改定綱領が開いた「新たな視野」
学習講座 志位委員長が講演
日本共産党の志位和夫委員長は14日、「改定綱領が開いた『新たな視野』」と題して学習講座で講演し、第28回党大会で行われた綱領一部改定の特徴について、大会の結語で示した「三つの新しい視野」という角度から縦横に語りました。新型コロナウイルス対策のため、当初の計画を変更して党内通信を通じた「オンライン講座」として実施し、全国3300カ所で視聴されたほか、インターネット中継でも3600人以上が視聴。貴重な資料や豊富なエピソードを交えた5時間にわたる講演に聞き入りました。
綱領一部改定の全体の特徴をどうつかむか。志位氏は、大会結語で「中国に対する綱領上の規定の見直しは、綱領全体に新しい視野を開いた」とした意義を強調しました。改定前の「社会主義をめざす新しい探究が開始」された国との規定は、当初は合理的だったが、その後の中国の現状と変化にてらして、「綱領の生命力にとっての桎梏(しっこく)に転化した」として、「まずこの規定を削除することから改定作業を開始した」と報告。「中国に対する規定は、綱領全体の組み立てにかかわっており、その削除は綱領全体の見直しを求めるものとなり、作業開始当初の問題意識からはるかに発展することになりました」と語りました。
中国に対する規定の削除は、(1)植民地体制崩壊を20世紀の「世界の構造変化」の中心にすえ、21世紀の今日、この変化が、平和と社会進歩を促進する生きた力を発揮しはじめていることを具体的に明らかにした(2)資本主義と社会主義の比較論から解放され、本当の社会主義の展望・魅力を示すことができるようになった(3)「発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道」というマルクス・エンゲルスの本来の立場を綱領で堂々と押し出すことができるようになった――という三つの点で、「新しい視野を開くものになった」と強調。「この改定によって、世界の見晴らし、未来社会の見晴らしがグーンとよくなりました」と話しました。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年3月15日付より
講演の動画がYoutubeにアップされていますので紹介します。
改定綱領学習講座① 「改定綱領が開いた『新たな視野』」1章・2章 2020.3.14
改定綱領学習講座② 「改定綱領が開いた『新たな視野』」3・4章 2020.3.14
改定綱領学習講座③ 「改定綱領が開いた『新たな視野』」5章 2020.3.14
【講演の概略】
この20年余の日中両党関係の実体験を踏まえた結論
「中国に対する綱領上の規定の見直し」に話をすすめた志位氏は、この20年余の日中両党関係の歴史について、これまで公にしてこなかった事実を含めて、まとまって報告を行いました。
とりわけこの10年余でさまざまな問題点があらわれてきたとして、2008年のチベット問題などの人権問題、東シナ海と南シナ海での覇権主義的な行動が重大になったと指摘。その都度、日本共産党として見解を明らかにし、党大会で態度表明をしてきたと報告しました。
中国共産党への見方を決定的に変える契機となったのは、16年のアジア政党国際会議(ICAPP)総会だったと語った志位氏は、核兵器禁止条約の国際交渉に反対して、中国共産党代表団がとった覇権主義的なふるまいを具体的に告発し、17年の27回党大会決議で踏み込んだ批判を行ったことを報告。今回の改定は、この10年余、中国の動向を見極め、事実と実体験にもとづいてくだした結論だと述べました。
この改定の意義について志位氏は、「新しい歴史的な踏み込みがあります」と強調しました。これまでの「社会主義」を名乗る国の大国主義・覇権主義との闘争は、「社会主義」の中に生まれた誤りへの批判として行ったが、今回は「社会主義をめざす新しい探究が開始」された国とみなす根拠はないと判断したのです。「社会主義国」を名乗る国が現存するもとで、そういう判断をしたのは、初めてです。志位氏は、この「歴史的踏み込み」をした根本には、「対外関係で大国主義・覇権主義の行動を多年にわたって行うものは、その国内でも社会主義をめざしていると判断する根拠はなくなる」という、自主独立の党としてのたたかいの歴史的経験と蓄積があると述べました。
21世紀の希望ある流れを明記――核兵器廃絶、平和の地域協力、ジェンダー平等
改定綱領が開いた「新たな視野」の第一は、「植民地体制崩壊を『構造変化』の中心にすえ、21世紀の希望ある流れを明記した」ことです。
