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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ウクライナ戦時下の子どもたち② 恐怖から逃れ “安全な施設”でケア

2024-02-22 07:08:49 | 国際政治
ウクライナ戦時下の子どもたち② 恐怖から逃れ “安全な施設”でケア

ウクライナ西部リビウ市内に、戦争で深刻なトラウマを受けた子どもたちを受け入れ、学校生活に適応できるよう支援する施設があります。国際人道団体の助けを受けて設立された「セーフ・プレイス(安全な場所)」を訪れ、死の恐怖から逃れた子どもたちと触れ合いました。
市内のビルの一角にある事務所に入ると、子どもたちが描いた家族の絵や、色とりどりのおもちゃが目に飛び込んできました。「サッカーしよう」。アーニャさん(8)がボールを持って駆け寄ってきます。オラさん(11)は記者のノートをのぞき込んで目を見開きました。「これ日本語?面白い形だね」



アリーナ・ブラさん=2月13日、リビウ(桑野白馬撮影)

心にダメージ
「安全な場所」のアリーナ・ブラ所長(22)によると、施設を利用するのは戦闘が激しい東部地域から逃げてきた子どもたち。現在、6~11歳の10人が利用しています。
「みんな楽しそうでしょう。でも、来た当初は物を壊したり叫んだり。学校の先生が『手が付けられない』と諦めた子たちもいますよ」
ミサイルが飛ぶ音や爆発音、空襲警報におびえた経験は心に深刻なダメージを与えます。「死体を見た」と話す子も。落ち着きがなくなって攻撃的になり、学校生活に支障が生じると言います。
ブラさんは子どもたちに「あれをしろ、これをしろ」とは言いません。「子どもたちが好きなことをして、背負っている爆発的な負のエネルギーを発散するのが大事です」
暴れだす子どもがいれば、スタッフも同じように行動するゲームを試すこともあります。「子どもはあっけに取られ、恥ずかしくなって暴れるのを止めてしまいます」



「安全な場所」で遊ぶ子どもたち=2月13日、リビウ(吉本博美撮影)

5カ所へ増設
月に1度、親子で一緒に絵を描いたり、クッキーに絵付けしたりする活動日を設けています。ブラさんは「疲れ切った親への支援も必要です。子どもと一緒に過ごす穏やかな時間が、家族のケアにつながります」と語ります。
「安全な場所」は、国際人権団体「アーリー・スターターズ・インターナショナル」の援助を受け昨年設立されました。需要の高まりから全国5カ所に増設されています。
リビウの4人のスタッフはそれぞれが、長期化する戦争に苦しむ一般市民です。ブラさん自身も「将来の計画が立たないのがつらい」と、専門家のケアを受けています。「でも、子どもたちと触れ合うとエネルギーをもらえる。この国の未来を担う子たちを支えることが、私が前に進む力になっています」
(リビウ=桑野白馬)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年2月20日付掲載


ブラさんは子どもたちに「あれをしろ、これをしろ」とは言いません。「子どもたちが好きなことをして、背負っている爆発的な負のエネルギーを発散するのが大事です」
暴れだす子どもがいれば、スタッフも同じように行動するゲームを試すこともあります。「子どもはあっけに取られ、恥ずかしくなって暴れるのを止めてしまいます」
ブラさんは「疲れ切った親への支援も必要です。子どもと一緒に過ごす穏やかな時間が、家族のケアにつながります」と語ります。

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