脳は何歳になっても成長する カギは知的好奇心 ワクワク 楽しさ大切に
新しいことを始めたくなる春がやってきました。脳にどんなよいことがあるのでしょうか。東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授に聞きました。
(染矢ゆう子)
東北大学加齢医学研究所教授 瀧 靖之さんに聞く
若いときだけでなく、いくつになっても脳はその機能を高めることができることがわかってきました。
脳は学んで取り入れた情報で、神経のつながりを新たにつくります。その後使わない“道”は壊したり、何回も使うと強固になったりして、最適な“道”ができていきます。
見る世界変化
ピアノを弾くときに最初はぎこちなくしかできないけれど、練習するうちに上手に弾けるようになるのは、最適化が行われているからです。
脳の変化する力が一番高い時期は若いときです。運動や楽器演奏にかかわる運動野は、3~5歳くらいに発達のピークを迎えます。その時期を過ぎると習得するために必要な時間は増えますが、何歳から始めても脳が変化し、あるレベルに達することができるのです。
いくつになっても手遅れということはありません。50歳からピアノを始めても、80歳や90歳から英会話を始めても、ちゃんと伸びるということがさまざまな研究からわかっています。
感情をつかさどる扁桃体と記憶を司る海馬は近くにあり、密接なつながりがあると考えられています。ワクワクしたり、楽しいことは覚えやすいのです。
知識があると、見える世界が変わり、興味が広がります。何回もその対象に触れることで好きになり、もっと知りたいと没頭するようになります。
趣味を持てば
私たちの調査では、知的好奇心のレベルが高い人ほど、「側頭頭頂部」の萎縮が少ないことがわかりました。
ここは、考えたり判断する高次認知機能を操る領域です。20代後半をピークに、加齢とともに萎縮が進む箇所でもあります。
楽しい趣味の活動をたくさんすることで、脳が若く保たれるのです。さらに、自分が幸せだと感じることも脳にいいといわれます。趣味活動をすること、知的好奇心をもつことは本人だけでなく、家族にとっても、社会にとってもいいのです。
カメラや絵画、釣りやスポーツ、俳句、囲碁、将棋など、どんな趣味でもいい。昔やっていたことを始めてみるのもよいです。昔のことを思い出すことは、全世代にとっていい。人とのつながりを感じられるからです。
楽器演奏もお勧めです。脳がより若く保たれます。楽譜を理解したり、細かく指を動かしたりするなど、脳のあらゆる領域を使い、何より楽しいからだと思います。
趣味をもつと、外に出かけていくようになります。運動はとりわけ脳にいいのです。有酸素運動をすると神経細胞の生まれ変わりが加速します。海馬が大きくなり、記憶力も維持されます。
息弾む運動も
週に何回か、息が弾む程度の運動をやるといいといわれています。歩くときに少し早歩きをする、階段を使う頻度を増やすなど、日々の生活で運動を増やす工夫をします。無理はしないで、歩くだけでも十分です。
運動をすると不満やストレスも減ります。ストレスは扁桃体の過活動が原因で起こるので、運動することで抑えられるのです。
趣味を始めると、人との出会いや会話が増えます。対面での会話は情報巖が多いのです。コミュニケーションは、言葉以外の情報が半分以上を占めるといわれています。
表情やしぐさで、相手がどういう気持ちでいるかがわかります。相手に共感したり、相手を思いやって話す言葉を考えたりなどと、脳がフル稼働します。オンラインの会話でも、言葉だけより画面越しにするなど、なるべく情報量を増やすことが脳にもよいのです。
人は刻々と変化しているので、身近な人とのコミュニケーションも大切です。趣味は、身近な人とのコミュニケーションの道具にもなるのです。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年3月26日付掲載
いくつになっても手遅れということはありません。50歳からピアノを始めても、80歳や90歳から英会話を始めても、ちゃんと伸びるということがさまざまな研究からわかっています。
感情をつかさどる扁桃体と記憶を司る海馬は近くにあり、密接なつながりがあると考えられています。ワクワクしたり、楽しいことは覚えやすい。
カメラや絵画、釣りやスポーツ、俳句、囲碁、将棋など、どんな趣味でもいい。昔やっていたことを始めてみるのもよいです。昔のことを思い出すことは、全世代にとっていい。人とのつながりを感じられるから。
趣味をもつと、外に出かけていくようになります。運動はとりわけ脳にいいのです。有酸素運動をすると神経細胞の生まれ変わりが加速します。海馬が大きくなり、記憶力も維持される。
年金者組合のやっている、楽しみ7分、活動3分っていうのは科学的根拠があるんですね。
