碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

「日本民間放送連盟賞」が発表された

2011年09月19日 | テレビ・ラジオ・メディア
山口放送「過疎の島の介護日記」


2011年の日本民間放送連盟賞(通称、連盟賞)が発表された。

私は「放送と公共性」部門の審査員を務めさせていただいている。

この部門は、「放送の公共性を強く意識しながら民放各社で取り組んでいる企画や開発の事績に対して賞を贈る」というもの。

今年の「放送と公共性」部門、受賞作は以下の通りだ。


最優秀 
<山口放送> 過疎の島の介護日記 あるヘルパーと歩んだ10年の放送活動


瀬戸内の過疎の島で訪問介護の会社を起こし、お年寄りたちの暮らしを支え続ける2人の女性ヘルパーの活動を、2002年から10年間にわたり密着取材し、ローカルのニュース番組や情報番組の特集枠、全国枠のドキュメンタリー番組などで放送を重ねた。2010年には、地域の病院を無償で借りることができ、行政の後押しも手伝い、財団からの助成金交付が決まり、この島に自分たちの小さな施設を作るという2人の夢が実現した。ローカル局として、地域の取り組みを真摯に伝え続けることで社会を動かした実績が認められ、2人の志を広く知らしめ、人のために尽くし、人のために働くことの大切さをストレートに伝えた事績として高く評価された。


優 秀 
<札幌テレビ放送> がん患者、お金との闘い 2007年~2011年の活動


サラリーマンの夫と2人の子どもと暮らす、がん患者の金子明美さん(2010年没)。がん患者への経済的支援を行政に求める金子さんの姿や一家の様子を通して、通院治療には十分な補償が出ないがん保険の実情や、高額療養費制度を申請しても、通院治療の場合は患者が3カ月分立て替える必要があり費用捻出に行き詰まる現実を、夕方のローカルニュースや特番で継続的に放送。保険会社や厚生労働省にも取材を重ね、新たな保険商品の発売や高額療養費制度の改善につながった。「がん患者とお金」の問題点を提起し続け、社会全体の議論を喚起し、行政や保険会社を動かした粘り強い取り組みとして評価された。


優 秀 
<ラジオ福島> 災害ラジオとインターネット連動展開の記録(暫定版)


3月11日14時46分、生ワイド番組の放送中に東日本大震災が発生。直後から全番組、全CMを休止し、3月26日5時までの全時間、報道特番を生放送した。震災発生当日から、ツイッターで災害情報を発信するとともに、リスナーから災害情報を募集するためのメールアカウントを作成し、放送とインターネットの連動型災害放送を開始した。3月14日はユーストリームで音声配信を開始、翌15日からラジオNIKKEIに番組を配信し、radikoを通して全国向けに福島の情報を発信した。新たなメディアを使った災害時の情報収集・告知の形を具体的に示し、今後の発展が期待できる事績として評価された。


優 秀 
<長野朝日放送> 地球を守ろう!プロジェクト


美しい信州の大自然を守るために、何ができるのかを視聴者とともに考える環境キャンペーン。子ども達が大自然と触れ合う「出前授業」や、環境特番・ミニ番組の編成、協賛企業による30秒環境スポットの制作・放送、視聴者参加型イベントの実施、さらには自社アナウンサーによる「紙芝居キャラバン」など、多彩な内容で2008年春から継続的に実施している。“地球を守ろう”という壮大なテーマであるが、目線は低く、全社一体で取り組み、市民を巻き込んだ活動を広く展開。豊かな自然を本気で守ろうとする意志が伝わり、放送局が持つ力を再認識させる事績として評価された。


