碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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『週刊新潮』で、NHK「もしも明日...離婚の危機を迎えたら」についてコメント

2011年09月09日 | メディアでのコメント・論評

発売中の『週刊新潮』9月15日号に、NHKの「もしも明日...離婚の危機を迎えたら」に関するコメントが掲載されました。

これから何本か放送される「もしも明日...」というシリーズの1本目。

「ドラマとドキュメンタリーを融合」がウリです。


有働由美子アナ司会で
「離婚特番」の不快指数


“不快指数”といっても、有働由美子アナ(42)が、また「脇汗」を搔いたわけではない。

3日夜、放送されたNHKの「もしも明日・・・」。

突然、予期せぬことが我が身に降りかかったら、どうすれば良いか。

その答えを探るという触れ込みの新シリーズで、第1回は「離婚の危機を迎えたら」。

今年度4回放送と特番的扱いで、司会はいずれも有働アナというから、未婚の彼女が「離婚問題」を担当するのに、あまり深い理由はないらしい。

その有働アナが、既婚者の坂下千里子、離婚経験者の室井佑月(バツ1)、石田純一(バツ2)、六角精児(バツ3!)といった面々をスタジオに迎え、トークを展開。

その合間に、ドラマとドキュンメントが挿入される新形式の番組だった。

「意欲は買いますが、どれも中途半端でしたね」と、上智大の碓井広義教授(メディア論)は言う。

「そもそも離婚を思いとどまらせようとするのか、離婚のススメなのか、スタンスがよくわからない。

ドラマも、キャリアウーマンの妻が家庭を顧みず、年下の夫が5歳の一人息子を連れて家を出るという設定ですが、旦那の怒りが我儘から来る不当なものに見えてしまうのです」


子の前で夫婦が罵りあい、「ごめんなさい、僕がいけないの。いい子にするから」と子供が泣く場面など、見る者は辛くなるばかり。やはり、離婚はいけない、ということ?

「ドキュメントも変。妻が目につく場所しか掃除せず、代わって夫が掃除するという夫婦の喧嘩場面を見せて、“仲直りのシグナルが潜む”と指摘。

また、離婚しているのに同居して家族で暮らす夫婦を“新しい幸せかたち”と紹介していたが、どちらも一般的でなく、参考にならない」(放送記者)

せっかくバツ1からバツ3まで集めたのに、トークは刺身のツマ扱い。じっくりと互いの離婚経験を語ってもらうだけで良かったのでは。

その方が、有働さんも勉強になったことでしょう。

(週刊新潮 2011.09.15号)


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