安保3文書危険な大転換③ 暮らし壊す大軍拡の道
安保3文書が打ち出した敵基地攻撃能力保有などのための大軍拡。その財源として増税路線を打ち出したことで批判が高まっていま す。
軍事費5年間で1.5倍の43兆円
3文書の一つである「防衛力整備計画」は、軍事費を、2023年度から27年度までの5年間で、現行5年間の計画から1・5倍超となる43兆円に増額。不足分を補うための財源として、▽増税▽決算剰余金の活用▽防衛力強化資金▽歳出改革―を明記しました。
3文書と同日に決定された与党税制大綱は増税について、27年度までに①所得税②法人税③たばこ税の増税で1兆円強の財源を確保すると明記しました。
東日本大震災の復興費に充てている復興特別所得税の税率を現行の2・1%から1%引き下げる一方、所得税には税率1%を上乗せする付加税を課します。これはまさに「軍拡税」と言えるものです。しかも課税期間は期限を示さず延長されます。たばこ税は1本あたり3円相当の引き上げを段階的に実施します。
決算剰余金はこれまで補正予算の財源に使われていました。これを軍事費に回せば、補正予算の財源が不足し、増税につながりかねません。「防衛力強化資金」には、医療関係の積立金やコロナ対策費の未使用分など、医療、暮らしの予算の流用が狙われています。
「歳出改革」については、社会保障や文教費などの削減の加速が懸念されます。
「5年間で約43兆円」軍拡財源
戦前の反省反故 財源に国際使う
さらに、政府は、財源の不足をまかなうため、「軍事費の財源として公債を発行することはしない」(1966年の福田赴夫蔵相の答弁)としてきた政府見解を反故にして、自衛隊の施設建設のため建設国債約1・6兆円の発行にも踏み切ります。巨額の国債発行が侵略戦争の拡大につながった戦前・戦中の歴史の反省を踏まえ、国債の発行に厳しい規制が設けられている財政法を踏みにじるものです。
増税以外の財源は、いずれも一時的な財源にしかなりません。増税については1兆円超でとどまる保証はなく、消費税増税の危険性もあります。国債の増発は将来に負担を先送りするものです。
さらに、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設などに使われている在日米軍再編経費やSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)経費などは「43兆円」の別枠であり、実際にはさらに巨額の負担となります。
5月にNATO(北大西洋条約機構)への加盟を申請し、28年までに国防費を対GDP(国内総生産)比2%に引き上げると表明しているスウェーデンでは、財源について増税か社会保障などの削減が議論されています。財務省は増税、社会保障削減を狙っており、日本もこの道をたどらざるを得ません。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年12月20日付掲載
3文書の一つである「防衛力整備計画」は、軍事費を、2023年度から27年度までの5年間で、現行5年間の計画から1・5倍超となる43兆円に増額。不足分を補うための財源として、▽増税▽決算剰余金の活用▽防衛力強化資金▽歳出改革―を明記。
補正予算の財源に使われてきた決算余剰金まで軍事費に使うといいます。
自衛隊の施設建設のため建設国債約1・6兆円の発行も。公共事業ならともかく、自衛隊の施設に建設国債とは流用にもあきれてしまいます。
安保3文書が打ち出した敵基地攻撃能力保有などのための大軍拡。その財源として増税路線を打ち出したことで批判が高まっていま す。
軍事費5年間で1.5倍の43兆円
3文書の一つである「防衛力整備計画」は、軍事費を、2023年度から27年度までの5年間で、現行5年間の計画から1・5倍超となる43兆円に増額。不足分を補うための財源として、▽増税▽決算剰余金の活用▽防衛力強化資金▽歳出改革―を明記しました。
3文書と同日に決定された与党税制大綱は増税について、27年度までに①所得税②法人税③たばこ税の増税で1兆円強の財源を確保すると明記しました。
東日本大震災の復興費に充てている復興特別所得税の税率を現行の2・1%から1%引き下げる一方、所得税には税率1%を上乗せする付加税を課します。これはまさに「軍拡税」と言えるものです。しかも課税期間は期限を示さず延長されます。たばこ税は1本あたり3円相当の引き上げを段階的に実施します。
決算剰余金はこれまで補正予算の財源に使われていました。これを軍事費に回せば、補正予算の財源が不足し、増税につながりかねません。「防衛力強化資金」には、医療関係の積立金やコロナ対策費の未使用分など、医療、暮らしの予算の流用が狙われています。
「歳出改革」については、社会保障や文教費などの削減の加速が懸念されます。
「5年間で約43兆円」軍拡財源
本予算 | 現在の軍事費(防衛省予算)の5年分 ⇒年5兆円超、過去最大規模の水準を維持 |
不足分 | ①歳出改革 ⇒社会保障、文教費などの削減も⇒補正予算の財源に充当 ②決算余剰金 ⇒補正予算の財源に充当 これがなくなれば増税につながる ③防衛力強化資金 ⇒コロナ対策積立金などを充当 一度だけの収入、継続性がない ④増税 ・法人税 ⇒消費税を含む大増税も ・所得税 ・たばこ税 (その他)建設国債など⇒戦時国債乱発の戦前の反省を無視 |
米軍再編経費、SACO経費は「43兆円」の別枠! |
戦前の反省反故 財源に国際使う
さらに、政府は、財源の不足をまかなうため、「軍事費の財源として公債を発行することはしない」(1966年の福田赴夫蔵相の答弁)としてきた政府見解を反故にして、自衛隊の施設建設のため建設国債約1・6兆円の発行にも踏み切ります。巨額の国債発行が侵略戦争の拡大につながった戦前・戦中の歴史の反省を踏まえ、国債の発行に厳しい規制が設けられている財政法を踏みにじるものです。
増税以外の財源は、いずれも一時的な財源にしかなりません。増税については1兆円超でとどまる保証はなく、消費税増税の危険性もあります。国債の増発は将来に負担を先送りするものです。
さらに、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設などに使われている在日米軍再編経費やSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)経費などは「43兆円」の別枠であり、実際にはさらに巨額の負担となります。
5月にNATO(北大西洋条約機構)への加盟を申請し、28年までに国防費を対GDP(国内総生産)比2%に引き上げると表明しているスウェーデンでは、財源について増税か社会保障などの削減が議論されています。財務省は増税、社会保障削減を狙っており、日本もこの道をたどらざるを得ません。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年12月20日付掲載
3文書の一つである「防衛力整備計画」は、軍事費を、2023年度から27年度までの5年間で、現行5年間の計画から1・5倍超となる43兆円に増額。不足分を補うための財源として、▽増税▽決算剰余金の活用▽防衛力強化資金▽歳出改革―を明記。
補正予算の財源に使われてきた決算余剰金まで軍事費に使うといいます。
自衛隊の施設建設のため建設国債約1・6兆円の発行も。公共事業ならともかく、自衛隊の施設に建設国債とは流用にもあきれてしまいます。
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