公立保育園の民間委託で保育の質が守れますか

2009-12-20 11:54:40 | Weblog

保延議員が公立保育園の民間委託について質問した部分を報告します。
例によって黒字は保延議員の質問要旨、赤字は回答、青は福田のつぶやきです。

公立保育園の民営化について

 ●市の保育についての方針は「現行の保育水準を守り向上させる」こと。市の待機児対策は保育水準の維持・向上と結び付けてとりくむべきと思うが、考え方、方針を明確に。
答弁=行政、保育者、市民と共に守りたい。
●9月議会の所信表明で市長は「公立保育園の民営化は一つの有力な方策と考えている」と表明した。公立保育園の民営化は「保育における行政の公的責任の放棄」。「保育における公的責任」をどのように考えているか。
答弁=東村山市が運営する事だけが公的責任とは思わない。民間にできることは民間に任せることもある。
●民営化は保育水準の低下につながる。
答弁=市内の私立保育園の保育水準に差はないと考えている。低下しない。
●「三位一体改革」による公立保育園への国都補助の廃止についての当市の見解を伺う。また、これにより当市が受けた影響額を示されたい。
答弁=補助金は削られたが税源移譲がされたので影響額はない。
 そうであるなら民間委託は必要ない。公立保育園の補助金が無くなったから民間委託する東京都市長は言ったはず。

●1園の民営化によって期待している市財政の軽減見込み額をその算定根拠を。
答弁=5,000万円(歳入で国や都の補助金8,000万円の差がある)
 
やっぱり、運営費か給料水準が減る

●民営化ではなく、国都補助の復活を要求するべきではないか。見解を伺う。
答弁=国や都の補助金H16年から削減された。復活要求はしている。

保延議員は市内の私立保育園の質が低いと言ったのではない。
市内私立保育園は、それぞれの保育観に基づいた保育を行っている。
職員配置も正規職員が充分配置されている。

こうした東京の保育の質の良さは、革新都政時代の官民給与格差をなくすための補助金制度がなせる業である。
ところが、石柄都政になって、この私立保育所に対する運営費補助が大きく壊された。今、市内私立保育園は運営が大変厳しくなっている。
退職された有る園の園長先生が、
「給料が一番高い私が辞めなければならない程よ」と話しておられたのが耳を離れない。
保育者を育てる大学では教授が保育所の給与水準の低下を嘆いて
「あなたたちの将来はワーキングプアかもね」と学生たちに話しているという。
介護保険の現場から多くの若者が夢奪われて去って行った、その二の舞いが保育所の民間委託である。
民間委託は、東村山市の予算を減らすために行うものである。
民間に委託し、その職員の給与を公務員並みに維持するための委託費は当然補償されるはずがない。
市内の公立保育園がすべて民間に委託された時、
東村山市内保育所の保育士は、多くが非正規ということになりかねないのである。
こうした指摘に、今私立保育園と公立保育園の質の差はないとのみ言ってのける所管に、保育の質は何で守られるのかということが十分わかっているとは思えない。

それとも知らないフリをしているのか?
それならもっと悪い。

民間委託は、東久留米市の保護者と市民の運動にならって、住民の運動で絶対に回避させるべきです。


どうする保育園の待機児対策

2009-12-20 11:17:16 | Weblog

来年度の保育所の入所申し込みの受付が始まり、保育所に入れるだろうか、上の子と同じ保育所になってほしい と、保護者の方々の悩みは尽きません。

保育所待機児対策について保延議員が質問しました。
例によって黒字は保延議員の質問要旨、赤字は回答、は福田のつぶやきです。

保育所待機児童の現状

●待機児童の実態
  4月1日時点  旧基準 228人  新基準 147人
  10月1日現在  旧基準 358人  新基準 242人

  *新基準とは認可外保育所や認証保育所などに入所している児童を除く
  *旧基準とは認可園以外の保育施設に入所している児童も含める 
  カウントする待機児を減らすための姑息なカウントの手段。


●三多摩26市中当市は 新基準で8番目、旧基準で9番目に多い
●待機児の現状は
 認証保育園や認可外、保育ママなどの施設を利用し、それにも入れない子どもは祖父母や親戚の援助、一時保育なども利用している。
●認可外保育所入所の場合、認可園と比べて保護者の負担は
 ゼロ歳児で1万円、2歳児で7000円ほど多い
 
(有る基準を設定した場合である。実際はもっと負担が重いと思われる)

東村山市の待機児対策として
 ●保育施設 
  認可園をH23年4月に本町地区に1園開園(民間100人規模)
  同じく   H24年全生園の中に1園開設予定。
  認証保育所 H22年中に開所
  認定子ども園 H22年4月開園
  公立保育園で1園乳児枠を拡大する

    これでH24年までに300にんの待機児が解消できると考える。

 ●経済的支援
  H22年度認定子ども園の入園費補助、認証・認可外の補助制度を検討する。

  私福田かづこは、議員になって以来、認可外保育所と認可保育所の保育料の差額補助を求めてきました。東村山市がやっと重い腰を上げようとしていることを歓迎します。

以上が保延議員が行った待機児対策についての質問と回答の概要です。
待機児対策が叫ばれて久しくなりますが、国や都は、施設設置の基準を大幅に引き下げ、また認可外施設を待機児対策への解消策にしようとしてきました。
今また、民主党政権が、待機児対策に、更なる保育所の設置基準を引き下げようとしています。そしてその上、私立保育所への運営費補助を、一般財源化しようとしています。
こんなことが実施されたら、施設環境が破壊されるだけでなく、働く保育士の処遇も、保育所の運営も危機にさらされ、子どもたちの利益が損なわれます。
国や都は保育所の設置運営にお金を出し、認可園の増設にこそ責任を持つべきです。

 私が、上京して初めて勤めたのが、足立区にあった認可外保育所「梅田共同保育所」でした。保育士と保護者が共同で運営する施設で、バザーで資金を作ったりしていたものの、保育料が高く、母子世帯などではとても預けられませんでした。それでも産休明け保育が実施されていない現状を、保護者自らが打開すべく作ったのが共同保育所でした。
 東村山市で子育てを始めた私が、頼りにさせてもらったのも認可外保育施設『なかよし保育室』でした。
 結果として、二重保育することを是とせず、私は二人の娘をこの保育室で学校入学前まで育てていただきました。娘達にとってなかよし保育室の保育士たちは、母であり、姉であり、未だに人生の節目の折は園長先生の御宅に伺いその成長を見てもらっています。

従って、東村山市が認可外施設を社会的資源として大いに利用すべきだと思います。但し、それには施設の整備、保育士の認可園並の配置基準の整備、処遇の改善、保育料の軽減策などその運営に東村山市が手厚い保護をすることが前提です。
こうしたことが実施されてこそ、認証・認可外保育所の預けている保護者も、安心して預け続けることができるのではないでしょうか?