新しいことを始めたくなる春がやってきました。脳にどんなよいことがあるのでしょうか。東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授に聞きました。
(染矢ゆう子)
東北大学加齢医学研究所教授 瀧 靖之さんに聞く
若いときだけでなく、いくつになっても脳はその機能を高めることができることがわかってきました。
脳は学んで取り入れた情報で、神経のつながりを新たにつくります。その後使わない“道”は壊したり、何回も使うと強固になったりして、最適な“道”ができていきます。
見る世界変化
ピアノを弾くときに最初はぎこちなくしかできないけれど、練習するうちに上手に弾けるようになるのは、最適化が行われているからです。
脳の変化する力が一番高い時期は若いときです。運動や楽器演奏にかかわる運動野は、3~5歳くらいに発達のピークを迎えます。その時期を過ぎると習得するために必要な時間は増えますが、何歳から始めても脳が変化し、あるレベルに達することができるのです。
いくつになっても手遅れということはありません。50歳からピアノを始めても、80歳や90歳から英会話を始めても、ちゃんと伸びるということがさまざまな研究からわかっています。
感情をつかさどる扁桃体と記憶を司る海馬は近くにあり、密接なつながりがあると考えられています。ワクワクしたり、楽しいことは覚えやすいのです。
知識があると、見える世界が変わり、興味が広がります。何回もその対象に触れることで好きになり、もっと知りたいと没頭するようになります。
趣味を持てば
私たちの調査では、知的好奇心のレベルが高い人ほど、「側頭頭頂部」の萎縮が少ないことがわかりました。
ここは、考えたり判断する高次認知機能を操る領域です。20代後半をピークに、加齢とともに萎縮が進む箇所でもあります。
楽しい趣味の活動をたくさんすることで、脳が若く保たれるのです。さらに、自分が幸せだと感じることも脳にいいといわれます。趣味活動をすること、知的好奇心をもつことは本人だけでなく、家族にとっても、社会にとってもいいのです。
カメラや絵画、釣りやスポーツ、俳句、囲碁、将棋など、どんな趣味でもいい。昔やっていたことを始めてみるのもよいです。昔のことを思い出すことは、全世代にとっていい。人とのつながりを感じられるからです。
楽器演奏もお勧めです。脳がより若く保たれます。楽譜を理解したり、細かく指を動かしたりするなど、脳のあらゆる領域を使い、何より楽しいからだと思います。
趣味をもつと、外に出かけていくようになります。運動はとりわけ脳にいいのです。有酸素運動をすると神経細胞の生まれ変わりが加速します。海馬が大きくなり、記憶力も維持されます。
息弾む運動も
週に何回か、息が弾む程度の運動をやるといいといわれています。歩くときに少し早歩きをする、階段を使う頻度を増やすなど、日々の生活で運動を増やす工夫をします。無理はしないで、歩くだけでも十分です。
運動をすると不満やストレスも減ります。ストレスは扁桃体の過活動が原因で起こるので、運動することで抑えられるのです。
趣味を始めると、人との出会いや会話が増えます。対面での会話は情報巖が多いのです。コミュニケーションは、言葉以外の情報が半分以上を占めるといわれています。
表情やしぐさで、相手がどういう気持ちでいるかがわかります。相手に共感したり、相手を思いやって話す言葉を考えたりなどと、脳がフル稼働します。オンラインの会話でも、言葉だけより画面越しにするなど、なるべく情報量を増やすことが脳にもよいのです。
人は刻々と変化しているので、身近な人とのコミュニケーションも大切です。趣味は、身近な人とのコミュニケーションの道具にもなるのです。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年3月26日付掲載
いくつになっても手遅れということはありません。50歳からピアノを始めても、80歳や90歳から英会話を始めても、ちゃんと伸びるということがさまざまな研究からわかっています。
感情をつかさどる扁桃体と記憶を司る海馬は近くにあり、密接なつながりがあると考えられています。ワクワクしたり、楽しいことは覚えやすい。
カメラや絵画、釣りやスポーツ、俳句、囲碁、将棋など、どんな趣味でもいい。昔やっていたことを始めてみるのもよいです。昔のことを思い出すことは、全世代にとっていい。人とのつながりを感じられるから。
趣味をもつと、外に出かけていくようになります。運動はとりわけ脳にいいのです。有酸素運動をすると神経細胞の生まれ変わりが加速します。海馬が大きくなり、記憶力も維持される。
年金者組合のやっている、楽しみ7分、活動3分っていうのは科学的根拠があるんですね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます