碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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「日本民間放送連盟賞」の受賞と辞退

2011年09月22日 | 「東京新聞」に連載したコラム

『東京新聞』に連載しているコラム「言いたい放談」。

今回は、「日本民間放送連盟賞」について書いています。


「受賞」と「辞退」

放送界の大きな賞のひとつ、「日本民間放送連盟賞」(連盟賞)が発表された。

この中の「放送と公共性」部門で審査員をさせていただいている。

<最優秀>は山口放送の「過疎の島の介護日記~あるヘルパーと歩んだ10年の放送活動」。

<優秀>は札幌テレビ「がん患者、お金との闘い 2007年~2011年の活動」、ラジオ福島「災害ラジオとインターネット連動展開の記録」、そして長野朝日放送「地球を守ろう!プロジェクト」だ。

実は、<優秀>がもう一本あった。

東海テレビの「キャンペーン“司法シリーズ” 開かれた司法へ」である。

ところが、例の「セシウムさん」問題が発生し、東海テレビが受賞を辞退してきたのだ。

審査会では、あくまでも審査対象作品と向き合っての評価であり、今回の問題と受賞は別のことであるとしていた。

辞退は東海テレビなりの判断ではあるが、どこか割り切れない思いも残る。

今年、東海テレビは「放送と公共性」以外の四部門でも受賞を辞退した。

「テレビ教養番組」と「テレビエンターテインメント番組」では<最優秀>であり、この局が日頃、自社制作番組でいかに頑張ってきたかを物語っている。

その意味でも、「セシウムさん」問題は痛恨の出来事だったのだ。

一日も早く信頼を回復し、連盟賞にも再登場してもらいたい。

(東京新聞 2011.09.21)