碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

台風のおかげで

2011年09月21日 | 本・新聞・雑誌・活字

どしゃ降りの雨の中を駅まで歩き、ホームで電車を待っていたら、携帯が鳴った。

大学の事務局からだった。

台風による荒天のため、各種の会議その他を、本日はすべて中止にするという。

学内にいる人間は帰宅すべし、来ようとしている者は来るな、の指示だ。

おお、間に合ってよかった(笑)。

一瞬、携帯への連絡が遅ければ、電源を切って電車に乗り込んでいたはずだ。

私の今日の予定はてんこ盛りで、院生との打ち合わせ、委員会、教授会、さらに夕方からは研究会まで入っていた。

ラッキーである(笑)。

なかったはずの時間をプレゼントされたようで、嬉しい。

この年齢になると、時間が、特に自由に使える時間が、いかに貴重なものか、分かってくる。

とはいうものの、また豪雨に打たれながら帰宅し、締め切りを目前に控えた共著の原稿を、猛烈な勢いで書き始めたわけではない。

まあ、この辺りが、極めてダメなところで(笑)。

積んである本を、次から次とめくったり、久しぶりで訪問するサイトをチェックしたり。


島崎今日子さんの『<わたし>を生きる~女たちの肖像』(紀伊国屋書店)を読み出したら、止まらない。

雑誌「アエラ」に発表された、人物ノンフィクションを集めたものだ。

山田詠美、夏木マリ、綾戸智恵、北村明子(演劇プロデューサー)、北村道子(スタイリスト)など16人の女性が並んでいるが、いずれもハズレなし。

「こんな人だったんだ」と納得やら感心やら、いや、それ以上に彼女たちから刺激を受ける。

島崎さん、文章がいいんだよなあ。

多分、それを支えているのは、当たり前のことを当たり前以上に行う、徹底した取材なのだろう。

ご本人に、ささっとインタビューして、ささっと仕上げたものとは、まったく違う。

わずか1行の記述のために、取り上げた人物に関係した人に、ちゃんと会いに行って話を聞いているのがわかる。

時間やエネルギーといった“元手”がかかっているのだ。

また、取材対象の女性に対しても、半端な予断を持たず、真っ直ぐに向き合っているのがいい。

だから、知ってる人でも、まるで知らなかったような相貌が、文章の中から現れるのだ。

お見事です。


さらに、ミステリー作家・新津きよみさんのホームページで、次のような文章に遭遇した。

映画『ゴーストライター』を観ました

新聞広告で、警察小説の売れっ子作家・今野敏さんが推薦していたし、上智大学新聞学科の教授・碓井広義さん(松本の高校の先輩で、兄の同期。しかも、妹同士がまたまた同級生という縁)がご自身のHPで「良かった。もう一度観たい」と書いていたので、これは見逃してはならない、と急いで行きました。

本格サスペンスで満足しました。暗めの映像も素敵。近年観た映画の中ではベスト3に入るかも。

(新津きよみの書いたり観たり ミステリー作家 http://plaza.rakuten.co.jp/os2758/)


うーん、嬉しいですねえ。

先日、このブログに書いた映画の話を読んで、実際に映画館に足を運んで下さったとは。

感謝です。

ちなみに、文中にある「警察小説の売れっ子作家・今野敏さん」は、
上智大学新聞学科のご出身(笑)。


台風による風雨は、ますます強まっている。

子どもの頃は、台風が来ると、よく停電したなあ。

暗闇でロウソクを探しながら、「明日は小学校が休みになるかも」
なーんて、密かに期待したりして(笑)。

ていうか、今も同じ。

大人になっても、あまり変わってないんだね。

いかん、いかん。

さあ、そろそろ仕事しよっと(笑)。



 まるで「滝ごり」状態のポロ君

韓国から日本への“芸能輸出”、続く

2011年09月21日 | テレビ・ラジオ・メディア

韓国による日本への“芸能輸出”は、まだ続くようだ。

今朝、複数の番組で、韓流四天王の一人だという俳優のウォンビンの舞台挨拶を見かけた。

新作映画「アジョシ」のキャンペーンで来日したらしい。

それで思い出したのが、同じように朝の番組で目撃した、K-POPガールズグループのRainbow(レインボー)だ。

何でも、日本のテレビで生歌&生ダンスは初めてとかで、話題の(?)おへそを見せるダンスを披露しておりました。

少女時代の「美脚」。

KARAの「腰ふり」。

そしてRainbowの「へそ出し」、ですか(笑)。

国を挙げての輸出品であり、外貨獲得の戦略商品ですから、各々のウリは明快じゃないとけないのでしょう。

ただ、“へそ出し”っていわれても、私たち“70年代の若者”はすでに40年前、あの山本リンダさんの名曲「どうにもとまらない」で、見事なへそ出しルックを目撃しております。

しかもリンダ姐さんは、おへそを出しっぱなしだった。

Rainbowのチラ見せくらいじゃ、驚きません(笑)。

それに、申し訳ないけど、K-POPガールズグループって、みんな同じ顔に見えちゃうのだ。

名前も覚えられない、というか覚える気もないけど。

今、ちょっと気になっているのが韓国映画「ホワイト」だ。

「売れないガールズグループが、1本のビデオテープをきっかけにスター街道を昇っていく一方、センターに選ばれた女の子が次々と呪われ、痛めつけられていく」

というホラー映画だそうで、結構、怖そうでしょ?(笑)



『BRUTUS』の「写真術」が楽しい

2011年09月21日 | 本・新聞・雑誌・活字

雑誌『BRUTUS』の特別編集・合本「写真術」が楽しい。

特に、中とじ企画である、篠山紀信「写真術公開授業」全36ページが素晴らしい。



実際の写真撮影を例にしながら、篠山塾長が、何をどのように行っているのが分かる仕掛けだ。

「塾長の作品」「メイキング」「ダイアログ」「塾長の解説」がタテに並ぶ。

しかも、ヌード編、アイドル編、「人間関係」編、そして記念写真編と多彩だ。

それに続いて、5人の女性写真家との対談もある。








一度だけ、その撮影現場に立ち会ったことがあるのですが、篠山紀信さんって、やはりスゴイです(笑)。