琵琶湖の生態系異常という「難病」
8回目は、近畿の水がめ「琵琶湖」の富栄養化、外来種の問題をとりあげます。

琵琶湖は、近畿で生活する1400万人の飲料水源として、また、数多くの鳥、魚、貝、その他の生物のすみかとして頼りにされています。しかし、1960年代以降、次々と特定の生物の大増殖という一病状」を訴えています。
植物プランクトンの大増殖については、水道のろ過池の目詰まりやかび臭、生ぐさ臭、赤潮、アオコ、「黒潮」などを発生させています。低酸素の環境を好む硫黄酸化細菌の増殖、南部の浅い水域に水草の異常増殖も近年確認されました。外来種のオオカナダモ(水草)、ブラックバス(魚)、カワヒバリガイ(二枚貝)などが在来種より目立っています。
特に、アオコの発生は、きわめて汚濁した湖沼に特徴的な現象で、アオコの中には青酸カリを上回る毒を持つ種類があります。この毒は、水道水では、浄水処理のミスがないかぎり除去されますが、湖水をそのまま飲む動物にとっては危険。2007年夏に集団死したアイガモの体内からアオコの毒物質が検出され、関連が疑われています。
琵琶湖が訴える「病状」、生物の異常増殖は、植物の栄養となるリンや窒素などが水に多く含まれていることが原因です。これらの流入を防止する努力は、リンを含む洗剤を追放する市民運動に始まり、種々の法律や規制が実施され、対策が講じられてきましたが、湖水の水質改善はすすんでいません。
(近畿水問題合同研究会会員 中村寿子)
(つづく)
8回目は、近畿の水がめ「琵琶湖」の富栄養化、外来種の問題をとりあげます。

琵琶湖は、近畿で生活する1400万人の飲料水源として、また、数多くの鳥、魚、貝、その他の生物のすみかとして頼りにされています。しかし、1960年代以降、次々と特定の生物の大増殖という一病状」を訴えています。
植物プランクトンの大増殖については、水道のろ過池の目詰まりやかび臭、生ぐさ臭、赤潮、アオコ、「黒潮」などを発生させています。低酸素の環境を好む硫黄酸化細菌の増殖、南部の浅い水域に水草の異常増殖も近年確認されました。外来種のオオカナダモ(水草)、ブラックバス(魚)、カワヒバリガイ(二枚貝)などが在来種より目立っています。
特に、アオコの発生は、きわめて汚濁した湖沼に特徴的な現象で、アオコの中には青酸カリを上回る毒を持つ種類があります。この毒は、水道水では、浄水処理のミスがないかぎり除去されますが、湖水をそのまま飲む動物にとっては危険。2007年夏に集団死したアイガモの体内からアオコの毒物質が検出され、関連が疑われています。
琵琶湖が訴える「病状」、生物の異常増殖は、植物の栄養となるリンや窒素などが水に多く含まれていることが原因です。これらの流入を防止する努力は、リンを含む洗剤を追放する市民運動に始まり、種々の法律や規制が実施され、対策が講じられてきましたが、湖水の水質改善はすすんでいません。
(近畿水問題合同研究会会員 中村寿子)
(つづく)