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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

シリーズ 原発の深層  第五部・やらせの背景⑥ 上層部に届いた報告

2011-12-22 23:07:13 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
シリーズ 原発の深層  第五部・やらせの背景⑥ 上層部に届いた報告

 「このメールをあなたが受け取った記録が残っています。読んだ覚えがありますね?」
 「読んだのでしょうが、忘れました」
 北海道電力の幹部らは、こんな調子で調査に答えていたといいます。
 調査の様子を振り返るのは「やらせ」問題で北電が設置した第三者委員会(委員長、市川茂樹弁護士)の関係者です。
 「聞き取りした社員の口は重かった。パソコンのデータを入手しなかったら、『よくわかりませんでした』という結果になってもおかしくなかった」
 自社が設置した第三者委員会の調査に対しても固く口を閉ざした北電。それでも、2008年に行われた四つのシンポジウムなどでの「やらせ」を第三者委員会は認定しました。



佐藤北電社長(手前右)のやらせ関与を追及する日本共産党の真下紀子道議(正面中央)=10月26日、北海道議会

「黙認は確実」
 報告書は「本社を含めた相当数の部署の組織的関与があったことが明らか」としながらも、取締役などの北電上層部については「積極的に指示したことを認めるに足りる証拠は見出せなかった」としました。
 この部分を都合よく解釈したのが、佐藤佳孝社長ら上層部です。10月26日の道議会に参考人招致された幹部らは「役員の直接的関与はなかったと(第三者委員会で)報告された」と、追及をかわしました。
 この北電側の発言に第三者委員会の関係者は不快感を示します。
 「下から上への報告メールはあったが、上から下への指示メールを調査で確認できなかった。だから、この表現にとどまった。しかし受け取った事実があるのだから、幹部は『やらせ』を黙認していたのは間違いない」
 佐藤社長は「やらせ」を認識していたかどうかについて、「承知していない。現場がよかれと思って一生懸命仕事をやった結果起こった」と、まるでひとりごとです。
 ある北電関係者は「プルサーマル導入の了承を得るために行政とのやりとりや道民世論も気になったはずだ。佐藤社長が知らないのは信じられない。社長への報告だから、メールだけでなく、口頭や文書での報告も調べるべきだ」と首をかしげます。

「信頼」に遠く
 同社には、原子力対策の統括部門に原子力推進本部があります。当時の佐藤社長はその本部長も務め、本部長代理を副社長、副本部長を常務取締役が兼任する体制でした。
 関係者は続けます。
 「メンバーが重複しているから、会社の取締役会が推進本部会議の肩代わりをしていたと聞いた。そうなると『やらせ』を全役員が知っていたことになる」
 北電は、08年以外の「やらせ」については、調査をしないとしています。こうした姿勢からは、「信頼の回復」とはほど遠い同社の隠ぺい体質ばかりが見えてきます。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年12月20日付掲載



下から上へのメールの存在は認めても、上から下への指示は認めようとしない。
「現場が良かれと思って立った事」と、まったく他人事の様です・・・

自民党政権時代の事ですが・・・。「秘書がやったこと・・・」「記憶にございません・・・」などと時の政治家が言い逃れしたものです。
それと同じで、責任逃れの常とう手段のように感じられます。