防衛白書を読む⑤ 宇宙・サイバー・電磁波 「新たな領域」で能力強化

防衛白書を読む⑤　宇宙・サイバー・電磁波　「新たな領域」で能力強化
防衛白書は、「現代の戦闘様相は、陸・海・空という従来の領域のみならず、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域を組み合わせたもの」とし、「新たな領域において攻撃を阻止・排除することが不可欠」と解説しました。
そのうえで白書は、宇宙分野で、米軍の「宇宙軍」新設を紹介。サイバー分野では、中国やロシア、北朝鮮などがサイバー攻撃を行っていることを指摘し、各国軍がサイバー攻撃能力を強化していると強調しました。
電磁波分野においては、各国の電子戦兵器の開発といった電子攻撃などの取り組みを紹介しました。


スタンド・オフ電子戦機のイメージ図（２０２０年版防衛白書から）

そして、日本としても「新たな領域における能力の獲得・強化を着実に進めていきます」と宣言。宇宙状況監視システムの整備、サイバーに関する最新技術の活用、電子戦部隊の新編などの体制強化などを列挙し、「新たな領域」における軍拡をうたいました。
特に、相手の射程圏外から敵のレーダーや通信に電波妨害をかける「スタンド・オフ電子戦機」については、研究開発の大幅な短縮を図るため、「新たな手法を柔軟かつ積極的に活用する」と明記。違憲の敵基地攻撃能力につながる開発に前のめりです。

「しんぶん赤旗」日刊紙　2020年8月18日付掲載

宇宙・サイバー・電磁波など新たな領域で防衛力強化。
専守防衛の線引きが難しい領域です。