兵庫民報新春対談
たたかいが社会を変える 不当な解雇、許されない
瀬戸恵子(日本共産党衆院比例候補) 「国会へ行き、働く人守る法律つくる」
岩上愛(BABYの不当解雇とたたかう) 「たたかう仲間できたのが、一番の確信」
瀬戸 一年間大変な年だったと思うのですが、どうですか?
岩上 もう二〇〇九年。ちょっと早いですね。二〇〇七年の十二月十五日に解雇されたので、ちょうど一年と半月です。
私たち、BABY三宮店でアルバイトとして働いていた四人が解雇されたんですが、理由は、店長の独断的なもので、四人が「気に食わない」というだけでした。
兵庫労連に相談し、神戸地域労組にも入り、不当解雇撤回を求めてたたかいをはじめました。BABYのお客さまも、インターネットのミクシィで知って、応援にかけつけてくれました。気がつけば、メーデー、全国青年大集会や、街頭宣伝、新聞、ネットムービーなどで多くの方にたたかいが広まりました。
思ったより長いたたかいになりました。昨年十一月、労働審判で申し立てが棄却に。精神的にボロボロになった時期もありました。
でも、労働組合やBABYのお客さまなど支援してくれたみなさんの励ましは、私にまた勇気と希望を与えてくれました。
今年は本裁判でたたかうことになりまし。一月三十日には最初の公判です。
瀬戸 たたかいをつづけながら、新しい店では店長として活躍されているそうですね。
岩上 BABYでいま働いている人たちがいじめなどにあったとき、すぐに話を聞けるようにしたいと思って、同じビルの店に再就職しようと思いました。
「会社を訴えている人はあぶない」なんていって断られた店もありますが、いま働いているメンズ服の店-BABYは六階でこの店は二階です-には、採用面接の際に「私は労働組合員です。いま、不当解雇撤回の運動をし、相手を訴えています」とはっきりいいました。でもここの社長は「そんなのは関係ない」と採用してくれました。十月から、はれて店長になりました。
瀬戸 いい経営者もいるんですよね。
岩上 この一年間、活動してきた中で、得た一番大きなものは、人とのつながりに確信を持てたということです。いっしょにたたかってくれる仲間ができたということです。
「人を信じる」ってちょっと怖いことじゃないですか。でも、解雇とのたたかいは、自分一人では絶対できないと思います。
瀬戸 私が岩上さんに初めて会ったのはネスレ争議の支援集会でした。これまでの支援集会に来ないようなタイプの人が二人いるのが見えたんです。後で、兵庫労連サイトに載っている相談事例のページを見て、「あっ、この間の人たち。小さい職場で声をあげてるんや」とびっくりしました。
神戸の西区でもナブテスコという新幹線のブレーキなどをつくっている会社があるんですけど、昨年春、そこで三年以上勤めているのに派遣のままだった二人の労働者が、直接雇用を求めて労働局に申告したら、会社はその夏に雇い止めにしました。それも二人の派遣会社からきている人全員の首を切ったんです。次の日から別の会社から派遣労働者がきて働いています。
二人は「わしらは人間扱いされてない。古くなった部品のように簡単に取り替える。守ってくれる法律もない」-現在の法律では違反にならないi「こんなおかしいことは許されへん」といって、JMIUの組合に入って、たたかいをはじめています。
この間、この二人に会ったら「ぼくのこと、あんまり持ち上げんとってな。特別なことやってるんとちゃうねん。たまたまあの職場でひどい目にあったから、ものをいうんや。瀬戸さんは、国会議員になって法律を変えてほしい。ナブテスコには昔から正社員の中にも共産党でたたかっている人もいる。それぞれの立場でがんばって、ぼくはぼくでしかできないことをしているだけや」といいます。
岩上さんのたたかいも、最初は二人でしたっけ?
