きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

変革のベネズエラ 国づくりと課題② 揺れている中間層

2012-10-26 22:54:06 | 国際政治
変革のベネズエラ 国づくりと課題② 揺れている中間層

大統領選真っ最中のサバナグランデ大通り。チャベス大統領支持者の女性が与党・統一社会主義党(PSUV)の宣伝テントでキャンペーンTシャツを求めていました。「あなたも1枚買ったら?」と問われた夫のアルベルト・ディアスさん(53)は、「いまはいらないよ」と首を振りました。
ディアスさんは、国営企業で働く技術者。1万ポリバル(約18万円)以上の月給を保障されたいわゆる「中間層」の一人です。



中間層が多数を占めるサバナグランデ付近で投票所まで長い列を作って順番を待つ人々=10月7日、カラカス

「恩恵受けず」
「チャベス政権がやってきた社会開発計画(ミシオン)は、貧困層を支援するうえで重要な措置だと思う。それは否定しないが、自分はなんの恩恵も受けていないし…。
近所の友人たちはみんな野党候補のカプリレス支持だが、彼の政策も信頼できない。正直迷っている」と語りました。
選挙当日のある投票所。8割を超えた投票率を「革命過程の成果だ」と説明してくれた建築家のアルベルト・マタさん。選挙を通じ国民の多数の支持を確認しながら改革を進めるというチャベス政権の「革命過程」を評価しながらも、「今回はカプリレスに投票した」と明かしました。
「カプリレスの政策を支持するわけではない。チャベス大統領が批判の声に耳を傾けなくなっているような気がしてね」
ベネズエラでは、各種のミシオンの実施によって、貧困世帯の割合は、1998年の44・3%から26・7%(2011年)まで低下。貧困から脱出した世帯は、中間層の一部になったわけですが、この層の投票動向は与野党の宣伝戦の中で激しく揺れていました。



愛国的中間層全国戦線のカラカス責任者ノルベルト・ヌネス氏=10月3日、カラカス・中央銀行広場


「右派の宣伝」
PSUVの中で中間層の党員約150万人を結集する「愛国的中間層全国戦線」のカラカス責任者ノルベルト・ヌネス氏(43)は、中間層の中で「何も恩恵を受けていないという思いがあるのは、右派マスコミの宣伝のせいだ」と語ります。
同氏は、電力や電話の会社が国有化され、料金が大幅に引き下げられたことなどから、「中間層にとっては公共料金の合計が月収の5%程度に抑えられている」と説明。さらに、中間層のほとんどが所有するクレジット・カードや住宅ローンの利子も引き下げられたことを例に挙げて、中間層が全体として「チャベス政権によって恩恵を受けてきたのは客観的事実だ」と力説しました。
(つづく)(カラカス=菅原啓、写真も)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年10月20日付掲載



貧困層から脱却して中間層になったら、「もう自立した」「チャベスのお世話にならなくっていい」なんて事になるんでしょうか?
その中間層も、本当は貧困政策以外で恩恵をうけているんですね。
口コミの力が強いというベネズエラでも、やはりマスコミの影響は無視できないのですね。

コメント
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