・・・・実は、<優秀>がもう1本あった。

東海テレビ「キャンペーン“司法シリーズ” 開かれた司法へ」

である。

しかし、東海テレビから民放連に対して、「受賞を辞退したい」という申し入れがあったのだ。

「放送と公共性」部門の審査会では、あくまでも審査対象作品と向き合っての評価であり、いわゆる「セシウムさん」事件と受賞は別のことであると判断していた。

良い作品や良い取り組みはきちんと評価すべき、という考えだった。

辞退に関しては、東海テレビには東海テレビなりの判断があってのことと思う。

ちなみに今年、東海テレビの連盟賞入選は「放送と公共性」部門だけではない。

テレビ教養番組
(最優秀)「記録人 澤井余志郎~四日市公害の半世紀~」

テレビエンターテインメント番組
(最優秀)「泳ぐ車いす」

テレビCM
(優秀)「伊勢志摩国立公園志摩市 志摩への観光誘致/~思わずトンじゃう美しさ~(60秒)」
(優秀)「公共キャンペーン・スポット/食卓を守れ~ニッポンの農力~(120秒)」

青少年向け番組
(優秀)「くりびつ!」


すべて辞退とはいえ、これだけの入選作があったのだ。

ふだん東海テレビが、自社制作番組でいかに頑張っているかを物語っている。

だから、なおのこと、「セシウムさん」事件は残念だったのだ。

ぜひ一日も早く信頼を回復し、また連盟賞などに登場してきていただきたい。


それから、今回の連盟賞で嬉しかったのが、「テレビドラマ番組」部門の最優秀を、新聞の時評などで高く評価し、ずっと応援してきた「鈴木先生」(テレビ東京)が獲得したことだ。

視聴率のこともあり、あの社会派ドラマ枠は撤退するようだが、「鈴木先生」をはじめとする勇気あるチャレンジに拍手を送りたい。

「最優秀」受賞、おめでとうございます!


<参照>
日本民間放送連盟賞/2011年(平成23年)入選・事績
http://www.nab.or.jp/index.php?%C6%FC%CB%DC%CC%B1%B4%D6%CA%FC%C1%F7%CF%A2%CC%C1%BE%DE%2F2011%C7%AF%28%CA%BF%C0%AE23%C7%AF%29%C6%FE%C1%AA%A1%A6%BB%F6%C0%D3


最近観た映画⑤ 『探偵はBARにいる』

2011年09月18日 | 映画・ビデオ・映像

数日前の公開で、楽しみにしていた1本。

舞台は、大好きな街・札幌。

原作である東直己さんの小説「ススキノ探偵シリーズ」の愛読者だ。

大泉洋さん主演というのも大きい。

先日、プロデューサーとして制作した番組「鈴井貴之 原点回帰」の鈴井さんは、大泉さんたちが所属する事務所の社長なのだ(笑)。

で、観てみたら、予想以上によく出来ていて、ほっとしました。

そりゃまあ、探偵映画としては、いろいろ突っ込みどころはありますが(笑)。

大泉さんはもちろん、相棒役の松田龍平がいい。

ノンシャランとした万年大学生でありながら、格闘技はびしっと決めるあたりが嬉しい。適役。

とにかく、夜のススキノの空撮が出てくるだけで、泣けてきそうになり、困りました(笑)。

最近観た映画④ 『ゴーストライター』

2011年09月18日 | 映画・ビデオ・映像

これは良かった。

ロマン・ポランスキー監督、健在なり。

主人公は、元英国首相(ピアース・ブロスナン)の自伝を請け負った名無しのライター(ユアン・マクレガー)。

この自伝がクセモノで(笑)、いろんなことが起きる。

えーと、本格サスペンスです。

映画の中で、ほとんど青空を見ることはなく、ずっと曇り空や雨だったりするのだが、それが物語のトーンを象徴しているのだ。

じっくり見せるテンポがいい。

カメラを振りまわしたりしない、FIXの映像がいい。

説明し過ぎないことで、じわじわと高まるサスペンス性。

男たち2人もいいが、元首相の妻であるオリビア・ウィリアムズも、不思議なセクシーさでよかった。

これ、映画好きにはおススメ。

私も、もう一度、観たいと思ってます。


       <この映画を観たチネチッタ川崎>


















最近観た映画③ 『シャンハイ』

2011年09月18日 | 映画・ビデオ・映像

解説によれば・・・

「日本軍が真珠湾を奇襲する直前の1941年の上海が舞台。反日の抵抗勢力を、テロで封じようとする日本軍。日本軍と国民政府を二股にかける青幇(チンパン)と呼ばれる秘密結社が暗躍する。そこに日本とアメリカの諜報活動が絡んでくる。縦糸となる時代背景に、上海で運命のように出会った男と女の関係、愛の葛藤が、横糸として紡がれる」。