志位氏は、改定前の綱領では、「植民地体制の崩壊が引き起こした世界の構造変化」「(資本主義と社会主義の)二つの体制の共存という関係から見た世界構造の変化」という組み立てになっていたものを、今回、「二つの体制の共存」という世界論にピリオドを打ったことを指摘。「これにより『第一の角度』の構造変化――植民地体制崩壊が、20世紀の『世界の構造変化』の文字通り中心にすわり、21世紀を、この偉大な変化が、平和と社会進歩を促進する生きた力を発揮しつつある世紀になっていると、すっきりと描き出すことができるようになりました」と、その画期的意義を強調しました。
このもとでの変化と発展を▽一握りの大国から、世界のすべての国ぐにと市民社会に国際政治の主役が交代した▽核兵器禁止条約――NPT(核不拡散条約)という枠組みの性格が大きく変わった▽平和と地域協力の流れ――東南アジアとラテンアメリカの現状と展望▽国際的な人権保障の発展――ジェンダー平等について――をテーマに詳しく紹介しました。
この中でジェンダー平等について、「ジェンダーとは何か」というそもそも論にかかわって、戦前の家制度や、戦後に財界主導でつくられた男女差別の構造など、政治的・社会的背景を詳述。さらにエンゲルスの『家族・私有財産・国家の起源』にふれて、ジェンダー平等は、資本主義で最大限追求されるべき目標であると同時に、より根本的には、社会主義・共産主義社会――真に自由で平等の人間関係からなる社会まですすめば、当然、それが全面的に保障される社会となるという展望をもつことができると述べました。
“社会主義の新たな出番”ともいえる歴史的情勢
第二に、「資本主義と社会主義の比較論から解放され、本来の社会主義の魅力を示すことが可能に」なったことをあげました。
志位氏は、「二つの体制の共存」という世界論では、資本主義と社会主義の比較論を行うことが必要になったと指摘。
ところが、「人民が主人公」という精神、生活向上、人権と自由の拡大、覇権主義を許さない国際秩序、核兵器廃絶などの課題で、中国では「何らの先駆性も示されず、むしろ深刻なゆがみや逆行がすすみました」と指摘しました。
格差の広がりも深刻だとして、格差の指標を示すジニ係数は、中国は0・51と世界ワースト2位で、米国や日本よりもはるかに高いと指摘。「これでは『中国に比べれば欧米がまし』ともなり、社会主義の本当の魅力も見えづらくなるという結果にもなります」と語り、中国に関する規定の削除によって、社会主義の本来の姿が見えやすくなったと語りました。
志位氏は、改定綱領で特記した「貧富の格差の世界的規模での空前の拡大」にかかわって、資本主義を乗り越えた社会への模索が広がり、「地球的規模でさまざまな災厄をもたらしつつある気候変動」でも、資本主義というシステムの是非が根本から問われていることを詳しく語りました。
これについてマルクスの『資本論』が、「いずれの問題でも解決の根本的道筋、手がかりを示している」ことをくわしく解明。(1)資本主義に特有の利潤第一主義が、社会的格差を拡大する根源にあるとともに、(2)自然と人間の物質代謝の土台にある自然条件をかく乱・破壊して、現在の地球規模での気候変動を引き起こしていることを明らかにしました。
これらの問題は、資本主義の枠内でも解決のための最大の努力が求められるが、同時に、利潤第一主義をのりこえて社会主義にすすむことによって根本的解決の道が開かれると強調。「“社会主義の新たな出番”ともいえる歴史的情勢です。未来社会の展望、希望を大いに語ろう」と呼びかけました。
マルクス、エンゲルスの社会主義革命の世界的展望
第三は、「『発達した資本主義国の社会変革は、社会主義・共産主義への大道』というマルクス、エンゲルスの本来の立場が押し出せるようになった」ことです。
志位氏は、マルクス、エンゲルスが19世紀当時の世界で社会主義革命を展望したとき、イギリス、フランス、ドイツなど発達した国から革命が始まると予想し、とくに世界資本主義で支配的地位を占めていたイギリスでの革命が決定的な意義をもつと繰り返し述べていたことを紹介しました。
この立場を綱領に明記しなかったのは、「最初に資本主義を離脱し、社会主義への道を踏み出したのが、ロシア、中国という資本主義の発展が遅れた国だったからです」と指摘。中国に関わる規定の削除でこの状況が一変し、「未来社会でも、新たな画期的な視野を開くものになりました」と述べました。
その上で、改定綱領で列挙した資本主義の高度な発展がつくりだし、未来社会において発展的に継承されていく「五つの要素」――(1)「資本主義のもとでつくりだされた高度な生産力」、(2)「経済を社会的に規制・管理するしくみ」、(3)「国民の生活と権利を守るルール」、(4)「自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験」、(5)「人間の豊かな個性」――の内容について、「これらはどれもマルクス、エンゲルスの主張していたこと」だとして、古典にたちかえってそれぞれを丁寧に解明しました。
