マンション地震防災④ 対策本部設置し対応を
地震に強いマンションにするためには、発災直後に速やかに対策本部を設置して、被害拡大防止に努めます。対策本部を中心に効率よく行動できるよう、日ごろから自衛消防組織を機能させて被災直後から復旧までの対応を考えておきましょう。対策本部と機能別に分けた班(情報班、消火班、避難誘導班、救助救護班、生活班など)を設置し、それぞれの役割と初動体制、活動に必要な資機材とその保管場所を整理しておきます。
一刻も早く生き埋め者の救助を行うには、居住者の協力は欠かせません。居住者自らが安否情報を発信できるよう、「安否情報メモ」(下図参照)を事前に配布し、家族の安全が確保されたら玄関の外側に貼ることを周知・徹底させます。
「無事」であり、「支援不要」の意思表示をすることで、一戸ずつ確認する手間を省き、支援を求めている人の居場所を絞り込むことができます。
建物や設備の被害を確認するとき、専門知識がなくても確認漏れがないよう「災害時の建物点検リスト」(下表参照)を作成し、有事には被害箇所にチェックを入れるだけの作業の簡素化を工夫しましょう。
連絡先の一覧
負傷者への対応には、救急車は来ない、病院も被災していることを想定し、応急手当の受講率を高めて救命や後遺症の回避を目指します。
関係機関への連絡は連絡先を一覧にしておきます。リストは電話のそばに貼り、番号に変更がないか定期的に確認します。リストと一緒に連絡ノートを準備し「いつ」「だれに」「だれが」「なにを」連絡したかを書き込み、さらに相手からの返答内容を記録しておくことで連絡漏れを防ぎ、情報を共有します。
連絡手段として、一般加入電話以外の連絡方法を関係機関の担当者と取り決めしておきます。「震度5以上の地震が来たら3日以内にエレベーターを確認しに来てください」といった行動指針を取り決めておくのも一案です。
居住者への情報伝達に掲示板を活用する際には、速報情報を掲示できる一方で、古い情報が重なって見えなくなったり、外されたりして情報を見逃すことに留意しましょう。復旧にかかわる事案などで、必ず参加してほしい理事会・総会のお知らせなどは各世帯にしっかり届くよう集合ポストに配布しましょう。「毎週月曜日に集合ポストに対策本部からのお知らせを配布します」などと配布日を周知しておくことで情報の見逃しも減るでしょう。
膨大な避難者
都市圏では大規模地震が発生すると膨大な数の避難者の発生が危倶されていることから、避難所に人があふれる状況が考えられます。そのため、構造に目立った被害が認められないマンションの居住者は、避難所から追い出されることも想定しておく必要があります。
集会場があれば、災害時要援護者を優先して寝泊まりさせる、自室に滞留している居住者のために定期的に安否確認をするなど具体的な支援策を考えておきましょう。その際、停電時はオートロックなどのセキュリティーが機能しないので、防犯パトロールなどの対策も忘れずに。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年1月28日付掲載
うちのマンション(賃貸)では、このような体制ができていないなあ。建物自体は丈夫だけど、ライフラインが止まったらどうするかなど助け合いが必要になってくるんでしょうね。
地震に強いマンションにするためには、発災直後に速やかに対策本部を設置して、被害拡大防止に努めます。対策本部を中心に効率よく行動できるよう、日ごろから自衛消防組織を機能させて被災直後から復旧までの対応を考えておきましょう。対策本部と機能別に分けた班(情報班、消火班、避難誘導班、救助救護班、生活班など)を設置し、それぞれの役割と初動体制、活動に必要な資機材とその保管場所を整理しておきます。
一刻も早く生き埋め者の救助を行うには、居住者の協力は欠かせません。居住者自らが安否情報を発信できるよう、「安否情報メモ」(下図参照)を事前に配布し、家族の安全が確保されたら玄関の外側に貼ることを周知・徹底させます。
「無事」であり、「支援不要」の意思表示をすることで、一戸ずつ確認する手間を省き、支援を求めている人の居場所を絞り込むことができます。
建物や設備の被害を確認するとき、専門知識がなくても確認漏れがないよう「災害時の建物点検リスト」(下表参照)を作成し、有事には被害箇所にチェックを入れるだけの作業の簡素化を工夫しましょう。
連絡先の一覧
負傷者への対応には、救急車は来ない、病院も被災していることを想定し、応急手当の受講率を高めて救命や後遺症の回避を目指します。
関係機関への連絡は連絡先を一覧にしておきます。リストは電話のそばに貼り、番号に変更がないか定期的に確認します。リストと一緒に連絡ノートを準備し「いつ」「だれに」「だれが」「なにを」連絡したかを書き込み、さらに相手からの返答内容を記録しておくことで連絡漏れを防ぎ、情報を共有します。
連絡手段として、一般加入電話以外の連絡方法を関係機関の担当者と取り決めしておきます。「震度5以上の地震が来たら3日以内にエレベーターを確認しに来てください」といった行動指針を取り決めておくのも一案です。
居住者への情報伝達に掲示板を活用する際には、速報情報を掲示できる一方で、古い情報が重なって見えなくなったり、外されたりして情報を見逃すことに留意しましょう。復旧にかかわる事案などで、必ず参加してほしい理事会・総会のお知らせなどは各世帯にしっかり届くよう集合ポストに配布しましょう。「毎週月曜日に集合ポストに対策本部からのお知らせを配布します」などと配布日を周知しておくことで情報の見逃しも減るでしょう。
膨大な避難者
都市圏では大規模地震が発生すると膨大な数の避難者の発生が危倶されていることから、避難所に人があふれる状況が考えられます。そのため、構造に目立った被害が認められないマンションの居住者は、避難所から追い出されることも想定しておく必要があります。
集会場があれば、災害時要援護者を優先して寝泊まりさせる、自室に滞留している居住者のために定期的に安否確認をするなど具体的な支援策を考えておきましょう。その際、停電時はオートロックなどのセキュリティーが機能しないので、防犯パトロールなどの対策も忘れずに。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年1月28日付掲載
災害時の建物点検リスト( )階 確認者名 確認日時 年 月 日 時 分 | |||
設備 | 設備の有無 | 設置場所 | 使用方法の理解 |
【消火設備】 | |||
消火器 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
簡易消化用具 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
屋内消火栓設備 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
スプリンクラー設備 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
水噴霧消火設備(駐車場) | 有・無 | 有・不十分・無 | |
泡消火設備(駐車場) | 有・無 | 有・不十分・無 | |
二酸化炭素消火栓設備(駐車場) | 有・無 | 有・不十分・無 | |
ハロゲン化物消火設備(駐車場) | 有・無 | 有・不十分・無 | |
粉末消火設備(駐車場) | 有・無 | 有・不十分・無 | |
屋外消火栓設備 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
動力消火ポンプ設備 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
自動火災報知設備 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
ガス漏れ火災報知設備 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
消化機関へ通報する火災報知設備 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
漏電火災警報器 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
非常警報器具 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
非常警報設備 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
【避難設備】 | |||
避難ハシゴ、救助袋、昇降器具等 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
避難誘導灯及び誘導標識等 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
【消防設備】 | |||
防火水槽 | 有・無 | 有・不十分・無 | |
【消防活動上必要な設備】 | |||
排煙設備 | 有・無 | 有・不十分・無 |
うちのマンション(賃貸)では、このような体制ができていないなあ。建物自体は丈夫だけど、ライフラインが止まったらどうするかなど助け合いが必要になってくるんでしょうね。
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