岩上 そうです。それにもともといっしょに働いていた子、さらに、いじめでやめた子が加わり、四人になりました。
瀬戸 みんなの思いを、岩上さんが代弁してくれているのかな。
いろんな集会で岩上さんも「この問題は、私一人の問題じゃない。みんな同じような目にあっている。そのためのたたかいです」といってますよね。
『蟹工船』の時代とは違うけど、いまは、たった一人でもがんばってみよう、二人で、三人で立ち上がるんだけど、それをたくさんの人が支えるー
いまの団結ってこういう形なんですね。
それぞれのたたかいが共感しあって、広がっていく、それが大切なのかな?と岩上さんを見ていて、思います。
声上げなくては変えられない
瀬戸 いま、非正規の人がおおぜい首をきられている。独身で、寮を追い出される人もいるし、家族・子どものいる人もいます。こんな大変な状況に追い込まれた人がいる。
岩上さんも、母子家庭で経済的ゆとりがなくて、高校に進学せず、中卒でアルバイトに出て、初めてもらったお給料をお母さんにわたした、という話をしてましたね。
岩上 十代のころは、社会の「常識」をそのまま受け入れていました。母親に楽をさせたいという気持ちしかなく、がむしゃらに働いていました。一つ目標をつくれば、それを達成するまでは、ほかのことに関心をもてない子でした。
小学生のときから空手をやっていました。空手は「礼に始まり礼に終わる」という厳しい世界で、正義感も強かったんです。
就職してみると、首を切られた人もいましたし、セクハラを受けてやめた子もいました。けれど、大人になるにつれ、感情が押し殺されて、「しょうがないんやろな」と思うようになってました。
十四歳で社会に出たので早すぎたということもあるでしょうけど。
瀬戸 世の中のきたない部分を早くに知ってしまったんですね。でも、この一年はすごい変化ですね。
岩上 BABYであまりにもひどいいじめをみた瞬間に「よくないでしょう」と口に出してしまったんです。
そのとたん、店長は、「こいつは自分の味方ではない」と感じて、一方的に私の首を切ったんです。「他人のことに足を踏み入れただけで、自分の人生がこんなことになるのか。なんで巻き込まれなあかんの?」と恨みつらみの気持ちででいっぱいになりました。
けれど、その時はじめて、テレビで見るホームレスの気持ちや、息子を殺されて泣き叫ぶお母さんの気持ちが、「ああ、これ他人事じゃない」と思えたんです。
あまりにも理不尽な不当解雇にあって、相手に対する変な遠慮もとれてしまいました。
正しいと思ったことをいってしまう、もともともっていた、隠れていた性格が出てきました。
瀬戸 自分を出せて、気分も楽になったでしょうね。でも、自分を出していった大変さもあるんじゃないですか?
岩上 たしかに顔も名前も出してのたたかいは怖いです。でも、声をあげなくては変えられない。
瀬戸 岩上さんが声をあげたことも、みんなを励ましているんだと思います。
ナブテスコの人もいっているように表に出てたたかえる人は一部だけど、いろんな人が手をつないだら、ものすごく大きな力になるっていうのを実感しました。
政治を変える力も大きくして
瀬戸 いまの法律では働く人の権利を十分に守っていません。でも、それなら、その法律を変える運動、さらには「政治そのものを変えようよ」というもっと大きな運動にもしていけると思います。
なにより、日本中でおかしいと思っている人たちに、声をあげてみようと励ましている、大きな意味のあるたたかいですね。
労働者派遣法が改悪された時、民主党も賛成し、マスコミも大きくは書かなかった。でも派遣で働く人自身が勇気を出して声をあげたことで、世論が大きく変わり、自民党政権ですら、改善しなくてはといわせるまでになってきました。
儲かっているときは安い賃金で働かせ、景気が悪くなると首を切る、でも法律違反にならない。そんな法律の欠陥を大企業が最大限利用しています。
こういう法律、政治を変えていくのが私のいちばん大きな仕事かなと思います。みんなに運動を広げていきたいと思います。
岩上 いま、二十三歳なんですけど、政治的な知識がまったくないまま労働組合に入りました。でも、かえって、世の中のいろんな仕組みが分かって、活動が面白いと思えるようになったんです。
政治の動きに自分の生活が影響を受けている。首切りとか労働の問題も政治につながっているんだと最近、気がついたんです。それなら、どの党がいいのか、自分の目で確かめなくてはと思うようになったんです。
戦争反対とか、解雇はだめとか、あたりまえのことをきちんといえて、社会を変えていこうとしている共産党ってすごいなと思いました。
「赤旗」や「兵庫民報」は真実を伝えてくれています。私たちの思いもきちんと書いてくれました。真剣な思いは、伝えることができるんだ、と思いました。政治に関心が持てていない十代、二十代の若い人にも伝わればいいな、と思います。
争議に勝って、恩返しがしたい
瀬戸 今年の抱負は?
