けいざい四季報 2022 Ⅰ ④ サイバー攻撃 自動車・アニメ産業も標的
ポイント
①自動車産業や製菓、アニメ産業でサイバー攻撃を受ける。システム障害など発生
②1カ月以内に約3割の企業が経験。ロシアによるウクライナ侵攻後に多くなる
③国家レベルの関与が明らかになった事例も。政府機関で新組織の立ち上げ相次ぐ
大手企業などへのサイバー攻撃が頻発しています。
全工場を停止
ブリヂストンは2月27日、米子会社ブリヂストンアメリカスの社内ネットワークに不正アクセスが行われ、身代金要求型ウイルスに感染しました。
トヨタ自動車は2月28日、取引先のトヨタ系部品メーカーがサイバー攻撃を受け、部品供給でシステム障害が発生したと発表しました。取引先部品メーカーの小島プレス工業(愛知県豊田市)でシステム障害が起きたため、国内の全14工場で3月1日の稼働を停止しました。
自動車部品大手のデンソーは、ドイツのグループ会社で3月10日にネットワークへの不正アクセスを受けました。
森永製菓は3月13日深夜、社内のシステムに障害が発生しました。外部から複数のサーバーに不正アクセスがあったことを確認し、社内サーバーと外部のネットワークを切り離しました。
東映アニメーションは3月18日、4月に予定していた「ドラゴンポール超スーパーヒーロー」の公開を延期すると発表しました。3月6日に社内システムが不正アクセスを受け、作品製作が難しくなったことが原因。
岸信夫防衛相、自衛隊サイバー防衛隊の新編行事(司令旗授与式)に出席=3月17日(防衛省ホームページ)
3割の企業で
民間信用調査会社の帝国データバンクが3月11~14日、サイバー攻撃についてアンケート調査を行ったところ、企業の28・4%が1カ月以内に攻撃を受けたと回答しました。
企業からは、「不正メール受信が特にロシアのウクライナ侵攻後に多くなった」との声が寄せられていました。同社は「強固なセキュリティー対策が求められる」と警鐘を鳴らしています。
サイバー攻撃が国内でも相次いで発生していることから3月1日、内閣サイバーセキュリティセンター、経済産業省や警察庁などが連名で、対策の強化を呼びかけました。企業単体ではなく、サプライチェーン(供給網)全体を俯瞰(ふかん)した取り組みを要請しました。
新たな組織も
警察庁が2月10日発表した2021年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情報では、身代金要求型の被害が拡大しているとしています。国内の医療機関が標的となり、市民生活にまで重大な影響を及ぼす事案も確認されています。また、政府機関や研究機関などが外部からの不正アクセスを受け、職員の個人情報などが盗まれた可能性のある事案も発生。国家レベルの関与が明らかになった事例もあったと報告しています。
公安調査庁は3月8日、サイバー特別調査室を4月1日(予定)に立ち上げることを発表しました。同庁は、サイバー攻撃による機微技術・データなどの流出や重要インフラへの被害の発生への脅威が増大していることに対応するため、としています。同庁の和田雅樹長官は「同庁の強みである人的情報源を活用」すると述べています。
防衛省は3月17日、サイバー攻撃に対する自衛隊のネットワークの防御力を高めるため新たな部隊を立ち上げました。約540人体制で名称は「自衛隊サイバー防衛隊」。陸海空の自衛隊の共同組織です。
警察庁は、「サイバー警察局」を4月に新設します。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年4月2日付掲載
民間信用調査会社の帝国データバンクが3月11~14日、サイバー攻撃についてアンケート調査を行ったところ、企業の28・4%が1カ月以内に攻撃を受けたと回答。
警察庁が2月10日発表した2021年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情報では、身代金要求型の被害が拡大。国内の医療機関が標的となり、市民生活にまで重大な影響を及ぼす事案も確認。
注意することに越したことはない。
ポイント
①自動車産業や製菓、アニメ産業でサイバー攻撃を受ける。システム障害など発生
②1カ月以内に約3割の企業が経験。ロシアによるウクライナ侵攻後に多くなる
③国家レベルの関与が明らかになった事例も。政府機関で新組織の立ち上げ相次ぐ
大手企業などへのサイバー攻撃が頻発しています。
全工場を停止
ブリヂストンは2月27日、米子会社ブリヂストンアメリカスの社内ネットワークに不正アクセスが行われ、身代金要求型ウイルスに感染しました。
トヨタ自動車は2月28日、取引先のトヨタ系部品メーカーがサイバー攻撃を受け、部品供給でシステム障害が発生したと発表しました。取引先部品メーカーの小島プレス工業(愛知県豊田市)でシステム障害が起きたため、国内の全14工場で3月1日の稼働を停止しました。
自動車部品大手のデンソーは、ドイツのグループ会社で3月10日にネットワークへの不正アクセスを受けました。
森永製菓は3月13日深夜、社内のシステムに障害が発生しました。外部から複数のサーバーに不正アクセスがあったことを確認し、社内サーバーと外部のネットワークを切り離しました。
東映アニメーションは3月18日、4月に予定していた「ドラゴンポール超スーパーヒーロー」の公開を延期すると発表しました。3月6日に社内システムが不正アクセスを受け、作品製作が難しくなったことが原因。
岸信夫防衛相、自衛隊サイバー防衛隊の新編行事(司令旗授与式)に出席=3月17日(防衛省ホームページ)
3割の企業で
民間信用調査会社の帝国データバンクが3月11~14日、サイバー攻撃についてアンケート調査を行ったところ、企業の28・4%が1カ月以内に攻撃を受けたと回答しました。
企業からは、「不正メール受信が特にロシアのウクライナ侵攻後に多くなった」との声が寄せられていました。同社は「強固なセキュリティー対策が求められる」と警鐘を鳴らしています。
サイバー攻撃が国内でも相次いで発生していることから3月1日、内閣サイバーセキュリティセンター、経済産業省や警察庁などが連名で、対策の強化を呼びかけました。企業単体ではなく、サプライチェーン(供給網)全体を俯瞰(ふかん)した取り組みを要請しました。
新たな組織も
警察庁が2月10日発表した2021年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情報では、身代金要求型の被害が拡大しているとしています。国内の医療機関が標的となり、市民生活にまで重大な影響を及ぼす事案も確認されています。また、政府機関や研究機関などが外部からの不正アクセスを受け、職員の個人情報などが盗まれた可能性のある事案も発生。国家レベルの関与が明らかになった事例もあったと報告しています。
公安調査庁は3月8日、サイバー特別調査室を4月1日(予定)に立ち上げることを発表しました。同庁は、サイバー攻撃による機微技術・データなどの流出や重要インフラへの被害の発生への脅威が増大していることに対応するため、としています。同庁の和田雅樹長官は「同庁の強みである人的情報源を活用」すると述べています。
防衛省は3月17日、サイバー攻撃に対する自衛隊のネットワークの防御力を高めるため新たな部隊を立ち上げました。約540人体制で名称は「自衛隊サイバー防衛隊」。陸海空の自衛隊の共同組織です。
警察庁は、「サイバー警察局」を4月に新設します。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年4月2日付掲載
民間信用調査会社の帝国データバンクが3月11~14日、サイバー攻撃についてアンケート調査を行ったところ、企業の28・4%が1カ月以内に攻撃を受けたと回答。
警察庁が2月10日発表した2021年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情報では、身代金要求型の被害が拡大。国内の医療機関が標的となり、市民生活にまで重大な影響を及ぼす事案も確認。
注意することに越したことはない。
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