自由研究のススメ
甲南大学特別客員教授・名誉教授 田中修さんアドバイス
夏休みといえば自由研究。でも毎年、テーマに悩みますよね。猛暑の夏、親子で植物と雲に注目してみませんか?(堤由紀子)
植物「ふしぎ」どんどん
芽は出る?トマトの種
私は「子どもたちが自分でふしぎを感じてほしいし、ふしぎに出合ってほしい」と思っています。その思いから二つ、自由研究のヒントを紹介します。
一つ目が「野菜や果物の種をまく」です。たとえば、子どもと一緒にトマトを食べます。種がたくさんありますよね。「この種をまいたら、芽が出るかな?」と子どもに問いかけてみましょう。
実はこの種、よく洗ってティッシュの上に置き、ラップをかけておけば3、4日で発芽するんです。じゃあ、土に埋めてみたらどう?どれぐらいの深さがいいかな?
スイカやカボチャ、メロン、キウイはどうだろう…。「ふしぎ」がどんどん広がります。
さらに、もっと根本的な疑問も出てきます。なぜ、トマトの実の中では、種は発芽しないのだろうと。そこには「呼吸」というしくみが関わっているんですね。
ほら、調べたいことがたくさん出てきませんか?「ふしぎを感じる、ふしぎに出合う」って楽しいですよね。
固まる?固まらない?
夏といえば、冷たいデザートがほしくなりますね。市販もいいけれど、家にある果物でゼリーでも。でも、どうやら固まらない果物があるようです。
たとえばキウイ。ゼラチンでは固まらないのですが「寒天キウイゼリー」ならできます。
なぜか?それはゼラチンがたんぱく質であるということ。そして、キウイには、そのたんぱく質を分解するアクチニジンという物質が含まれていること。だから固まらないんですね。
ところが、キウイのゼラチンゼリーが市販されています。なぜ?それはキウイを加熱してから加えることで、アクチニジンの働きをなくしてしまったからです。
では、パイナップルはどう?パパイアは?メロンは?モモは?
固まる、固まらないだけでなく、果肉や果汁をゼリーの上に置いてゼリーが溶ける時間を観察するという自由研究もできます。
雲が全部わかる
「すごすぎる 天気の図鑑展」
埼玉県で9月25日まで
◆「すこすぎる天気の図鑑展」
9月25日(日)まで(第1・3・5火曜は休館)。ところざわサクラタウン角川武蔵野ミュージアム5階(JR東所沢駅10分)。開館時間は日~木曜は午前10時~午後6時、金・土は午後9時まで。入場料おとな1200円、中高生1000円、小学生900円、未就学児無料。
埼玉県所沢市のところざわサクラタウンで「すごすぎる天気の図鑑展」が開催されています。
テーマは雲。床に描かれた雲の上を歩きながら、「雲のなかは、いったいどうなっているの?」
「『雲が動物に見える現象』にはちゃんと名前がある」「『ゲリラ豪雨』の原因は積乱雲」など、雲にまつわる話を大きな展示パネルで学べます。
コンピューターグラフィックスで描かれた天候と「お天気リポーター」の姿が自動合成され、モニターに映し出されます
本を模した大きな展示パネルで楽しく学べます
「雲AR(注1)空への扉」では、専用タブレットで360度見回しながら、さまざまな雲を間近で観察できます。マイクを持って原稿を読み上げる姿がモニター画面と合成され、お天気リポーターの体験ができるコーナーも。VR(注2)ゴーグルをつけて積乱雲に飛び込む「VR雲バンジー」(体験料800円)は迫力です。
来場者には『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA)の著者で雲研究者、荒木健太郎さん制作の「雲の自由研究ガイド」をプレゼント。
(注1)AR タブレットなどで現実世界のデジタル映像を投影する技術
(注2)VR デジタル映像の中に入り込んだような体験ができる技術
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年8月9日付掲載
トマト、スイカ、メロンなどの種を植えてみたら…。
夏のスイーツ・ゼリーを家庭で作ってみる。いれる果物を色々変えてみる。
いろんな雲。雲と天候。ゲリラ豪雨。
お天気キャスターの体験もできるって嬉しいですね。
自由研究にも夢が広がります。
実をいうと、僕も子どものころの自由研究で「雲の観察」を選んだことがあったのですが…。
観察の数が少なすぎた事。台風やゲリラ豪雨など、なかなか記録できなかったこと。こんな、博物館などなかったこと。
十分な自由研究にはなりませんでした。
甲南大学特別客員教授・名誉教授 田中修さんアドバイス
夏休みといえば自由研究。でも毎年、テーマに悩みますよね。猛暑の夏、親子で植物と雲に注目してみませんか?(堤由紀子)
植物「ふしぎ」どんどん
芽は出る?トマトの種
私は「子どもたちが自分でふしぎを感じてほしいし、ふしぎに出合ってほしい」と思っています。その思いから二つ、自由研究のヒントを紹介します。
一つ目が「野菜や果物の種をまく」です。たとえば、子どもと一緒にトマトを食べます。種がたくさんありますよね。「この種をまいたら、芽が出るかな?」と子どもに問いかけてみましょう。
実はこの種、よく洗ってティッシュの上に置き、ラップをかけておけば3、4日で発芽するんです。じゃあ、土に埋めてみたらどう?どれぐらいの深さがいいかな?
