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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2020年回顧⑪ 欧州連合(EU) コロナ復興基金を設立

2020-12-27 07:33:56 | 国際政治
2020年回顧⑪ 欧州連合(EU) コロナ復興基金を設立
欧州連合(EU)は年初から、イタリア北部に始まる新型コロナウイルスの大流行、死者の急増に見舞われました。多くの国が国境封鎖や医療用マスクの輸出禁止など自国第一の対応を行ったため、EUの「連帯」はどこに行ったのか、と批判が噴出しました。
初の女性トップとなったフォンデアライエン欧州委員長にとっては、就任早々の大きな試練となりました。EUは、コロナ禍の大きな被害を受けたイタリア、スペインなどへの財政支援を行うため「コロナ復興基金」の設立に踏み込みました。緊縮政策の推進役だったドイツのメルケル首相が、南欧諸国の代弁者となって支援を訴えてきたフランスのマクロン大統領と合意したことで、流れができました。

初の共同債務
紆余(うよ)曲折はありましたが、7月のEU首脳会議で、欧州委員会が市場で債券を発行して、資金援助を行う7500億ユーロ(92兆円)の基金で合意しました。EUが共同で債務を負うのは、欧州統合の長い歴史の中で初めてのことです。
12月13日までの欧州(EUと欧州経済地域の31カ国と英国)でのコロナによる死者数は約37万6000人で、世界の死者数の約23%と高率です(欧州疾病予防管理センター)。EUや各国政府による緊縮政策による医療・福祉の削減の害悪が、パンデミック(世界的流行)で浮き彫りになりました。



新型コロナウイルスに対するワクチンの使用認可について声明を発表するフォンデアライエン欧州委員長=12月21日、ブリュッセル(ロイター)

55%削減合意
気候変動問題で、EUは12月の首脳会議で、2030年までに温室効果ガスを1990年比で55%削減する新たな排出削減目標を決めました。これまでの40%削減から大きく上積みしました。50年までの排出実質ゼロを目指し、欧州委員会は、法的拘束力のある「欧州気候法」の制定を目指しています。
また12月には、オンライン上のヘイトスピーチ(差別扇動行為)など違法コンテンツの規制、グーグルやアップル、フェイスブック、アマゾンなどのデジタル大企業の規制を内容とする法案を発表しました。重大な違反には罰金や企業分割などの罰則があります。
米国での警官による黒人殺害事件で人種差別に抗議する「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大事だ)」運動が広がる中で、欧州議会は6月、大西洋奴隷貿易は「人道に反する罪」だとする決議を採択しました。
(伊藤寿庸)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年12月26日付掲載


かつてEUは、債務超過に陥ったイタリヤやスペインに対して、緊縮政策を押し付けた。
新型コロナに苦しむ同国に対して、今度は経済支援。
EUは、気候変動の問題でも積極的役割は果たしています。

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