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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2017年英国総選挙 「恐怖」より「希望」を① 青年層が労働党支持

2017-06-13 10:19:08 | 国際政治
2017年英国総選挙 「恐怖」より「希望」を① 青年層が労働党支持

下院の任期を3年残しての解散・総選挙で、少数与党に転落した保守党。メイ首相の「強く安定した指導力」が必要だとの訴えは、国民から厳しい審判を受ける結果となりました。
メイ氏は、早期総選挙はないと繰り返し表明しながら、態度を翻して解散。昨年の欧州連合(EU)離脱投票では残留派でしたが、単一市場や関税同盟からも抜ける「強硬離脱」路線に転換。
決定的だったのは、選挙政策で在宅高齢者の介護費用負担を重くすることを打ち出したものの、「認知症税」だと反発を受けてすぐに撤回したことでした。
相次ぐ豹変(ひょうへん)でついたあだ名は「Uターンの女王」。首相としての資質さえ疑問視される事態となっていました。

緊縮政策に反発
メイ氏や保守党の選挙戦の不首尾の根本にあるのは、保守党が続けてきた緊縮政策への国民の反発です。
その矛先をそらすため、メイ氏は「ジェレミー・コービン(労働党党首)の混乱の政党連合に任せていいのか」と、国民に「恐怖」と「分断」のメッセージを送りました。核兵器発射ボタンを押すことを公言し、それを拒否したコービン氏は「国家安全保障を危うくする」と主張。選挙戦中に2度発生したテロ事件を受け、「イスラム過激派」の言葉を使い、テロ対策のために人権法改定も辞さないとアピールしました。
対照的に、労働党のコービン党首が訴えたのは「希望」と「団結」でした。
選挙政策で、保守党の緊縮政策で苦しめられてきた国民に「違ったやり方がある」ことを示しました。
▽食事をとらないで登校する子どもに対し「無料の学校給食」▽不動産投機による家賃の高騰に対し安価な公共住宅の増築▽診療待ち時間の増加や医師・看護師の過重労働が生まれている国民保健サービス(NHS)への予算増額―。財源として大企業や富裕層への課税強化を打ち出しました。
最大の目玉は、年間9000ポンド(約126万円)の大学の学費無料化。この項目は各種政策の中でもっとも多額の95億ポンド(約1330億円)を支出します。
大学生、大卒の青年層などの支持を集め、有権者登録が一気に増大。大学のある一部の選挙区では投票率が前回比で10ポイント以上上昇し、それが各地の労働党候補の「圧勝」や「大逆転」を生みました。



労働党本部に到着したコービン党首(右)=6月9日、ロンドン(ロイター)

党内分裂後景に
労働党の中には、ブレア首相の新自由主義路線を支持してきた反コービン派がいます。しかし選挙政策と、コービン氏の誠実さや演説への熱狂的反応を見て、党内分裂は後景に退きました。
労働党へのてこ入れで、米国のサンダース氏の選挙運動に参加した青年たちが英国に渡り、戸別訪問や電話での対話の仕方を伝授。プロの選挙参謀を多額の報酬で雇った保守党とは、この点でも対照的でした。
(つづく)(ロンドン=伊藤寿庸)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年6月10日付掲載


イギリスでも、緊縮政策による格差と貧困。それに対しての批判が沸き起こっている。
アメリカでサンダース氏を応援した青年が、海を渡ってイギリスでコービン氏を応援するって、すばらしい。



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