スイカやカボチャ、メロン、キウイはどうだろう…。「ふしぎ」がどんどん広がります。
さらに、もっと根本的な疑問も出てきます。なぜ、トマトの実の中では、種は発芽しないのだろうと。そこには「呼吸」というしくみが関わっているんですね。
ほら、調べたいことがたくさん出てきませんか?「ふしぎを感じる、ふしぎに出合う」って楽しいですよね。
固まる?固まらない?
夏といえば、冷たいデザートがほしくなりますね。市販もいいけれど、家にある果物でゼリーでも。でも、どうやら固まらない果物があるようです。
たとえばキウイ。ゼラチンでは固まらないのですが「寒天キウイゼリー」ならできます。
なぜか?それはゼラチンがたんぱく質であるということ。そして、キウイには、そのたんぱく質を分解するアクチニジンという物質が含まれていること。だから固まらないんですね。
ところが、キウイのゼラチンゼリーが市販されています。なぜ?それはキウイを加熱してから加えることで、アクチニジンの働きをなくしてしまったからです。
では、パイナップルはどう?パパイアは?メロンは?モモは?
固まる、固まらないだけでなく、果肉や果汁をゼリーの上に置いてゼリーが溶ける時間を観察するという自由研究もできます。
雲が全部わかる
「すごすぎる 天気の図鑑展」
埼玉県で9月25日まで
◆「すこすぎる天気の図鑑展」
9月25日(日)まで(第1・3・5火曜は休館)。ところざわサクラタウン角川武蔵野ミュージアム5階(JR東所沢駅10分)。開館時間は日~木曜は午前10時~午後6時、金・土は午後9時まで。入場料おとな1200円、中高生1000円、小学生900円、未就学児無料。
埼玉県所沢市のところざわサクラタウンで「すごすぎる天気の図鑑展」が開催されています。
テーマは雲。床に描かれた雲の上を歩きながら、「雲のなかは、いったいどうなっているの?」
「『雲が動物に見える現象』にはちゃんと名前がある」「『ゲリラ豪雨』の原因は積乱雲」など、雲にまつわる話を大きな展示パネルで学べます。
コンピューターグラフィックスで描かれた天候と「お天気リポーター」の姿が自動合成され、モニターに映し出されます
本を模した大きな展示パネルで楽しく学べます
「雲AR(注1)空への扉」では、専用タブレットで360度見回しながら、さまざまな雲を間近で観察できます。マイクを持って原稿を読み上げる姿がモニター画面と合成され、お天気リポーターの体験ができるコーナーも。VR(注2)ゴーグルをつけて積乱雲に飛び込む「VR雲バンジー」(体験料800円)は迫力です。
来場者には『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA)の著者で雲研究者、荒木健太郎さん制作の「雲の自由研究ガイド」をプレゼント。
(注1)AR タブレットなどで現実世界のデジタル映像を投影する技術
(注2)VR デジタル映像の中に入り込んだような体験ができる技術
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年8月9日付掲載
トマト、スイカ、メロンなどの種を植えてみたら…。
夏のスイーツ・ゼリーを家庭で作ってみる。いれる果物を色々変えてみる。
いろんな雲。雲と天候。ゲリラ豪雨。
お天気キャスターの体験もできるって嬉しいですね。
自由研究にも夢が広がります。
実をいうと、僕も子どものころの自由研究で「雲の観察」を選んだことがあったのですが…。
観察の数が少なすぎた事。台風やゲリラ豪雨など、なかなか記録できなかったこと。こんな、博物館などなかったこと。
十分な自由研究にはなりませんでした。
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