そのうえで志位氏は、改定綱領で「五つの要素」としてまとまって整理した意義について(1)「発達した資本主義国における社会変革は、社会主義・共産主義への大道」という命題を理論的に裏付けるものになった、(2)日本共産党がめざす未来社会のイメージがよりつかみやすくなった、(3)「今のたたかいが未来社会へと地続きでつながっている」ことがより明瞭になった、(4)ソ連がなぜ崩壊し、中国でなぜさまざまな矛盾や逆行が噴き出しているかを明らかにするものになった――と四つの角度から強調しました。
志位氏は、「五つの要素」を成熟した姿で土台にして未来社会にすすむならば、旧ソ連や中国のような人権侵害や民主主義抑圧はけっして起こりえないと強調。「自由、民主主義、人権など、資本主義時代の価値ある成果のすべてが受け継がれ、豊かに花開く社会が訪れることは、綱領上の『公約』にとどまらず、社会発展の法則的必然であることをつかむことができます」と語りました。
「綱領で党をつくろう」を合言葉に、強く大きな党づくりに新たな決意とロマンで
最後に志位氏は、改定綱領で「日本共産党が果たすべき国際的役割は、世界的にも極めて大きい」と明記した世界的・歴史的地位を深く自覚して、自信をもって前進しようと訴え。また資本主義国での社会主義的変革にある「特別の困難性」を突破した先に、前人未到の「豊かで壮大な可能性」をもった未来が開かれると語り、「『綱領で党をつくろう』――これを合言葉にして、強く大きな党づくりに新たな決意とロマンをもって取り組むことを訴えます」と話すと、拍手に包まれました。
「改定綱領学習講座」の内容は本紙で紹介
志位和夫委員長がおこなった学習講座「改定綱領が開いた『新たな視野』」の内容は、「赤旗」日刊紙で4回にわけて紹介します。3月22日付、29日付、4月5日付、12日付です。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年3月15日付より
改定綱領で、中国を「社会主義をめざす新しい探究が開始」された国とみなす根拠はないと判断。「社会主義国」を名乗る国が現存するもとで、そういう判断をしたのは初めて。
この改定で、世界史や社会変革の展望がよくなった。三つの視野が開けたを講演。納得です。
学習講座 志位委員長が講演
日本共産党の志位和夫委員長は14日、「改定綱領が開いた『新たな視野』」と題して学習講座で講演し、第28回党大会で行われた綱領一部改定の特徴について、大会の結語で示した「三つの新しい視野」という角度から縦横に語りました。新型コロナウイルス対策のため、当初の計画を変更して党内通信を通じた「オンライン講座」として実施し、全国3300カ所で視聴されたほか、インターネット中継でも3600人以上が視聴。貴重な資料や豊富なエピソードを交えた5時間にわたる講演に聞き入りました。
綱領一部改定の全体の特徴をどうつかむか。志位氏は、大会結語で「中国に対する綱領上の規定の見直しは、綱領全体に新しい視野を開いた」とした意義を強調しました。改定前の「社会主義をめざす新しい探究が開始」された国との規定は、当初は合理的だったが、その後の中国の現状と変化にてらして、「綱領の生命力にとっての桎梏(しっこく)に転化した」として、「まずこの規定を削除することから改定作業を開始した」と報告。「中国に対する規定は、綱領全体の組み立てにかかわっており、その削除は綱領全体の見直しを求めるものとなり、作業開始当初の問題意識からはるかに発展することになりました」と語りました。
中国に対する規定の削除は、(1)植民地体制崩壊を20世紀の「世界の構造変化」の中心にすえ、21世紀の今日、この変化が、平和と社会進歩を促進する生きた力を発揮しはじめていることを具体的に明らかにした(2)資本主義と社会主義の比較論から解放され、本当の社会主義の展望・魅力を示すことができるようになった(3)「発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道」というマルクス・エンゲルスの本来の立場を綱領で堂々と押し出すことができるようになった――という三つの点で、「新しい視野を開くものになった」と強調。「この改定によって、世界の見晴らし、未来社会の見晴らしがグーンとよくなりました」と話しました。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年3月15日付より
講演の動画がYoutubeにアップされていますので紹介します。
改定綱領学習講座① 「改定綱領が開いた『新たな視野』」1章・2章 2020.3.14
改定綱領学習講座② 「改定綱領が開いた『新たな視野』」3・4章 2020.3.14