で、実際には、当時の上海の雰囲気は味わえるのですが、お話自体は、「うーん、こんなもんなのかなあ」という読後感(笑)。

もう少し、奥行きのある物語を構築して欲しかった。

でも、まあ、世界のケン・ワタナベの新作を見たからいいや、という1本。

そうそう、国際派女優・菊地凛子さんも出ています。

アヘン中毒のワケあり女(ずいぶん似合う)という役柄で、あまり台詞はありません(笑)。

最近観た映画② 『カーズ2』

2011年09月18日 | 映画・ビデオ・映像

最初の『カーズ』も、もちろん観ています。

主人公のライトニング・マックイーンもいいけど、レッカー車のメーターが大好きだ(笑)。

今回は2人(2台)で「ワールド・グランプリ」に参加。

舞台の一つはTOKYOだったりする。

「007」ばりのスパイ・アクションも見どころだった。

メーターって、ほんと、いいキャラクター(笑)。


最近観た映画① 『マイティ・ソー』

2011年09月18日 | 映画・ビデオ・映像

最近というには時間がたってしまったけど、ケネス・ブラナー監督作品『マイティ・ソー』。

神様たちが主人公ってところが、何だかすごい(笑)。

しかも追放されてやって来たのが人間界なのだ。

そこで出会うのは天文学者のナタリー・ポートマン。

アカデミー賞女優、こういう作品にも出ちゃうんですね(笑)。

神の国から人間界に送りこまれた強烈な“刺客”たちとの戦い。

いや、神の国でも死闘が。

というわけで、両方の世界で、ハンマー振りかざしの壮絶バトルが展開されます。

「何も考えずB級SFアクションを楽しもう!」という1本でした。


民放連見解「NHK番組ネット配信に反対」についてコメント

2011年09月17日 | メディアでのコメント・論評

「J-CASTニュース」の記事で、民放連が「NHKの番組ネット配信に反対」という見解を表明した件について、コメントしました。


NHKの番組ネット配信に反対
民放連主張の根拠「意味不明」


NHKがインターネットで番組を同時配信する構想を打ち出したことに、日本民間放送連盟(民放連)が「経費に受信料を使うのは反対」と異を唱えた。

これまでも、ネット配信については積極姿勢のNHKに対して、民放連は費用面や権利処理の観点から実現に難色を示し、意見が分かれていた。専門家からは「民放は利用者目線が欠如している」との指摘もある。

NHKの主張を「独りよがり」と批判

外部有識者による「NHK受信料制度等専門調査会」は2011年7月12日、報告書をNHK側に提出した。この調査会は、「フルデジタル時代」における受信料制度とその運用を検討してきたが、報告書にはネットによる同時配信に関する方向性を明らかにしている。

そこでは、NHKが公共放送としての役割を新たな時代で果たすうえで、ネットのような「伝統的な放送外の伝送路」の利用が不可欠とした。具体的な実現には、現行法の改正が必要との前提に立つものの、ネット同時配信が、パソコンや携帯端末といった「通信系端末」のみを利用する人にも社会参加を促し、「あまねく」情報を伝達する役割を一段進んだものにできる、という。

ネット同時配信を実現するための財源は、ひとつの考え方として受信料を挙げている。具体的には、既にテレビ受信機の設置に応じて受信料を支払っている視聴者とは別に、パソコンなどの通信端末でNHKを視聴する人を対象に加えるというものだ。

