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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

軍事依存経済 宇宙編③ 「ゲーム機感覚」で殺害

2016-02-13 16:11:55 | 平和・憲法・歴史問題について
軍事依存経済 宇宙編③ 「ゲーム機感覚」で殺害

無人航空機(ドローン)から精密誘導ミサイルを発射する米国の「ドローン戦争」が多くの民間人犠牲者を生むのはなぜか―。
国連人権理事会での特別報告「標的殺害に関する研究」(2010年5月28日)は、無人機の軍事利用の実態を踏まえ、構造的な問題点を指摘しています。
それによれば、無人機プレデターやリーパーを使った攻撃には、米空軍が指揮する作戦と、中央情報局(CIA)が指揮する作戦の2系統があります。
他国の領域で「標的」を殺害する「秘密政策」を米国が採用したのは、01年9月11日の同時多発テロ事件の直後でした。02年11月にはCIAが実行に移し、その後、急増していきました。
CIAはバージニア州にある本部で無人機を操縦し、「政府高官によって承認された標的のリスト」に基づいて殺害を実行しています。標的を選ぶ基準は公表されておらず、CIAは標的の名前を確認するよう命じられてすらいません。標的の決定は、監視によって把握した生活パターンの評価に基づいているとみられます。
一方、米空軍はアフガニスタン戦争やイラク戦争で無人機による爆撃を行ってきました。やはり標的リストを持っており、標的への武力の使用には何ら制限を設けていません。



米軍三沢基地の無人偵察機グローバルホーク

誤解で標的選ぶ
こうした標的殺害を行う無人機は、「一般市民の無差別な殺害を必然的に引き起こす」ため、「国際人道法で禁止された兵器にあたる」との指摘を受けています。特別報告は「無人機に関する重大な懸念」を三つの角度から掘り下げています。
まず、政策立案者や指揮官は「どんな状況のもとで誰を殺すことができるかについての法的制限を、あまりに拡張的に解釈する誘惑にかられる」ことになります。無人機を使えば、「自国の軍隊を何らリスクにさらさずに標的を殺害することが容易になる」ためです。
2番目に、無人機によって他国民を監視するチームは、「状況を正確に理解するために不可欠」な「地域の習慣に関する知識」を欠いたまま、標的を選ぶことになります。「標的がいる場所から数千マイルも離れたところに座っている」ためです。誤解に基づいて一般市民を標的に選ぶ恐れがあるということです。
3番目に、「標的殺害」を実行する無人機の操縦者は「プレイステーション感覚での殺害に染まっていく」危険性があります。あたかもソニーのテレビゲーム機プレイステーションを扱うような感覚で、殺人を犯しかねないというのです。操縦者は「戦場から数千マイルも離れた基地」の中で、「戦闘のリスクや過酷さにさらされることがない」まま、「コンピュータの画面だけをみて作戦を実行する」ためです。

殺害の9割別人
実際、米軍が標的として無人機攻撃で殺害した人の9割が別人だった、という衝撃の統計資料が明るみに出ています。米国のインターネット・メディア「インターセプト」が米軍の機密文書として15年10月15日に公開したもの。12~13年にアフガニスタンで無人機攻撃によって殺害した219人のうち、意図した標的はわずか35人だったといいます。
同メディアは情報提供者の次のような言葉を紹介しています。
「無人機攻撃は標的以外の人も殺す。狙われるべき人たちだとは限らないのに…。とんでもないギャンブルだ」
無人機攻撃は、米国が一方的に標的と決めつけた人だけでなく、標的にすらなっていない人びとを殺す、無差別殺害という悲劇をもたらすものなのです。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年2月11日付掲載


無人攻撃機の「標的」の選び方も恣意的だし、たとえ「標的」が妥当だとしても、多くの市民の中から「標的」を見つけ出すのは至難の業。
実際に目視するのでわなく、テレビカメラで確認するのだから…。

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