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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

COP25 パリ協定実施へ 課題と展望④ 若者・NGO・先住民、連帯

2019-12-23 16:34:09 | 環境問題・気候変動・地球温暖化について
COP25 パリ協定実施へ 課題と展望④ 若者・NGO・先住民、連帯
国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)は今や、各国の政府代表が二酸化炭素などの温室効果ガスの削減方法などについて交渉するだけの場ではありません。スペインの首都マドリードで開かれたCOP25には環境NGO、アメリカ大陸先住民の団体、島しょ国やアフリカの住民団体、若者たちなどが参加し、各国政府に対して緊急の行動を繰り返し求めました。
気候変動の影響がすでに表れているアフリカやアジア、太平洋諸島のNGOや住民団体は長引く干ばつや巨大化したサイクロンなどの被害を訴えました。「気候変動をもたらしたのは私たち途上国ではなく先進国だ」と指摘し、途上国の財政破たんを招く恐れのある被害に対する補償を求めました。

ともに街頭へ
グレタ・トゥンベリさんに呼応した若者たちの行動「フライデーズ・フォー・フユーチャー(未来のための金曜日)」も世界中から集まりました。途上国の若者は「金持ちの国は私たちに対する責任を果たせ」と迫り、先進国の若者は途上国の若者とともに自分たちの未来のためにと連帯して訴えました。
フライデーズ・フォー・フユーチャーが呼びかけた6日(金曜日)の街頭デモには若者に加えてCOP25に参加するNGOや地元スペインの市民、労働組合が参加。主催者発表で50万人が気候変動への対策を求めたと報道されました。
グレタさんがスピーチで「金持ちの国は排出ゼロを急ぎ、貧しい国の排出ゼロを援助しなくてはならない。しかし金持ちの国は抜け穴を議論している」と批判。市民社会はCOP25の本会議場前に集結し、後ろ向きの国に対していっせいに抗議しました。



デモで訴えた人たち=6日、マドリード(小梶花恵撮影)

演壇下の会見
すべての国の政府が市民社会に背いていたわけではありません。温室効果ガス削減の野心的な目標を目指す国が集まった「高い野心連合」は会期終盤に会見を開き、削減目標の引き上げへの機運をつくれないことへの危機感を示し、足を引っ張る国を批判しました。「高い野心連合」を率いるマーシャル諸島のティナ・ステギ大統領使節は会見冒頭で「高い壇上からではなく、(報道の)みなさんと同じ場所に立ちたい」と述べ、各国大臣らが演壇の下で立って会見。メディアを通じて市民に共同を呼びかけたのです。
最終的にCOP25で行動強化には踏み込めませんでしたが、市民社会は各国に対し、「私たちは見ている」と繰り返し表明。フライデーズ・フォー・フユーチャーの若者たちは手のひらに目を描き、目の絵を服に張り付けて示しました。各国が温室効果ガス削減の強化に向けて進まなければ、ますます市民に批判されるのは必至です。(おわり)
この連載は遠藤誠二、小梶花恵が担当しました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年12月22日付掲載


パリ協定実施に向けて、若者たちの行動「フライデーズ・フォー・フユーチャー(未来のための金曜日)」などの市民運動も力強い。野心的な目標を目指す国が集まった「高い野心連合」の代表も、演壇の下に下りてきて演説。

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