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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2022年度予算案の焦点⑥ 文教 コロナ禍でも教員削減

2022-01-27 07:06:32 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2022年度予算案の焦点⑥ 文教 コロナ禍でも教員削減
2022年度の文部科学関係予算案は5兆2818億円(21年度比162億円減)で、そのうち文教関係予算案は4兆64億円(143億円減)です。
新型コロナウイルス感染対策や、不登校や自殺の増加に対応するため手厚い体制が求められているにもかかわらず、小中学校の教職員定数を3302人も減らそうとしています。

振り替えが中心
21年度から始まった小学校全学年の段階的な35人学級化に向け、22年度は3年生分として3290人の教職員定数改善を計上しました。ただし、そのうち750人は、これまで自治体が独自の少人数学級に活用してきた加配定数(いじめ対応など政策目的に応じて配分される定数)からの振り替えです。
文科省は、小学校高学年での教科担任制を進めるための教職員定数分として、今後4年で8800人の加配定数改善が必要だとし、22年度はそのうち2000人の改善を求めていました。しかし、教科担任制のための定数改善は4年で3800人、22年度は950人に縮小。しかも、22年度の改善分のうち280人はチームティーチングなど他の加配からの振り替えです。
一方、少子化による定数の「自然減」や学校統廃合などの「合理化減」などで7200人近い定数が減らされるうえ、国庫負担金の算定方法「適正化」でも800人相当の予算が削られます。定数改善計画と定数減計画の差し引きでは、約3300人という大幅減となり、義務教育費国庫負担金は人事院がボーナス引き下げを勧告した影響などと合わせ21年度比149億円の減です。



小学校に登校する子どもたち

■2022年度の義務教育の教職員定数の増減
小学3年生での35人学級実現3290人
通級指導や外国人児童生徒への日本語指導370人
小学校高学年での教科担任劇の推進等1030人
定数改善計4690人
少子化による基礎定数減-3947人
少子化による加配定数減-455人
35人学級実現のだめの加配定数振り替え-750人
教科担任制推進のための加配定数振り替え-280人
その他・学校統廃合など「合理化」減-1760人
国庫負担金の算定方法の「適正化」-800人相当
定数減計-7992人
差し引き-3302人
※文部科学省からの聞き取りをもとに作成。「国庫負担金の算定方法の『適正化』」は、これまで各都道府県の教職員平均給与単価の算定に入れていなかった再任用教職員を算定に加えたことで給与単価を引き下げたもの


“稼ぐ大学”支援
岸田文雄政権は、科学技術立国を成長戦略の柱と位置づけ、市場で稼ぐ大学へ予算を集中しようとしています。22年度の大学関連予算案は国立・私立とも「メリハリある配分」を強調。日本の高等教育・研究基盤を破壊してきた「選択と集中」路線をいっそう強めようとしています。
国立大学法人運営費交付金は1兆786億円(4億円減)と、04年の法人化時から1474億円超もの減額です。
同交付金は、本来大学の規模や学部編成などに応じ機械的に配分すべき資金です。ところが自公政権は、交付金の一部を外部資金獲得実績といった共通指標で評価して増減させる「改革インセンティブ」制度を19年度につくり、22年度は交付金のうち1000億円を充てています。さらに、同制度分の各大学への交付金の増減幅を21年度のプラス・マイナス20%から22年度は同25%へ、指定国立大は同30%へ拡大します。全国立大学を共通指標で評価する同制度に対し、国立大学協会は国立大学の多様性を奪い、研究力を低下させると批判しています。
ほかに交付金のうち775億円を、文科省が位置づける政策課題を実現するための予算枠とし、各大学に獲得を競わせる競争的資金にしています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月26日付掲載


21年度から始まった小学校全学年の段階的な35人学級化に向け、22年度は3年生分として3290人の教職員定数改善を計上。でも、自治体が独自の少人数学級に活用してきた加配定数(いじめ対応など政策目的に応じて配分される定数)からの振り替えが中心。
少子化などでの自然減などを合わせると、差し引き3300人もの定数減になる。
大学での基礎研究よりも、目先の利益を優先しての予算配分。ますます科学技術立国から遠ざかります。

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