『東京新聞』に連載中のコラム「言いたい放談」。
今回は、北海道のローカルワイド番組の“盛り上がり”について書きました。
ローカルワイドが熱い
北海道の番組に時々出演している。
日常的に地方の放送事情を観測できるいい機会なのだが、実は今、北の大地がとても熱い。
北海道の夕方にはローカルワイド番組の王者、札幌テレビ(日テレ系)「どさんこワイド179」が君臨する。
それに挑んでいるのが北海道テレビ(テレ朝系)「イチオシ!」だ。
どちらも地域の生活情報に特化した内容で支持を集めている。
そしてこの四月、北海道文化放送(フジ系)が新番組「U型テレビ」で参入してきた。
先行する番組との大きな違いはメインキャスターを東京から“輸入”してきたことだ。
フジ「とくダネ!」に出演していた大村正樹さんである。
ゲスト陣も東京から招き、政治から芸能までを扱う“東京型”ワイドショーとなっている。
ただ現在のところ、この作りが迎え入れられたとは言えず、やや苦戦中だ。
さらにローカルワイド戦争は早朝にも飛び火した。
札幌テレビが「どさんこワイド!!朝!」を、北海道テレビが「イチオシ!モーニング」をそれぞれ今年の春にスタートさせたのだ。
どちらも朝・夕連動の動きである。
「制作力」は地方局生き残りの生命線だ。
キー局に頼るだけでなく、自前でコンテンツを生みだすこと。
その力は自社制作番組でしか養えない。
一種のケーススタディとして、今後も北海道の動向を追っていくつもりだ。
(東京新聞 2011.09.07)