれていたのが、今年の秋になった理由はわかりませんが、とにかく、マーク・ウォルバーグ(「ザ・ファイター」もよかった)のファンとしては、「日本公開、おめでとう!」です。


<このブログ内での関連記事>

秋公開の映画『ジ・アザー・ガイズ』を観た
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/s/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A1%A6%A5%AC%A5%A4%A5%BA

映画『ディストリクト9』を観た
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/123e49718d2fd584371f8fddc60c05f7

東日本大震災 今、私たちはなにを

2011年09月04日 | メディアでのコメント・論評

北海道から戻ると、故郷の地域紙『松本平タウン情報』が届いていた。

先日、「東日本大震災 今、私たちはなにを」というコーナーのために寄稿した原稿が掲載されている。

これまで、たとえば松本でパティシエになる勉強をしている学生さんが、被災地の子どもとクレープ作りをした話や、木曽の教育委員会の方が「東北の地酒を積極的に飲んでいる」といったエピソードを寄せていた。

東日本大震災をめぐって、今、私たちはなにをしたらいいのか、なにができるか。

原稿を依頼された時、すっと頭に浮かんだのが、連休に行った仙台・荒浜地区のことで、それをそのまま書かせていただいた。


東日本大震災 今、私たちはなにを

見たままを伝える


五月の連休に、津波で大きな被害を受けた仙台市荒浜地区を訪ねた。震災報道を検証する上で、被災地の状況を自分の目で確かめたかったのだ。高校生の息子も一緒だった。

仙台駅から海岸方面へ向かうと、あるラインから風景が一変した。あったはずの住宅が見渡す限り消滅している。かろうじて残った小学校の教室にも、ひしゃげた車が三台、詰め込まれていた。

自分たちがニュース映像や写真で見たのは何だったのか。想像を超える光景に二人とも沈黙するしかなかった。

だが、帰り道でタクシーの運転手さんにお礼を言われた。「ボランティアとかじゃなくてもいいんだ。みんなに知ってもらいたいんですよ」。

帰京して、見てきたままを家族に報告した。授業の中で学生たちに話をした。息子もまた学校で同級生や部活の仲間たちに自分の見聞を伝えたらしい。

しばらくして、家内が被災地応援のバスツアーに一人で参加した。

また放送の仕事に就いている娘は、被災地の障害者が作った品物を販売することで長期支援を目指す大阪・梅田のお店を取材。気仙沼の授産所にも足を運んだその番組は今月放送された。

さらにこの夏休みには、ゼミの学生や授業を受けていた学生たちが現地でのボランティアに参加している。

あまり構えずに被災地を訪問し、そのことを自分の周囲に伝えるだけでも十分ではないか。体験から生まれる実感には、静かに波紋を広げて人を動かす「動員力」がある。

(松本平タウン情報 2011.08.30)