岩上 まずは自分の争議に勝つ。
それから自分の争議が終わっても活動をやめず恩返しをしたいんです。ここまで育ててくれた母親も含め、いっしょにたたかってくれているお客さまや、これだけ費用や時間もかけて支援してくれる労働組合の方がた、瀬戸さんはじめ共産党のみなさんに、恩返しができるような年にしたいです。
瀬戸 すてきな新年の抱負ですね。
私は、必ず国会にいって法律を変える、みんなの力で政治そのものを変える年にしたいと決意しています。
いっしょにがんばりましょう。
岩上 ぜひぜひ!がんばりましょう。
【ファッションは個性の”着こなし”】
瀬戸 岩上さんを支援する会のお花見で、BABYのお客さんから「この服を着るのは命がけなんです」といわれました。「街で勝手に写真を撮られたり、笑い者にされたりする」。でも、「みんなと違う服装をしているだけで、おかしいといわれるのが許せない」いってました。そんな感覚はすてきだなって、私は思います。こういう人たちなら、いじめも許さないでしょうね。
岩上 「個性」って絶対に必要だと私は思います。はやりのものを着る、友達と同じものを持つーそれはそれでいいんですけど、はやりを取り入れたら、それを自分流に変えていかないとみんな同じ顔、同じテイストになってしまいます。
本来のおしゃれってそうじゃないと思います。安い千円、二千円のTシャツを自分なりに着こなして、「それ、いくらするの?」「え!二千円?ありえない!」といわせるのがおしゃれだと思います。
瀬戸 わかる!
岩上 きょう着ているのは、「ロリータ」とは対になる「パイレーツ」というカテゴリーで、「王子様系」なんですが、街を歩くと、奇抜さゆえに勝手に写真を撮られたりします。でも私からみれば、ほかの人は「同じような格好をしてる。もったいない」と思うんです。
瀬戸 私も子どもから「いつまでミニスカートはくんや」といわれますけど、好きなんですから、一生、ミニスカートでがんばりたいです。
岩上 いいですね!ファッションの基本は自由です。自分の個性を出せる服を着こなせているかが一番大事ですよね。
瀬戸 ファッションって人格の大事な部分ですね。
【兵庫民報 2009年新春号より転載】
たたかいが社会を変える 不当な解雇、許されない
瀬戸恵子(日本共産党衆院比例候補) 「国会へ行き、働く人守る法律つくる」
岩上愛(BABYの不当解雇とたたかう) 「たたかう仲間できたのが、一番の確信」
瀬戸 一年間大変な年だったと思うのですが、どうですか?
岩上 もう二〇〇九年。ちょっと早いですね。二〇〇七年の十二月十五日に解雇されたので、ちょうど一年と半月です。
私たち、BABY三宮店でアルバイトとして働いていた四人が解雇されたんですが、理由は、店長の独断的なもので、四人が「気に食わない」というだけでした。
兵庫労連に相談し、神戸地域労組にも入り、不当解雇撤回を求めてたたかいをはじめました。BABYのお客さまも、インターネットのミクシィで知って、応援にかけつけてくれました。気がつけば、メーデー、全国青年大集会や、街頭宣伝、新聞、ネットムービーなどで多くの方にたたかいが広まりました。
思ったより長いたたかいになりました。昨年十一月、労働審判で申し立てが棄却に。精神的にボロボロになった時期もありました。
でも、労働組合やBABYのお客さまなど支援してくれたみなさんの励ましは、私にまた勇気と希望を与えてくれました。
今年は本裁判でたたかうことになりまし。一月三十日には最初の公判です。
瀬戸 たたかいをつづけながら、新しい店では店長として活躍されているそうですね。
岩上 BABYでいま働いている人たちがいじめなどにあったとき、すぐに話を聞けるようにしたいと思って、同じビルの店に再就職しようと思いました。
「会社を訴えている人はあぶない」なんていって断られた店もありますが、いま働いているメンズ服の店-BABYは六階でこの店は二階です-には、採用面接の際に「私は労働組合員です。いま、不当解雇撤回の運動をし、相手を訴えています」とはっきりいいました。でもここの社長は「そんなのは関係ない」と採用してくれました。十月から、はれて店長になりました。
瀬戸 いい経営者もいるんですよね。
岩上 この一年間、活動してきた中で、得た一番大きなものは、人とのつながりに確信を持てたということです。いっしょにたたかってくれる仲間ができたということです。