改定綱領学習講座③ 「改定綱領が開いた『新たな視野』」5章 2020.3.14
【講演の概略】
この20年余の日中両党関係の実体験を踏まえた結論
「中国に対する綱領上の規定の見直し」に話をすすめた志位氏は、この20年余の日中両党関係の歴史について、これまで公にしてこなかった事実を含めて、まとまって報告を行いました。
とりわけこの10年余でさまざまな問題点があらわれてきたとして、2008年のチベット問題などの人権問題、東シナ海と南シナ海での覇権主義的な行動が重大になったと指摘。その都度、日本共産党として見解を明らかにし、党大会で態度表明をしてきたと報告しました。
中国共産党への見方を決定的に変える契機となったのは、16年のアジア政党国際会議(ICAPP)総会だったと語った志位氏は、核兵器禁止条約の国際交渉に反対して、中国共産党代表団がとった覇権主義的なふるまいを具体的に告発し、17年の27回党大会決議で踏み込んだ批判を行ったことを報告。今回の改定は、この10年余、中国の動向を見極め、事実と実体験にもとづいてくだした結論だと述べました。
この改定の意義について志位氏は、「新しい歴史的な踏み込みがあります」と強調しました。これまでの「社会主義」を名乗る国の大国主義・覇権主義との闘争は、「社会主義」の中に生まれた誤りへの批判として行ったが、今回は「社会主義をめざす新しい探究が開始」された国とみなす根拠はないと判断したのです。「社会主義国」を名乗る国が現存するもとで、そういう判断をしたのは、初めてです。志位氏は、この「歴史的踏み込み」をした根本には、「対外関係で大国主義・覇権主義の行動を多年にわたって行うものは、その国内でも社会主義をめざしていると判断する根拠はなくなる」という、自主独立の党としてのたたかいの歴史的経験と蓄積があると述べました。
21世紀の希望ある流れを明記――核兵器廃絶、平和の地域協力、ジェンダー平等
改定綱領が開いた「新たな視野」の第一は、「植民地体制崩壊を『構造変化』の中心にすえ、21世紀の希望ある流れを明記した」ことです。
志位氏は、改定前の綱領では、「植民地体制の崩壊が引き起こした世界の構造変化」「(資本主義と社会主義の)二つの体制の共存という関係から見た世界構造の変化」という組み立てになっていたものを、今回、「二つの体制の共存」という世界論にピリオドを打ったことを指摘。「これにより『第一の角度』の構造変化――植民地体制崩壊が、20世紀の『世界の構造変化』の文字通り中心にすわり、21世紀を、この偉大な変化が、平和と社会進歩を促進する生きた力を発揮しつつある世紀になっていると、すっきりと描き出すことができるようになりました」と、その画期的意義を強調しました。
このもとでの変化と発展を▽一握りの大国から、世界のすべての国ぐにと市民社会に国際政治の主役が交代した▽核兵器禁止条約――NPT(核不拡散条約)という枠組みの性格が大きく変わった▽平和と地域協力の流れ――東南アジアとラテンアメリカの現状と展望▽国際的な人権保障の発展――ジェンダー平等について――をテーマに詳しく紹介しました。
この中でジェンダー平等について、「ジェンダーとは何か」というそもそも論にかかわって、戦前の家制度や、戦後に財界主導でつくられた男女差別の構造など、政治的・社会的背景を詳述。さらにエンゲルスの『家族・私有財産・国家の起源』にふれて、ジェンダー平等は、資本主義で最大限追求されるべき目標であると同時に、より根本的には、社会主義・共産主義社会――真に自由で平等の人間関係からなる社会まですすめば、当然、それが全面的に保障される社会となるという展望をもつことができると述べました。
“社会主義の新たな出番”ともいえる歴史的情勢
第二に、「資本主義と社会主義の比較論から解放され、本来の社会主義の魅力を示すことが可能に」なったことをあげました。
志位氏は、「二つの体制の共存」という世界論では、資本主義と社会主義の比較論を行うことが必要になったと指摘。
ところが、「人民が主人公」という精神、生活向上、人権と自由の拡大、覇権主義を許さない国際秩序、核兵器廃絶などの課題で、中国では「何らの先駆性も示されず、むしろ深刻なゆがみや逆行がすすみました」と指摘しました。
格差の広がりも深刻だとして、格差の指標を示すジニ係数は、中国は0・51と世界ワースト2位で、米国や日本よりもはるかに高いと指摘。「これでは『中国に比べれば欧米がまし』ともなり、社会主義の本当の魅力も見えづらくなるという結果にもなります」と語り、中国に関する規定の削除によって、社会主義の本来の姿が見えやすくなったと語りました。
