きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

知って得する 気分一新 ウオーキング⑦ メタボ退治にも

2008-12-07 22:48:49 | 赤旗記事特集
”メタボ”退治にも


 特定健診・特定保健指導が制度化され、4月から始まりました。
 そこで、“メタボ”という言葉がよく使われるようになりました。これは、メタボリックシンドロームの略です。
 特定保健指導の対象となる人は、まずおへそ回りが男性では85センチ以上、女性では90センチ以上であること。肥満指数BMIと呼ばれ体重キロ÷身長メートル÷身長メートルという式から算出される値が25以上の人が対象となります。
 たとえぱ、身長1メートル60センチで、体重60キロの人は、60÷1.6÷=23.4ですが、体重が5キロ増えて65キロとなると、25を超えてしまいます。
 成人では身長は変わらないので、体重をコントロールするしかありません。
体重増加が、エネルギー摂取と消費とのアンバランス、すなわち、摂取量が消費量を上回る結果であることはだれでも知っていることでしょう。
 しかし、“中年太り”といわれるように、中年になって注意を払わないでいると、体重はわずかずつ増えていきます。そして、“メタボ”といわれるようになってしまうのです。
 そこで、肥満者の多いアメリカの研究者たちは、どのくらいの運動を実践し、エネルギーを消費すれば、同じ体重を保持できるのかを調べました。
対象者は、中年の肥満指数が25以上の男性、女性で、次の四つの群に分けられました。

C:特に運動しないコントロール群
LW:運動の量は少なく強度が中程度の群
LH:運動の量が少ないが強度が高い群
HH:運動の量が多く強度の高い群



 これら四つの群の人たちが8ヶ月間のトレーニング実験に参加しました。その間、当然食事内容は変えないように注意しました。
 その結果、Cでは体重が増加し、運動したLW、LH、HHでは、運動の量と強さの多い順に体重が減少しました。
 同じ体重を保持できるのは、1週間に8マイル(12・8km)のウオーキングかランニングを、余分にすることでした。
 1日にするとこれまでより2キロ程度余分に歩いていれば、体重が増えることはないのです。
 それ以上実施すれば、それだけ減量できるのです。
 しかし、同じ運動をしても、その効果に個人差があります。
 ですから、実践している運動が減量に効果があるのかないのか、自分自身で体重を監視することが必要でしょう。
 朝起床後、排尿をすませた後、といった毎日決められた時刻に、同じ体重計で、体重を測定することをお勧めしたいと思います。
(宮下充正・東京大学名誉教授)

【しんぶん赤旗 日曜版 2008年12月7日付より転載】

知って得する 気分一新 ウオーキング⑥ 認知症予防にも効く

2008-12-07 22:40:25 | 赤旗記事特集
認知症予防にも効く!


 日本人の平均寿命が延び、高齢者人口が増えると認知症にかかる人が多くなります。
 認知症は、脳内出血によって起こるものを除けば、突然発症するものではなく、加齢とともにしだいに脳の細胞に変化が生じ、深刻な状態になるのです。
 一般に老化にともなって、脳の血流量はしだいに減少し、酸素の供給量が減ってきます。このことが、認知能力の低下につながると考えられています。
 アメリカの研究者たちは、平均年齢餌歳の男女を対象として、“退職せずに仕事を続ける群”、“退職したが、日ごろの身体活動の高い群”、“退職し、日ごろあまりからだを動かさない群”という三つの群に分け、脳の血流量と認知能力を追跡、比較しています。
 その結果、退職時では三つの群の間で差が見られなかったにもかかわらず、その後の4年間の追跡調査中に、“退職し、日ごろあまりからだを動かさない群”だけが、脳の血流量は毎年減少していき、4年後の認知テストの成績に明らかな低下が見られました。


 この研究結果は、高齢になって退職というライフスタイルが大きく転換する場合でも、からだを動かす習慣を保持することが、脳の活性化を保つうえで重要であることを示しています。
 また別に、フランスの研究者たちは、60~76歳の高齢者を対象に、1日に45分間のウオーキング(一部の人はジョギング)を週2日の頻度で2、カ月間実施してもらい、その前後で認知テストをしました。
 その結果、コントロール群に比べ、ウオーキングを実践した群の認知テストの結果は!2%向上したと報告しています。
 このように、適度な運動実践は、老化による血行障害を防ぎ、脳への酸素供給を保つのに役立ちます。
 そして、適度な量の酸素が脳へ供給されることは、脳の神経細胞に生命活動のエネルギーをもたらすグルコース代謝ばかりでなく、ドーパミン、ノルエピネプリン、セロトニンなどの神経伝達物質の合成や分解にとって必要不可欠で、認知能力を支えるものと考えられています。
 認知症が増え重大な社会問題となってきて、いろいろと認知症の治療方法が研究されていますが、まだまだ特効薬は見つかっていません。
手軽にできるウオーキングが認知症予防に効果があることを信じて、毎日の生活の中で積極的に実践しましょう。
(宮下充正・東京大学名誉教授)

【しんぶん赤旗日曜版 2008年11月30日付けより転載】