碓井広義ブログ

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『読売新聞』で、“島田紳助 出演番組”についてコメント

2011年09月16日 | メディアでのコメント・論評

『読売新聞』に、島田紳助が出演していた番組の今後に関する記事が掲載された。

継続、もしくは打ち切り。継続の場合、島田紳助の代わりをどうするか、といった判断がほぼ出そろったのだ。

この記事の中でコメントをしています。


島田紳助引退 
出演番組の対処固まる


降板後視聴率ほぼ横ばい

島田紳助の突然の引退から3週間あまり。レギュラー番組を抱えていたテレビ各局の対処が固まりつつある。(片山一弘、旗本浩二)

紳助引退の理由が暴力団との親密な交際が発覚したことだっただけに、テレビ界では、改めて暴力団排除に向けての動きも起こっている。

紳助がレギュラー出演していた6本の番組のうち、TBS系の「紳助社長のプロデュース大作戦!」は打ち切りが決定。

フジテレビ系「クイズ!ヘキサゴン2」も、レギュラー出演者が持ち回りで司会をする形で2度放送したが、28日のSP番組を最後に終了と決まった。

いずれも紳助自身が企画を主導していただけに、継続は難しかったようだ。関西で放送されていた朝日放送(大阪)の「クイズ!紳助くん」は、放送を休止したまま検討中だ。

残る3番組は継続が決まった。石坂浩二との2人司会だったテレビ東京系「開運!なんでも鑑定団」は今田耕司が後任に決定。

日本テレビ系「行列のできる法律相談所」は、東野幸治、宮迫博之らが司会代行を務め、同「人生が変わる1分間の深イイ話」は、紳助が座っていたスペシャルコメンテーター席に、週替わりのゲストを招いている。

それぞれの番組で、紳助が出演した最後の回と、新体制初回の視聴率を比較してみると、「行列…」21・5%→19・4%、「人生…」13・6%→12・4%、「開運…」11・5%→13・2%、「ヘキサゴン2」12・0%→10・9%と、ほぼ横ばいという結果だった。

碓井広義・上智大教授(メディア論)は「テレビ局が実体以上に彼をありがたがっていたということ。

『開運…』のように企画自体がきちんとした番組なら、司会者が代わっても成立する。

テレビ局はこれを機に1人の有名タレントに頼り切ることのリスクを学んでほしい」とみている。


                    ◎

紳助引退の経緯に加え、暴力団への利益供与の禁止などを盛り込んだ都暴力団排除条例が10月1日に施行されることもあり、放送界からの暴力団排除は急務だ。

警視庁からの協力要請を受けた日本民間放送連盟は、在京キー局5社に対し、タレントらの出演契約書に暴力団排除条項を盛り込むことなどを要望している。

これまで民放各局の出演契約書には具体的な条項はなく「公序良俗に反する行為をしない」「番組のイメージを毀損する行為をしない」といった一般的な事項が記されているにすぎなかった。

NHKは今年4月、出演契約書に「暴力団、暴力団員・準構成員、暴力団関係企業等、その他これらに準じるものでないことを(出演者側が)保証する」などの事項を明記。

これに違反すると「直ちに契約を解除し、損害を賠償させることができる」と記している。

民放各局はNHKの例を注目しているが、そもそも出演契約書を取り交わさないケースもある。

テレビ局とタレントの関係において、これまでの慣行の根本的な見直しが課題となりそうだ。

(2011年9月15日 読売新聞)


<このブログ内での関連記事>

島田紳助引退騒動について、「北海道新聞」で論評 2011.09.01
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/294ec61ece453d512ca3e95cec45c44a


日韓共同制作ドラマ『赤と黒』の終了

2011年09月16日 | テレビ・ラジオ・メディア

日韓共同制作ドラマ『赤と黒』が、終わった。

最終回は、かなり詰め込んであって、大変だったけど(笑)。

いやあ、この2週間、十分に楽しませてもらいました。

脚本も、役者も、演出も、映像もかなりなものでした。

それは認めた上で、最終回の、このエンディングは、やはりこうじゃなきゃいけなかったんだろうか。

ここまで見てきて、この終わり方が韓流っぽいとか、ドラマチックであるとかは承知しつつも、何とも、やりきれないような脱力感(笑)。

もう少しだけ、見る側の“後味”というか、“読後感”というか、そういったものの救いようはなかったのかなあ、と。

復讐を果たしたはずが、自らの宿命を知らなかったゴヌク。

しかし、モネの最後の行為で罰は受けた、ということにしても、よかったのではないか。

たとえば、ゴヌクの最期は見せずに、「姿は消したけど、どこかで生きているかも」と思わせてくれるとか。

無理かなぁ(笑)。

まあ、ないものねだり、かもしれません。

あらためて、ドラマ全体に対しては、惜しみない拍手を送ります。