この報告書に対して民放連は9月15日、「見解」を発表した。NHKのネット同時配信の経費に「受信料収入を充てることには反対である」と意思表示したのだ。さらに、主にネット経由で情報を入手する若者層にもNHKの情報を届けなければ、NHKの役割を果たせないという主張は「独りよがり」の懸念があると指摘した。

受信料負担については、同時配信が実現した際に生じる恐れのある「相当なコスト負担」まで受信料全体で賄うのは「受益と負担の観点から、著しく適切さを欠くのではないか」と断じた。


「自らの利益を守ろうとする要素強く 利用者の目線が欠如」

ネット上の利用者の意見を見ると、民放連の反対意見に支持が広がっているわけではなさそうだ。今回の「見解」の指摘内容が「何を言いたいのか分かりにくい」との批判があるうえ、ネット配信自体に消極的な姿勢を見せる民放連に、「既に時代遅れなのに、ますます取り残されますね」「民放で『見たいな!』と思わせるオンデマンドサービスが無いくせに」と厳しい声も出た。

上智大学文学部新聞学科(メディア論)の碓井広義教授は、NHKがネット同時配信を実現しようとする姿勢に一定の評価をする一方、民放連の「見解」には「自らの利益を守ろうとする要素が強く、利用者の目線が欠如している」と話す。テレビ以外にも番組を受信できる「経路」が増えれば当然、視聴者にとって利便性が高まる。その視点が民放連にはないというのだ。

碓井教授は、景気の低迷による広告収入の減少、それによる番組の質の低下で民放から視聴者離れが起きている現状を指摘。一方で若者の間では、「テレビいらない、ネットで動画サイト見ればいい」という学生も多く、メディアの利用に変化が起きている。その状況で今度は、NHKがネット同時配信を進め始め、民放の危機感はこの上ないというのだ。

「ネット配信は著作権などをクリアするのが難しい、というのは、実は十数年前から民放が主張していました。これまでにも、その気になれば出演者との契約にネット配信の条項を盛り込むこともできたはず。今も同じ主張を繰り返しているのは、ネットへの対応の遅れを反省していないのでしょう」

NHKが、ネット配信に伴う「受信料負担」を持ちだしたのは、議論を進めるうえで、批判覚悟での行動ではないかと碓井教授は考える。実際の料金体系はまだ何も決まっていないからだ。

碓井教授は「パソコンを持っているから(自動的に)受信料を払う、ということではなく、将来は地上波、衛星放送、ネット配信のセットでの受信料になるのではないでしょうか。そこには、過去の番組を見られるサービスも含まれるでしょう」と推測する。

一方民放は、広告収入が厳しくなっている今こそ、ネット配信のモデルを真剣に考えるべきではないかと提言する。


(J-CASTニュース 2011.09.16)


『読売新聞』で、“島田紳助 出演番組”についてコメント

2011年09月16日 | メディアでのコメント・論評

『読売新聞』に、島田紳助が出演していた番組の今後に関する記事が掲載された。

継続、もしくは打ち切り。継続の場合、島田紳助の代わりをどうするか、といった判断がほぼ出そろったのだ。

この記事の中でコメントをしています。


島田紳助引退 
出演番組の対処固まる


降板後視聴率ほぼ横ばい

島田紳助の突然の引退から3週間あまり。レギュラー番組を抱えていたテレビ各局の対処が固まりつつある。(片山一弘、旗本浩二)

紳助引退の理由が暴力団との親密な交際が発覚したことだっただけに、テレビ界では、改めて暴力団排除に向けての動きも起こっている。

紳助がレギュラー出演していた6本の番組のうち、TBS系の「紳助社長のプロデュース大作戦!」は打ち切りが決定。

フジテレビ系「クイズ!ヘキサゴン2」も、レギュラー出演者が持ち回りで司会をする形で2度放送したが、28日のSP番組を最後に終了と決まった。

いずれも紳助自身が企画を主導していただけに、継続は難しかったようだ。関西で放送されていた朝日放送(大阪)の「クイズ!紳助くん」は、放送を休止したまま検討中だ。

残る3番組は継続が決まった。石坂浩二との2人司会だったテレビ東京系「開運!なんでも鑑定団」は今田耕司が後任に決定。

日本テレビ系「行列のできる法律相談所」は、東野幸治、宮迫博之らが司会代行を務め、同「人生が変わる1分間の深イイ話」は、紳助が座っていたスペシャルコメンテーター席に、週替わりのゲストを招いている。