「人を信じる」ってちょっと怖いことじゃないですか。でも、解雇とのたたかいは、自分一人では絶対できないと思います。
瀬戸 私が岩上さんに初めて会ったのはネスレ争議の支援集会でした。これまでの支援集会に来ないようなタイプの人が二人いるのが見えたんです。後で、兵庫労連サイトに載っている相談事例のページを見て、「あっ、この間の人たち。小さい職場で声をあげてるんや」とびっくりしました。
神戸の西区でもナブテスコという新幹線のブレーキなどをつくっている会社があるんですけど、昨年春、そこで三年以上勤めているのに派遣のままだった二人の労働者が、直接雇用を求めて労働局に申告したら、会社はその夏に雇い止めにしました。それも二人の派遣会社からきている人全員の首を切ったんです。次の日から別の会社から派遣労働者がきて働いています。
二人は「わしらは人間扱いされてない。古くなった部品のように簡単に取り替える。守ってくれる法律もない」-現在の法律では違反にならないi「こんなおかしいことは許されへん」といって、JMIUの組合に入って、たたかいをはじめています。
この間、この二人に会ったら「ぼくのこと、あんまり持ち上げんとってな。特別なことやってるんとちゃうねん。たまたまあの職場でひどい目にあったから、ものをいうんや。瀬戸さんは、国会議員になって法律を変えてほしい。ナブテスコには昔から正社員の中にも共産党でたたかっている人もいる。それぞれの立場でがんばって、ぼくはぼくでしかできないことをしているだけや」といいます。
岩上さんのたたかいも、最初は二人でしたっけ?
岩上 そうです。それにもともといっしょに働いていた子、さらに、いじめでやめた子が加わり、四人になりました。
瀬戸 みんなの思いを、岩上さんが代弁してくれているのかな。
いろんな集会で岩上さんも「この問題は、私一人の問題じゃない。みんな同じような目にあっている。そのためのたたかいです」といってますよね。
『蟹工船』の時代とは違うけど、いまは、たった一人でもがんばってみよう、二人で、三人で立ち上がるんだけど、それをたくさんの人が支えるー
いまの団結ってこういう形なんですね。
それぞれのたたかいが共感しあって、広がっていく、それが大切なのかな?と岩上さんを見ていて、思います。
声上げなくては変えられない
瀬戸 いま、非正規の人がおおぜい首をきられている。独身で、寮を追い出される人もいるし、家族・子どものいる人もいます。こんな大変な状況に追い込まれた人がいる。
岩上さんも、母子家庭で経済的ゆとりがなくて、高校に進学せず、中卒でアルバイトに出て、初めてもらったお給料をお母さんにわたした、という話をしてましたね。
岩上 十代のころは、社会の「常識」をそのまま受け入れていました。母親に楽をさせたいという気持ちしかなく、がむしゃらに働いていました。一つ目標をつくれば、それを達成するまでは、ほかのことに関心をもてない子でした。
小学生のときから空手をやっていました。空手は「礼に始まり礼に終わる」という厳しい世界で、正義感も強かったんです。
就職してみると、首を切られた人もいましたし、セクハラを受けてやめた子もいました。けれど、大人になるにつれ、感情が押し殺されて、「しょうがないんやろな」と思うようになってました。
十四歳で社会に出たので早すぎたということもあるでしょうけど。
瀬戸 世の中のきたない部分を早くに知ってしまったんですね。でも、この一年はすごい変化ですね。
岩上 BABYであまりにもひどいいじめをみた瞬間に「よくないでしょう」と口に出してしまったんです。
そのとたん、店長は、「こいつは自分の味方ではない」と感じて、一方的に私の首を切ったんです。「他人のことに足を踏み入れただけで、自分の人生がこんなことになるのか。なんで巻き込まれなあかんの?」と恨みつらみの気持ちででいっぱいになりました。
けれど、その時はじめて、テレビで見るホームレスの気持ちや、息子を殺されて泣き叫ぶお母さんの気持ちが、「ああ、これ他人事じゃない」と思えたんです。
あまりにも理不尽な不当解雇にあって、相手に対する変な遠慮もとれてしまいました。
正しいと思ったことをいってしまう、もともともっていた、隠れていた性格が出てきました。
瀬戸 自分を出せて、気分も楽になったでしょうね。でも、自分を出していった大変さもあるんじゃないですか?
