あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

ルネ・クレマン監督の「太陽がいっぱい」を観て

2012-10-10 09:07:02 | Weblog


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.326

アラン・ドロンが思い人マリー・ラフォレに「俺のためにギターを弾いてくれ」と言って、ついに自分の女にするときのアップの壮絶な美しさ! この恐るべき魅力に陥落しない女はまずいないだろう。

いろいろな思いが交錯したのだろうが、稀代の色男の手におちたマリー・ラフォレの憂いを帯びた瞳が哀しい。

しかしそのドロンが殺したモーリス・ロネの着物や靴を身につけている心情は私には理解できない。ホモの人には分かるのかもしれないが。

ナポリの市場を歩くドロンが見い出す首を切り捨てられた魚や楽しそうに笑うエイのアップが捨てカットのように見えて隠された意味を持っているようにも思える。



刺青は大嫌いだけど入れたい人は入れなさいここは自由の国だから 蝶人
コメント
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