それぞれの番組で、紳助が出演した最後の回と、新体制初回の視聴率を比較してみると、「行列…」21・5%→19・4%、「人生…」13・6%→12・4%、「開運…」11・5%→13・2%、「ヘキサゴン2」12・0%→10・9%と、ほぼ横ばいという結果だった。

碓井広義・上智大教授(メディア論)は「テレビ局が実体以上に彼をありがたがっていたということ。

『開運…』のように企画自体がきちんとした番組なら、司会者が代わっても成立する。

テレビ局はこれを機に1人の有名タレントに頼り切ることのリスクを学んでほしい」とみている。


                    ◎

紳助引退の経緯に加え、暴力団への利益供与の禁止などを盛り込んだ都暴力団排除条例が10月1日に施行されることもあり、放送界からの暴力団排除は急務だ。

警視庁からの協力要請を受けた日本民間放送連盟は、在京キー局5社に対し、タレントらの出演契約書に暴力団排除条項を盛り込むことなどを要望している。

これまで民放各局の出演契約書には具体的な条項はなく「公序良俗に反する行為をしない」「番組のイメージを毀損する行為をしない」といった一般的な事項が記されているにすぎなかった。

NHKは今年4月、出演契約書に「暴力団、暴力団員・準構成員、暴力団関係企業等、その他これらに準じるものでないことを(出演者側が)保証する」などの事項を明記。

これに違反すると「直ちに契約を解除し、損害を賠償させることができる」と記している。

民放各局はNHKの例を注目しているが、そもそも出演契約書を取り交わさないケースもある。

テレビ局とタレントの関係において、これまでの慣行の根本的な見直しが課題となりそうだ。

(2011年9月15日 読売新聞)


<このブログ内での関連記事>

島田紳助引退騒動について、「北海道新聞」で論評 2011.09.01
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/294ec61ece453d512ca3e95cec45c44a


