きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2023年度の予算案の焦点⑨ 文化・芸術 団体に「自己責任」求める

2023-02-02 07:11:02 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2023年度の予算案の焦点⑨ 文化・芸術 団体に「自己責任」求める
2023年度文化庁予算案は1077億円で、22年度比1億円の微増ですが、物価高騰のもとで実質減額です。別途22年度の第2次補正予算で713億円が計上されました。そのうち500億円は国立劇場再整備費で、芸術団体支援は100億円でした。コロナ禍で大打撃を受けた文化・芸術に対する政府の姿勢は、芸術団体や芸術家に自己責任で稼ぐことを求め、そのためのシステム作りを推進する新規事業が数多く盛り込まれています。
「文化芸術の自律的運営促進事業」は、芸術団体などが運営上の問題点を改善・解決できるようコンサルティング会社に委託する事業で1・7億円を計上しました。
22年の「骨太方針」で、文化施設・社会教育施設はコンセッション(所有権を自治体が持ち運営権を民間事業者に渡す)の導入を進めるとしており、これを受けて導入支援に6000万円を充てています。

大型改修に注力
「我が国アートのグローバル展開推進事業」として国際的なアートフェアの出展や日本誘致などに1・5億円を計上。国立劇場や三の丸尚蔵館の建て替え・改修に係る経費は、本予算でも26億円を計上し、国立劇場・皇居周辺に観光客を呼び込むための一大事業と位置づけています。
実演芸術には「舞台芸術等総合支援事業」(新規事業)として100億円が計上されましたが、従来の芸術団体、劇場・音楽堂などの支援とともに、これまで補正予算で行ってきた事業を一本化したものです。コロナが収束しなければ、芸術団体は安定的な活動ができません。場と担い手への継続的な支援が求められます。



支援拡充を求め「We Need Culture」を掲げる吉良よし子日本共産党参院議員(中央)と文化関係者=2020年9月14日、国会内

学校公演等80減
子どもたちの学校公演など「文化芸術による子供育成事業」は、この「総合支援事業」に統合されており、22年比で80公演減っています。鑑賞機会の保障が求められます。
23年度予算案には、フリーランスの芸術家、スタッフに対する経済的な支援はありません。フリーランスに対する支援は、契約などに関する相談窓口の設置、実務研修、公演単位のハラスメント対策支援などわずか8000万円です。昨年までは、補正予算で小規模な団体も応募ができた「ARTS for the future!」事業は終了しています。さらにインボイス(適格請求書)制度で追い打ちをかけることは許されません。文化財関連予算は、3億円増の447億円です。
在留外国人の増加を受け日本語教育を促進するとして、22年度比4億円増の14億円を計上しています。日本語教員を国家資格にするなどの法改正も予定されています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年2月1日付掲載


コロナが収束しなければ、芸術団体は安定的な活動ができません。場と担い手への継続的な支援が求められます。
子どもたちの学校公演など「文化芸術による子供育成事業」は、この「総合支援事業」に統合されており、22年比で80公演減っています。鑑賞機会の保障が求められます。
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