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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

守ろう地球の未来 襲いかかる気候危機① マーシャル諸島(上) 海面 玄関先まで迫る

2020-01-07 10:45:45 | 環境問題・気候変動・地球温暖化について
守ろう地球の未来 襲いかかる気候危機① マーシャル諸島(上) 海面 玄関先まで迫る
海面上昇、氷河の溶解、大規模化するモンスーン…。温暖化の影響とみられる災害も各地で頻発し、人類の生存を脅かす事態となっています。世界と日本で深刻化する「気候危機」の実態を、現地ルポを含めて紹介します。


<中原聖乃・竹峰誠一郎著『核時代のマーシャル諸』を参考に作成>

マーシャル諸島共和国
太平洋に点在する29の環礁と五つの島で構成。人口約5万8000人(2018年、世界銀行)。面積181平方キロ(霞ケ浦とほぼ同じ)。1885年にドイツ保護領。1914年に日本が占領。45年に第2次世界大戦終結とともに米国が占領、47年に米国を施政国とする国連の信託統治が始まりました。79年に憲法を制定し、自治政府が発足。86年に米国との間で自由連合協定が発効し独立。91年に国連に加盟しました。


「家の扉を開けると目の前に海水が迫っている。これはマーシャル諸島のだれもが毎日のように経験していることですよ」
太平洋の国マーシャル諸島の首都マジュロに住むトニー・アリクさん(30)は海岸を歩きながらこう語り始めました。生ぬるい潮風が吹き付けるなか、真っ青な海が太陽の光できらきらと輝きます。海岸をしばらく進むと、アリクさんの職場の建物前に到着しました。
足元には、湿った赤茶色の海藻が束になって打ち上げられています。
「昨日はここまで海水が押し寄せたということです。5年前には波はこれほど深くまで来なかった」とアリクさん。海藻から建物までは50センチもありません。まさに「家の目の前に海水」です。



職場の建物の前で海面上昇について懸念を語るトニー・アリクさん=2019年12月27日、マジュロ

影響最も深刻
マーシャル諸島の平均海抜は約2メートル。地球温暖化が原因とみられる海面上昇の影響を最も深刻に受ける国の一つです。
「国連気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の昨年の特別報告書は、有効な対策がとられないまま地球温暖化が進むと今世紀末に世界平均の海面水位は最大1・1メートル上昇すると予測しました。過去の報告書では、海面が1麿上昇するとマーシャル諸島の人口の半分が集中するマジュロ環礁(首都マジュロ)の土地の8割が失われると指摘しました。
昨年11月には「キングタイド」と呼ばれる極端に大きな潮の満ち引きが発生し、マジュロでは道路や家が冠水。200人以上が避難を余儀なくされました。台風の巨大化、雨不足、干ばつなどの異変も相次いでいます。
キングタイドはこれまでもみられた現象です。しかしマーシャル諸島政府は国連に提出した文書で「いっそう頻繁に起き、強烈になっている」と指摘。真水に海水が混ざり、生活用水を得るのが難しくなりつつあると強調しました。
アリクさんも「最近のキングタイドはかつてのものとは質が違います」と語ります。



ココヤシの木の根元に押し寄せる波=2019年12月27日、マジュロ

他国の犠牲に
マーシャル諸島政府によると、世界全体の温室効果ガス排出に占める同国の割合は0・00001%にすぎません。それにもかかわらず、石炭・石油などの化石燃料に依存してきた国々が引き起こした気候変動の犠牲者となっています。
アリクさんは語ります。「私たちは自分たちがつくってもいない問題に苦しめられています。(地球温暖化対策の国際条約)パリ協定から離脱した米政権にはがっかりです。お金もうけのことばかり話している時ではない、ここでは人間の命にかかわる事態が進んでいるんだということを言いたいです」(マジュロ=島田峰隆 写真も)(つづく)、

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年1月4日付掲載


一番弱い立場に置かれている人々が、地球温暖化の影響を受ける。
住み続けることさえできなくなる。温暖化ガス排出ゼロを緊急に。




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