日韓共同制作ドラマ『赤と黒』の終了

2011年09月16日 | テレビ・ラジオ・メディア

日韓共同制作ドラマ『赤と黒』が、終わった。

最終回は、かなり詰め込んであって、大変だったけど(笑)。

いやあ、この2週間、十分に楽しませてもらいました。

脚本も、役者も、演出も、映像もかなりなものでした。

それは認めた上で、最終回の、このエンディングは、やはりこうじゃなきゃいけなかったんだろうか。

ここまで見てきて、この終わり方が韓流っぽいとか、ドラマチックであるとかは承知しつつも、何とも、やりきれないような脱力感(笑)。

もう少しだけ、見る側の“後味”というか、“読後感”というか、そういったものの救いようはなかったのかなあ、と。

復讐を果たしたはずが、自らの宿命を知らなかったゴヌク。

しかし、モネの最後の行為で罰は受けた、ということにしても、よかったのではないか。

たとえば、ゴヌクの最期は見せずに、「姿は消したけど、どこかで生きているかも」と思わせてくれるとか。

無理かなぁ(笑)。

まあ、ないものねだり、かもしれません。

あらためて、ドラマ全体に対しては、惜しみない拍手を送ります。












NHK受信料制度をめぐって

2011年09月15日 | メディアでのコメント・論評

日本放送労働組合(日放労)の機関誌「NIPPORO」最新号が届いた。

先日、受信料制度等専門調査会の答申に関して、寄稿した論評が掲載されていました。


「報告」ではなく、「宣言」である


「NHK受信料制度等専門調査会」報告書で最も注目すべき点は何か。

それは、これまでの電波による放送を「伝統的な放送」と位置付け、インターネットをその“補完”ではなく“代替”として公式に認めたことである。

今後NHKがその役割や機能を果たす上でネット配信は必須であり、それを実現する方向へ舵を切ることを“宣言”したのだ。

誰もが視聴できる状態であるべき公共放送にとって、恒常的なネット同時配信を目指すこの宣言は遅すぎたくらいだ。

一段進んだ「あまねく」。

大事なのはこの考え方で進むという決意表明であり、「(ネットも含め)提供する基幹放送サービス全体を一体のものとして捉える」の一文こそが宣言のキモである。

もちろん課題も多い。「伝統的な放送」であれば、NHKから視聴者までの全経路を、電波塔1本に到るまで自ら管理・運用できる。

しかし、ネットのインフラに関しては、それが機能しない場合に責任がとれないのだ。

あくまでも「伝統的な放送」との併用、いわばダブル基幹放送ということになる。

では、そのためのコストをどうするか。

様々な対応策の中で一番インパクトがあるのが報告書に書かれた「PCから受信料を」だ。

しかし、これは前述の“宣言”部分とは意味合いが違う。

議論のための材料、関心を集めるための呼び水、炎上も予想した上での観測気球ではないのか。

「フリーライド」等、ネットユーザーには刺激的な言葉をあえて使っているのもそのためだろう。

「コンテンツに対価(料金)」というスタイルには慣れているネットユーザーも、「自ら選択していないコンテンツに対価」となると反発は大きい。

ましてや現在の受信料は放送の提供の対価ではなく、NHKの維持運営のための“特殊な負担金”なのである。

法的な意味だけでなく、利用者の意識や感情にも寄り添う形での「放送」や「受信料」概念の再検討、再定義が必要になってくる。

(NIPPORO 2011年8・9月号)

ウルトラセブン「ポインター」がやって来た!?

2011年09月14日 | テレビ・ラジオ・メディア

やって来たと言っても、実車じゃない。

って、当たり前か。

缶コーヒー・BOSSのオマケ、チョロQ版「ポインター」である。

ウルトラ・シリーズの中で一番好きなのがセブンだ。

で、隊員たちが乗っていたポインターも、数多あるウルトラ・メカの中でも大好きな一つ。

「町の中を走るのはテレるよなあ」とか何とか思いながらも、この派手な、大仰な感じがかわいい(笑)。

また、このオマケってのがいいんだよなあ。

実相寺監督が見たら、きっと喜んだろうなあ。






<このブログ内の関連記事です>

ドラマ『波の盆』のスクリーン上映
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/539a61bf310d65cfbd3d9ce357c8ae7c

師匠・実相寺昭雄監督との“再会”
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/7809c0817c62565f2f401b9b3b12f7cf

相寺昭雄監督の軌跡をたどる「実相寺昭雄展」
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/d5575441c881446a049222d79b432186

師・実相寺昭雄監督の命日
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/921bfb483c36e6b39ceeb1538b6a65cc

実相寺昭雄監督”三回忌”のこと
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/8e5349840f14b64774cf4bf295c762ea

実相寺昭雄監督を特集した番組を見た後で
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/5bd9be4967debc790db5fe04f91bb9ea


大学院9月入試の実施

2011年09月14日 | 大学

残暑の残暑みたいな暑い一日。

大学院の9月入試が行われました。







筆記と面接。

挑戦する側も、選考する側も真剣勝負だ。

会議が終わって、外を見たら夕景。

やはり秋らしい色になっていました。


日韓共同制作ドラマ『赤と黒』、佳境です

2011年09月14日 | テレビ・ラジオ・メディア

いやあ、俄然、目が離せなくなってきた。

NHK・BSプレミアムで、月曜から放送が再開された、日韓共同制作ドラマ『赤と黒』である。

クセになるどころか、完全にハマってしまった(笑)。

どうする、ゴヌク(キム・ナムギル)?

人妻・テラ(オ・ヨンス)とのことを、妹のモネ(チョン・ソミン)やジェイン(ハン・ガイン)に知られてしまって。

いや、テラの夫も知ったようだし、そもそも会長夫人(怖いぞお)や会長秘書にも正体がバレてきてるし、どうするんだ?

