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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

水平社創立100年 人間の尊厳を求めて① 自ら立ち上がり解放めざす

2022-03-08 07:08:13 | 政治・社会問題について
水平社創立100年 人間の尊厳を求めて① 自ら立ち上がり解放めざす
部落差別間題の解決を目指す「全国水平社」は1922年3月3日、京都市で創立されました。100周年を機に水平社結成の歴史的意義と部落問題の到達、今日的教訓について丹波正史さん(全国地域人権運動総連合代表委員)に聞きました。

全国地域人権運動総連合代表委員 丹波正史さんに聞く

水平社創立は、封建的身分差別の残滓(ざんし)である部落差別の屈辱と呻吟(しんぎん)から人間の誇りを取り戻し、自らを解放しようとしたものです。創立大会では「人間を尊敬する事によって自ら解放せん」と誓い、「人の世に熱あれ、人間に光あれ」とうたいあげました。
先人達は屈辱の歴史に終止符を打とうと挑戦し、戦後民主主義と部落解放運動を背景に「社会問題としての部落問題」の最終解決を見通せる段階に到達しています。ここに100周年を記念する最大の意義があります。
水平社運動は、ロシア革命の影響や米騒動の経験、朝鮮・中国での日本帝国主義反対のたたかいなど世界と日本の人民闘争のなかで誕生しました。日本共産党の創立をめざしていた人々の活動も大きな影響を与えました。



全国水平社の創設者たち(全国人権連・全国水平社創立100年記念特設ページの動画から)

歴史的な意義
水平社創立の歴史的意義は、①部落住民が初めて自主的大衆的な組織を誕生させたこと、②地方分散的たたかいから全国的な集団運動の組織を確立したこと、③部落出身者が初めて人間としての権利を主張し行動する組織をもったこと、④集団運動の確立が部落外住民との協力・共同の運動を構築する契機になったこと、⑤人間の平等・水平を求める、すぐれて民主主義の運動の時代的な先駆性を発揮したことに―あります。
水平社創立大会で「吾々に対し穢多(えた)及び特殊部落民等の言行によって侮辱の意志を表示したる時は徹底的糺弾(きゅうだん)を為す」と決議しました。この「徹底的糺弾」は、支配階級に対する闘争としても展開されましたが、その多くが勤労大衆の差別言動に向けられました。
その結果、差別的言動は抑制されたものの支配権力による弾圧とも相まって一般国民に大きな恐怖心を植え付けるものとなりました。
そのため「糺弾路線」の見直しが行われ、差別を支える根本へのたたかいこそ解放への道との認識が組織内で広まりました。

「人民的融和」
水平社は紆余曲折を経ながらも、第13回大会(1935年)で「人民的融和」論を方針化しました。部落差別を市民的自由の問題と位置づけ、人民との連帯・融和を通して差別の根拠をなす天皇制支配体制の変革をめざすものでした。
天皇制権力は、部落大衆の爆発的なエネルギーに警戒心を示し、日本共産党の影響力が広がることを阻止する方策をとりました。たとえば米騒動で部落民衆が果たした役割に驚がくしました。京都府警文書で部落民衆の特性を「凶暴性」「団結心」「鞏固(きょうこ)」と記していました。部落民衆の戦闘性、強靱性を恐れ、社会進歩の運動と接合することを恐れていたのです。
水平社内の共産党員らに対して、特高警察などによる監視・拘束・転向強要などの弾圧が加えられました。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年3月5日付掲載


水平社創立は、封建的身分差別の残滓(ざんし)である部落差別の屈辱と呻吟(しんぎん)から人間の誇りを取り戻し、自らを解放しようとしたもの。
差別的行為や言動をする一般国民が悪いのではない。
部落差別を市民的自由の問題と位置づけ、人民との連帯・融和を通して差別の根拠をなす天皇制支配体制の変革をめざすものへ。
根本には絶対的天皇制の支配があると。
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