志位氏は、改定綱領で特記した「貧富の格差の世界的規模での空前の拡大」にかかわって、資本主義を乗り越えた社会への模索が広がり、「地球的規模でさまざまな災厄をもたらしつつある気候変動」でも、資本主義というシステムの是非が根本から問われていることを詳しく語りました。
これについてマルクスの『資本論』が、「いずれの問題でも解決の根本的道筋、手がかりを示している」ことをくわしく解明。(1)資本主義に特有の利潤第一主義が、社会的格差を拡大する根源にあるとともに、(2)自然と人間の物質代謝の土台にある自然条件をかく乱・破壊して、現在の地球規模での気候変動を引き起こしていることを明らかにしました。
これらの問題は、資本主義の枠内でも解決のための最大の努力が求められるが、同時に、利潤第一主義をのりこえて社会主義にすすむことによって根本的解決の道が開かれると強調。「“社会主義の新たな出番”ともいえる歴史的情勢です。未来社会の展望、希望を大いに語ろう」と呼びかけました。
マルクス、エンゲルスの社会主義革命の世界的展望
第三は、「『発達した資本主義国の社会変革は、社会主義・共産主義への大道』というマルクス、エンゲルスの本来の立場が押し出せるようになった」ことです。
志位氏は、マルクス、エンゲルスが19世紀当時の世界で社会主義革命を展望したとき、イギリス、フランス、ドイツなど発達した国から革命が始まると予想し、とくに世界資本主義で支配的地位を占めていたイギリスでの革命が決定的な意義をもつと繰り返し述べていたことを紹介しました。
この立場を綱領に明記しなかったのは、「最初に資本主義を離脱し、社会主義への道を踏み出したのが、ロシア、中国という資本主義の発展が遅れた国だったからです」と指摘。中国に関わる規定の削除でこの状況が一変し、「未来社会でも、新たな画期的な視野を開くものになりました」と述べました。
その上で、改定綱領で列挙した資本主義の高度な発展がつくりだし、未来社会において発展的に継承されていく「五つの要素」――(1)「資本主義のもとでつくりだされた高度な生産力」、(2)「経済を社会的に規制・管理するしくみ」、(3)「国民の生活と権利を守るルール」、(4)「自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験」、(5)「人間の豊かな個性」――の内容について、「これらはどれもマルクス、エンゲルスの主張していたこと」だとして、古典にたちかえってそれぞれを丁寧に解明しました。
そのうえで志位氏は、改定綱領で「五つの要素」としてまとまって整理した意義について(1)「発達した資本主義国における社会変革は、社会主義・共産主義への大道」という命題を理論的に裏付けるものになった、(2)日本共産党がめざす未来社会のイメージがよりつかみやすくなった、(3)「今のたたかいが未来社会へと地続きでつながっている」ことがより明瞭になった、(4)ソ連がなぜ崩壊し、中国でなぜさまざまな矛盾や逆行が噴き出しているかを明らかにするものになった――と四つの角度から強調しました。
志位氏は、「五つの要素」を成熟した姿で土台にして未来社会にすすむならば、旧ソ連や中国のような人権侵害や民主主義抑圧はけっして起こりえないと強調。「自由、民主主義、人権など、資本主義時代の価値ある成果のすべてが受け継がれ、豊かに花開く社会が訪れることは、綱領上の『公約』にとどまらず、社会発展の法則的必然であることをつかむことができます」と語りました。
「綱領で党をつくろう」を合言葉に、強く大きな党づくりに新たな決意とロマンで
最後に志位氏は、改定綱領で「日本共産党が果たすべき国際的役割は、世界的にも極めて大きい」と明記した世界的・歴史的地位を深く自覚して、自信をもって前進しようと訴え。また資本主義国での社会主義的変革にある「特別の困難性」を突破した先に、前人未到の「豊かで壮大な可能性」をもった未来が開かれると語り、「『綱領で党をつくろう』――これを合言葉にして、強く大きな党づくりに新たな決意とロマンをもって取り組むことを訴えます」と話すと、拍手に包まれました。
「改定綱領学習講座」の内容は本紙で紹介
志位和夫委員長がおこなった学習講座「改定綱領が開いた『新たな視野』」の内容は、「赤旗」日刊紙で4回にわけて紹介します。3月22日付、29日付、4月5日付、12日付です。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年3月15日付より
改定綱領で、中国を「社会主義をめざす新しい探究が開始」された国とみなす根拠はないと判断。「社会主義国」を名乗る国が現存するもとで、そういう判断をしたのは初めて。
この改定で、世界史や社会変革の展望がよくなった。三つの視野が開けたを講演。納得です。
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