2022年度予算案の焦点② 農林水産 輸出推進に大幅増額
2022年度の農林水産関係予算案は、2兆2777億円です。ほかに、新設されたデジタル庁に計上された農林水産関連が207億円あります。21年度当初予算の2兆3050億円にはデジタル庁計上椙当分の197億円が含まれており、これを除いた2兆2853億円と比較すると、0・3%の減額になります。減額は2年連続。
内訳は、公共事業費が0・04%増の6981億円、非公共事業費が0・5%減の1兆5796億円。また、林業関係が1・6%減の2985億円、水産業関係が横ばいの1928億円です。なお、21年度補正予算は8795億円です。
米価対策を求める農業関係者。右から3人目は紙智子参院議員=2021年11月25日、首相官邸前
成長産業化掲げ
農林水産物・食品輸出5兆円目標に向けた取り組みや、環境負荷を軽減するとする「みどりの食料システム戦略」などを重点にしています。しかし、20年度に史上最低の37・17%まで下落した食料自給率や、新型コロナウイルス禍による需要減で大暴落している米価への対策はみられません。
政府は、農林水産業の成長産業化のためとして農林水産物・食品輸出の推進を掲げています。農林水産省は21年7月、輸出・国際局を新設し、25年までに2兆円、30年までに5兆円という輸出額目標に向け「輸出戦略」を推進するとしています。この目標の実現に向けた取り組みに予算を大幅に増額しました。「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」の実施に、21年度当初比8・9%増の108億円を計上しました。21年度補正予算にも433億円を計上しています。そのうち、海外での販売力の強化に1億円減の29億円を充当し、21年度補正予算にも83億円を計上。輸出力強化に向けた品目団体の取り組みを支援します。輸出先の基準に合った危害分析重要管理点(HACCP)に対応した施設の整備でも、29・2%増の31億円を充当し、21年度補正予算に222億円を計上しています。
転作助成は同額
政府が掲げる脱炭素の方針に対応して、農水省は21年5月、「みどりの食料システム戦略」を策定。戦略実現技術開発・実証事業に新規の35億円、モデル地区づくり支援など戦略推進総合対策に新規の8億円、21年度補正予算にも25億円を計上しました。また、化学肥料や農薬の低減などに取り組む農業者団体に対する環境保全型農業直接支払い交付金に21年度当初比8・2%増の27億円を計上しました。
他方、米価の大暴落のために、22年産でも主食用米の大規模な転作による需給の引き締めが求められる見込みです。水田を活用して麦、大豆、飼料用作物などを生産する農業者を支援する水田活用の直接支払い交付金が転作助成の柱になります。しかし、21年度と同額の3050億円を計上したにすぎません。また、主食用米の長期計画的な販売を促す米穀周年供給・需要拡大支援事業も、21年度と同額の50億円としました。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月19日付掲載
農産物の生産は、ただ輸出力を競うことだけではいけないと思います。
一番基礎は、食糧安全保障。国民の食糧を自国で賄えるかってことです。自民党政治ももとで、食糧自給率はずっと低下。
農家が意欲をもって生産していくためには、農産物の価格保障、農家の所得補償が必要ですね。
2022年度の農林水産関係予算案は、2兆2777億円です。ほかに、新設されたデジタル庁に計上された農林水産関連が207億円あります。21年度当初予算の2兆3050億円にはデジタル庁計上椙当分の197億円が含まれており、これを除いた2兆2853億円と比較すると、0・3%の減額になります。減額は2年連続。
内訳は、公共事業費が0・04%増の6981億円、非公共事業費が0・5%減の1兆5796億円。また、林業関係が1・6%減の2985億円、水産業関係が横ばいの1928億円です。なお、21年度補正予算は8795億円です。
米価対策を求める農業関係者。右から3人目は紙智子参院議員=2021年11月25日、首相官邸前
成長産業化掲げ
農林水産物・食品輸出5兆円目標に向けた取り組みや、環境負荷を軽減するとする「みどりの食料システム戦略」などを重点にしています。しかし、20年度に史上最低の37・17%まで下落した食料自給率や、新型コロナウイルス禍による需要減で大暴落している米価への対策はみられません。
政府は、農林水産業の成長産業化のためとして農林水産物・食品輸出の推進を掲げています。農林水産省は21年7月、輸出・国際局を新設し、25年までに2兆円、30年までに5兆円という輸出額目標に向け「輸出戦略」を推進するとしています。この目標の実現に向けた取り組みに予算を大幅に増額しました。「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」の実施に、21年度当初比8・9%増の108億円を計上しました。21年度補正予算にも433億円を計上しています。そのうち、海外での販売力の強化に1億円減の29億円を充当し、21年度補正予算にも83億円を計上。輸出力強化に向けた品目団体の取り組みを支援します。輸出先の基準に合った危害分析重要管理点(HACCP)に対応した施設の整備でも、29・2%増の31億円を充当し、21年度補正予算に222億円を計上しています。
転作助成は同額
政府が掲げる脱炭素の方針に対応して、農水省は21年5月、「みどりの食料システム戦略」を策定。戦略実現技術開発・実証事業に新規の35億円、モデル地区づくり支援など戦略推進総合対策に新規の8億円、21年度補正予算にも25億円を計上しました。また、化学肥料や農薬の低減などに取り組む農業者団体に対する環境保全型農業直接支払い交付金に21年度当初比8・2%増の27億円を計上しました。
他方、米価の大暴落のために、22年産でも主食用米の大規模な転作による需給の引き締めが求められる見込みです。水田を活用して麦、大豆、飼料用作物などを生産する農業者を支援する水田活用の直接支払い交付金が転作助成の柱になります。しかし、21年度と同額の3050億円を計上したにすぎません。また、主食用米の長期計画的な販売を促す米穀周年供給・需要拡大支援事業も、21年度と同額の50億円としました。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月19日付掲載
農産物の生産は、ただ輸出力を競うことだけではいけないと思います。
一番基礎は、食糧安全保障。国民の食糧を自国で賄えるかってことです。自民党政治ももとで、食糧自給率はずっと低下。
農家が意欲をもって生産していくためには、農産物の価格保障、農家の所得補償が必要ですね。
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