それに、「ゴヌクを悪人にしたくない」というジェインの気持ちも何とかしてやりたいしなあ。


・・・てな具合に、結構カタズヲノンデ見ている(笑)。

番組情報もできるだけ知らないようにして、このドラマの<シナリオ展開>を予測しながらリアルタイムで見て、「当然、そうだよね」とか、「おっと、そうきたか」などとつぶやいているのだ。

それにしても、復讐のためとはいえ、ゴヌク、モテてます(笑)。

モネやジェイン以上に、障害があったはずの人妻・テラ。

このテラが、じわじわとゴヌクに傾いていくプロセスは、先を急ぎがちな日本のドラマと違って(笑)、「情感」という言葉が浮かぶような描き方で、とてもいい。

ゴヌク、どこまで本当に“悪い男”(原題)になれるのか。

さあ、あと水曜、木曜の2晩だ。






















・・・・人妻が、夫以外の男との関係において、「行けるところまで行くわ」と決意してしまったら、これは大変です(笑)。

その決意の後に、久しぶりで見せた、少しふっきれたような笑顔が、
せつない。


残念な大作だった、松本清張ドラマスペシャル「砂の器」

2011年09月13日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』連載中の番組時評「TV見るべきものは!!」。

今週は、テレビ朝日の松本清張ドラマスペシャル「砂の器」について書きました。


オリジナル性を出そうとして
しくじった大作「砂の器」


先週末、テレビ朝日の松本清張ドラマスペシャル「砂の器」が2晩に渡って放送された。

原作が書かれたのは50年前。

74年に公開された映画版は日本映画史に残る名作の1本だ。

ドラマ化は今回が5度目となる。

制作陣は原作と映画を踏まえてオリジナル性を打ち出そうとしていた。

まず原作や映画で物語を牽引していたベテラン刑事(小林薫)の比重を下げ、若手の吉村(玉木宏)を軸にしたことだ。

若い視聴者狙いだったのかもしれないが、ドラマ全体が軽くなってしまった。

次に「原作にはあるが映画には登場しない」人物を出してきたこと。

犯人に近い評論家(長谷川博己)がそれだが、あまり有効に機能していない。

映画化の際、脚本家の橋本忍や山田洋次が省略したのは正解だったと言える。

そして、このドラマ最大の問題点は、「原作にも映画にも登場しない」人物として、玉木と親しい女性新聞記者(中谷美紀)を設定したことである。

玉木は中谷とベッドをともにするだけでなく捜査の現場に同行させるのだ。

新聞記者をはべらせて聞き取りを行う刑事などあり得ない。

しかも捜査のアドバイスまで受けてしまう。

中谷の存在は明らかにマイナスだった。

もう一つ。

「吉村は絶望しかけた」などと登場人物の感情を安易に説明していく
ナレーションにも違和感があった。

残念な大作だ。

(日刊ゲンダイ 2011.09.12)


AKB48「大握手会」in 幕張メッセ

2011年09月12日 | テレビ・ラジオ・メディア

日曜日、高校生の息子は例によって学校でバスケ部の練習だった。

ただ、いつもと違うのは、練習終了後、幕張へとすっ飛んで行ったことだ。

AKB48の「大握手会」である(笑)。

聞けば、今回はAKB、SKE(名古屋)、NMB(大阪)など、ほぼ全員集合のビッグイベント。

参加者は軽く1万人を超え、幕張メッセは満杯だったそうだ。

息子はAKBのサッシーこと指原莉乃サンと、SKEの小木曽汐莉サンのファンで、二人としっかり握手をしてきたようだ。

CDを購入して握手券を手に入れるわけで、熱烈なファンは1人のメンバーにつき何枚も買い集める。

1枚の握手券では10~15秒しか握手できないが、4~5枚持っていれば1分間は“独占”できるからだ。

会場には、そういう猛者がわんさといたそうだ。

いやあ、すごいビジネスである(笑)。