きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

変革のベネズエラ 国づくりと課題④ 治安の悪化に懸念

2012-10-29 19:07:16 | 国際政治
変革のベネズエラ 国づくりと課題④ 治安の悪化に懸念

「つい最近もここで強盗事件があった。治安の悪化が一番の懸念だね」
大統領選投票日(10月7日)、首都カラカス市内で取材中の国営テレビ記者がこう語りました。市民の声の中でも、もっとも多かったのは治安悪化の問題でした。

麻薬対策強化
ベネズエラの殺人発生率は10万人当たりで48人(昨年)。南米諸国で最も深刻です。非政府組織は、チャベス大統領の過激な言動が「暴力を助長している」と批判します。
しかし、「野党ならばうまくいくという保証はなにもない」と語るのは、与党陣営の幹部ミリアム・ベラスケスさん。暴力はチャベス政権のせいだと主張する野党の「カプリレス候補はミランダ州の知事だったが、この州は犯罪発生率がもっとも高い州の一つになっている。治安面での実績はないに等しい」と反論します。
チャベス政権は新しい警察学校もつくり、警官を増やし、麻薬組織対策を強化しています。ベラスケスさんは「問題はそれがまだ目に見える効果を上げていないことだ」ともいいます。



凶悪犯罪が多く発生している貧困層の住む地域=9月27日、カラカス・エルバジェ地区

インフレ抑制
カプリレス氏が650万票と過去最高の得票を記録した背景には、治安問題をはじめとする国民の不満があったことは事実です。
ただ、事前に多くのマスコミが指摘していたインフレ問題は、有権者の間からはほとんど聞かれませんでした。
インフレ率は昨年27・6%で、南米諸国では高い値ですが、チャベス政権時代(1999~2011年)の年平均では22・2%。それ以前のカルデラ政権時代(94~98年)の年平均59・6%に比べれば半分以下に抑えられています。
経済学者のルベン・ララ氏は、最低賃金の連続的引き上げ、年金受給者の拡大、政府系販売網メルカルを通じた生活必需品の安価な販売などで「国民生活の安定は守られているからだ」と指摘します。
カプリレス氏は、治安や生活面での不満をあおり、それがチャベス大統領の長期政権のせいだとして「新しい進歩を」と呼び掛けました。経済・生活面はともかく、治安悪化の問題では、こうした訴えが一定の効果を発揮したといえるでしょう。
(つづく)(カラカス=菅原啓 写真も)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年10月22日付掲載



治安の悪化は、普通に暮らすものにとっては困るものです。たしかに、政権の担い手が変わってもすぐには変わらないものかもしれません。しかし、与党陣営の幹部が「野党ならうまくいくという保証はなにもない」と、自らの政権が治安を改善できてないことを棚に上げるような発言をするのは良くないですね。
もっと真剣に取り組む姿勢を見せないと中間層などからの支持が失われると思います。