”メタボ”退治にも
特定健診・特定保健指導が制度化され、4月から始まりました。
そこで、“メタボ”という言葉がよく使われるようになりました。これは、メタボリックシンドロームの略です。
特定保健指導の対象となる人は、まずおへそ回りが男性では85センチ以上、女性では90センチ以上であること。肥満指数BMIと呼ばれ体重キロ÷身長メートル÷身長メートルという式から算出される値が25以上の人が対象となります。
たとえぱ、身長1メートル60センチで、体重60キロの人は、60÷1.6÷=23.4ですが、体重が5キロ増えて65キロとなると、25を超えてしまいます。
成人では身長は変わらないので、体重をコントロールするしかありません。
体重増加が、エネルギー摂取と消費とのアンバランス、すなわち、摂取量が消費量を上回る結果であることはだれでも知っていることでしょう。
しかし、“中年太り”といわれるように、中年になって注意を払わないでいると、体重はわずかずつ増えていきます。そして、“メタボ”といわれるようになってしまうのです。
そこで、肥満者の多いアメリカの研究者たちは、どのくらいの運動を実践し、エネルギーを消費すれば、同じ体重を保持できるのかを調べました。
対象者は、中年の肥満指数が25以上の男性、女性で、次の四つの群に分けられました。
C:特に運動しないコントロール群
LW:運動の量は少なく強度が中程度の群
LH:運動の量が少ないが強度が高い群
HH:運動の量が多く強度の高い群
これら四つの群の人たちが8ヶ月間のトレーニング実験に参加しました。その間、当然食事内容は変えないように注意しました。
その結果、Cでは体重が増加し、運動したLW、LH、HHでは、運動の量と強さの多い順に体重が減少しました。
同じ体重を保持できるのは、1週間に8マイル(12・8km)のウオーキングかランニングを、余分にすることでした。
1日にするとこれまでより2キロ程度余分に歩いていれば、体重が増えることはないのです。
それ以上実施すれば、それだけ減量できるのです。
しかし、同じ運動をしても、その効果に個人差があります。
ですから、実践している運動が減量に効果があるのかないのか、自分自身で体重を監視することが必要でしょう。
朝起床後、排尿をすませた後、といった毎日決められた時刻に、同じ体重計で、体重を測定することをお勧めしたいと思います。
(宮下充正・東京大学名誉教授)
【しんぶん赤旗 日曜版 2008年12月7日付より転載】
特定健診・特定保健指導が制度化され、4月から始まりました。
そこで、“メタボ”という言葉がよく使われるようになりました。これは、メタボリックシンドロームの略です。
特定保健指導の対象となる人は、まずおへそ回りが男性では85センチ以上、女性では90センチ以上であること。肥満指数BMIと呼ばれ体重キロ÷身長メートル÷身長メートルという式から算出される値が25以上の人が対象となります。
たとえぱ、身長1メートル60センチで、体重60キロの人は、60÷1.6÷=23.4ですが、体重が5キロ増えて65キロとなると、25を超えてしまいます。
成人では身長は変わらないので、体重をコントロールするしかありません。
体重増加が、エネルギー摂取と消費とのアンバランス、すなわち、摂取量が消費量を上回る結果であることはだれでも知っていることでしょう。
しかし、“中年太り”といわれるように、中年になって注意を払わないでいると、体重はわずかずつ増えていきます。そして、“メタボ”といわれるようになってしまうのです。
そこで、肥満者の多いアメリカの研究者たちは、どのくらいの運動を実践し、エネルギーを消費すれば、同じ体重を保持できるのかを調べました。
対象者は、中年の肥満指数が25以上の男性、女性で、次の四つの群に分けられました。
C:特に運動しないコントロール群
LW:運動の量は少なく強度が中程度の群
LH:運動の量が少ないが強度が高い群
HH:運動の量が多く強度の高い群
これら四つの群の人たちが8ヶ月間のトレーニング実験に参加しました。その間、当然食事内容は変えないように注意しました。
その結果、Cでは体重が増加し、運動したLW、LH、HHでは、運動の量と強さの多い順に体重が減少しました。
同じ体重を保持できるのは、1週間に8マイル(12・8km)のウオーキングかランニングを、余分にすることでした。
1日にするとこれまでより2キロ程度余分に歩いていれば、体重が増えることはないのです。
それ以上実施すれば、それだけ減量できるのです。
しかし、同じ運動をしても、その効果に個人差があります。
ですから、実践している運動が減量に効果があるのかないのか、自分自身で体重を監視することが必要でしょう。
朝起床後、排尿をすませた後、といった毎日決められた時刻に、同じ体重計で、体重を測定することをお勧めしたいと思います。
(宮下充正・東京大学名誉教授)
【しんぶん赤旗 日曜版 2008年12月7日付より転載】