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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2022年度予算案の焦点③ エネルギー 原発・石炭火力に依存

2022-01-23 07:10:34 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2022年度予算案の焦点③ エネルギー 原発・石炭火力に依存
2022年度予算案では、岸田文雄政権の財界いいなりでの原子力発電と石炭火力発電への“依存ぶり”が明白です。
原発推進の予算は、経済産業省、文部科学省、内閣府などで計2863億円です。経産省では、原発立地地域の振興費の「電源立地地域対策交付金」に730・4億円をつけ、仏・米と協力した高速炉や小型軽水炉(SMR)の技術開発に21年度と同額の43・5億円を盛り込みました。
萩生田光一経産相は新年からグランホルム米エネルギー長官と会談し、新型原発の「小型モジュール炉」や高速炉の国際連携開発に日本政府が協力する方針を伝えました。
その背景には、「原発の選択肢を排除することはあり得ません」(5日の財界3団体共同記者会見で十倉雅和・経団連会長)などという財界の強い声があります。
しかし「高速炉」は「高速増殖炉もんじゅ」が深刻なナトリウム漏れ事故などで廃炉に追い込まれるなどで実用化の見込みはありません。「技術開発」だといって巨額の国費を投じることは予算の無駄そのものです。



日本の事業所で最もCO2を排出している碧南石炭火力発電所=愛知県碧南市、JERAのホームページから

■原発推進の主な予算(億円)
経済産業省
電源立地地域対策交付金730.4
原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業83.2
エネルギー構造高度化・転換理解促進事業費補助金72
高速炉に係る共通基盤のための技術開発委託費43.5
原子力の安全性向上に資する技術開発事業23.3
原子力の産業基盤強化事業12.4
内閣府
原子力防災対策の充実・強化104.6
原子力利用に関する政策の検討及び適切な情報発信2
文部科学省
原子力分野の研究開発1471


石炭火力の延命
22年度予算案は、最も温室効果ガスを排出する石炭火発の技術開発に21年度比8億円増の169・5億円を計上しました。昨年11月には福島県広野町の石炭火力発電所が営業運転を開始し、全国8カ所で建設中です。
岸田首相が「脱炭素だ」とうたうアンモニアと石炭の混合燃焼の推進には21年度比34億円増の989億円を、CO2(二酸化炭素)を回収・貯留して再利用する研究開発には21年度比22億円増の82・3億円を盛り込みました。混合燃焼は高コストの割にCO2の削減はわずかで、石炭火発の延命でしかありません。
さらに石油・天然ガスの「化石燃料」の安定供給の確保に2266億円を計上しました。岸田首相は「アジアの脱炭素化に貢献」するとして、萩生田氏が9日から、化石燃料の依存度が8~9割に上るインドネシア、シンガポール、タイを歴訪。混合燃焼の技術協力や日本への石炭の輸出再開(インドネシア)を交渉しました。

国際合意を妨害
昨秋の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)は、気候危機打開のために世界の平均気温の上昇幅を産業革命前より「1・5度に制限する」ことが必要だと確認しました。そのためにCO2の削減目標「30年に10年度比45%」を合意しました。
しかし、岸田政権はそれよりも低い「30年に13年度比46%」の目標にしがみついています。気候危機打開の国際合意と世界の流れを妨害するものです。
脱炭素に欠かせない再生可能エネルギー予算は、21年度からほぼ横ばいの1219億円を計上しました。
「洋上風力発電等の導入拡大に向けた研究開発事業」には21年度比16・8億円減額され66億円であり、「太陽光発電の導入可能量拡大等に向けた技術開発」も21年度比2・5億円減の30・5億円でした。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月20日付掲載


いまだに原発推進の予算を計上。
最も温室効果ガスを排出する石炭火発の技術開発に21年度比8億円増の169・5億円を計上。
脱炭素に欠かせない再生可能エネルギー予算は、21年度からほぼ横ばいの1219億円を計上。洋上風力発電や太陽光発電への技術開発・財政支援が求められます。

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