岩上 たしかに顔も名前も出してのたたかいは怖いです。でも、声をあげなくては変えられない。
瀬戸 岩上さんが声をあげたことも、みんなを励ましているんだと思います。
ナブテスコの人もいっているように表に出てたたかえる人は一部だけど、いろんな人が手をつないだら、ものすごく大きな力になるっていうのを実感しました。
政治を変える力も大きくして
瀬戸 いまの法律では働く人の権利を十分に守っていません。でも、それなら、その法律を変える運動、さらには「政治そのものを変えようよ」というもっと大きな運動にもしていけると思います。
なにより、日本中でおかしいと思っている人たちに、声をあげてみようと励ましている、大きな意味のあるたたかいですね。
労働者派遣法が改悪された時、民主党も賛成し、マスコミも大きくは書かなかった。でも派遣で働く人自身が勇気を出して声をあげたことで、世論が大きく変わり、自民党政権ですら、改善しなくてはといわせるまでになってきました。
儲かっているときは安い賃金で働かせ、景気が悪くなると首を切る、でも法律違反にならない。そんな法律の欠陥を大企業が最大限利用しています。
こういう法律、政治を変えていくのが私のいちばん大きな仕事かなと思います。みんなに運動を広げていきたいと思います。
岩上 いま、二十三歳なんですけど、政治的な知識がまったくないまま労働組合に入りました。でも、かえって、世の中のいろんな仕組みが分かって、活動が面白いと思えるようになったんです。
政治の動きに自分の生活が影響を受けている。首切りとか労働の問題も政治につながっているんだと最近、気がついたんです。それなら、どの党がいいのか、自分の目で確かめなくてはと思うようになったんです。
戦争反対とか、解雇はだめとか、あたりまえのことをきちんといえて、社会を変えていこうとしている共産党ってすごいなと思いました。
「赤旗」や「兵庫民報」は真実を伝えてくれています。私たちの思いもきちんと書いてくれました。真剣な思いは、伝えることができるんだ、と思いました。政治に関心が持てていない十代、二十代の若い人にも伝わればいいな、と思います。
争議に勝って、恩返しがしたい
瀬戸 今年の抱負は?
岩上 まずは自分の争議に勝つ。
それから自分の争議が終わっても活動をやめず恩返しをしたいんです。ここまで育ててくれた母親も含め、いっしょにたたかってくれているお客さまや、これだけ費用や時間もかけて支援してくれる労働組合の方がた、瀬戸さんはじめ共産党のみなさんに、恩返しができるような年にしたいです。
瀬戸 すてきな新年の抱負ですね。
私は、必ず国会にいって法律を変える、みんなの力で政治そのものを変える年にしたいと決意しています。
いっしょにがんばりましょう。
岩上 ぜひぜひ!がんばりましょう。
【ファッションは個性の”着こなし”】
瀬戸 岩上さんを支援する会のお花見で、BABYのお客さんから「この服を着るのは命がけなんです」といわれました。「街で勝手に写真を撮られたり、笑い者にされたりする」。でも、「みんなと違う服装をしているだけで、おかしいといわれるのが許せない」いってました。そんな感覚はすてきだなって、私は思います。こういう人たちなら、いじめも許さないでしょうね。
岩上 「個性」って絶対に必要だと私は思います。はやりのものを着る、友達と同じものを持つーそれはそれでいいんですけど、はやりを取り入れたら、それを自分流に変えていかないとみんな同じ顔、同じテイストになってしまいます。
本来のおしゃれってそうじゃないと思います。安い千円、二千円のTシャツを自分なりに着こなして、「それ、いくらするの?」「え!二千円?ありえない!」といわせるのがおしゃれだと思います。
瀬戸 わかる!
岩上 きょう着ているのは、「ロリータ」とは対になる「パイレーツ」というカテゴリーで、「王子様系」なんですが、街を歩くと、奇抜さゆえに勝手に写真を撮られたりします。でも私からみれば、ほかの人は「同じような格好をしてる。もったいない」と思うんです。
瀬戸 私も子どもから「いつまでミニスカートはくんや」といわれますけど、好きなんですから、一生、ミニスカートでがんばりたいです。
岩上 いいですね!ファッションの基本は自由です。自分の個性を出せる服を着こなせているかが一番大事ですよね。
瀬戸 ファッションって人格の大事な部分ですね。
【兵庫民報 2009年新春号より転載】