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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

無謀な消費税増税① 税収の構造をゆがめる

2019-08-02 11:38:56 | 予算・税金・消費税・社会保障など
無謀な消費税増税① 税収の構造をゆがめる
安倍晋三政権が狙う10%への消費税率引き上げまで2カ月に迫りました。しかし国民の間には今なお、増税反対の声が根強くあります。消費税増税は国民の生活に打撃を与え、日本経済をさらに悪化させるものです。

安倍首相は参院選の論戦で税収の増加をアベノミクスの成果のように誇りました。「経済を強くすれば税収だって増えるんです。税収は今年、過去最高になった」と各地で演説しました。




税収増の半分超
2018年度の国税収入は60兆3564億円と過去最高を記録しました。第2次安倍政権発足初年度となる13年度の46兆9529億円から13兆4034億円の増加です。
所得税、法人税、消費税の主要税目ごとに13年度と18年度の税収を比較すると、もっとも増えたのは消費税で6兆8516億円です。税収増の半分以上が消費税ということになります。安倍政権が14年4月に消費税増税を強行したからです。国税収入に占める消費税の割合は13年度の23・1%から18年度は29・3%へと3割に迫っています。
これまで最も国税収入が多かったのは1990年度の60兆1059億円でした。このときの税収の内訳は所得税25兆9955億円、法人税18兆3836億円、消費税4兆6227億円です。国税収入に占める消費税の割合は7・7%でした。30年近くの間に税収の消費税頼みが進行しました。



消費税を今あげるべきでないと開かれた集会に参加した人たち=5月24日、東京・日比谷野外音楽堂

所得・法人税減
90年度に3%だった消費税の税率は97年に5%、2014年に8%に引き上げられ、それに伴い消費税収も増加しました。一方で所得税収も法人税収も18年度は1990年度に比べてそれぞれ6兆円以上も減収しています。
所得税、法人税の減収の要因の一つが税率の引き下げです。1990年度当時の所得税の最高税率は50%。2018年度は45%まで下がりました。法人税(国税)も同じ期間に37・5%から23・2%へと10ポイント以上も下がりました。
本来、近代国家における税財政の役割は所得再分配です。応能負担のしくみで税を集め、弱者に手厚い社会保障で格差を是正します。
応能負担の税制には所得の高い者ほど負担を重くする累進性の所得税が欠かせません。
また大企業にももうけにふさわしい税負担を求める必要があります。
しかしこの間、所得税の最高税率も法人税率も引き下げられ、証券優遇税制も維持されてきました。研究開発減税など大企業優遇税制も拡充されています。その結果、高額所得者や大企業になればなるほど税負担率が下がる現象も起きています。「消費税頼み」の税収が進む一方で格差が広がっています。
安倍内閣が閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太の方針)は10%への消費税率引き上げを明記するとともに、今後の税制については「経済成長を阻害しない安定的な税収基盤を構築する観点から、引き続き税体系全般にわたる見直しを進める」としています。
大企業の税負担をさらに減らし、消費税を引き上げようとしていることを示唆する内容です。
(つづく)(3回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年8月1日付掲載


安倍首相は税収が増えたと自慢していますが、その大半が消費税増税によるもの。消費税は所得の再分配の原則の反対側に位置する税金。
それが増えたことを自慢するって、政治家失格です。


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2 コメント

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Re)無謀な消費税増税① 税収の構造をゆがめる (きんちゃん)
2019-10-02 14:46:54
本当に、消費税は天下の悪税ですね。
増税は、大企業と富裕層から。負担能力に応じてです。
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消費税は天下の悪税である! (吉良吉影)
2019-10-02 10:28:01
『消費税は天下の悪税である!』
キチンと理由を述べます。

『世界の消費税率比較』のグラフ等を見て『ヨーロッパ諸国に比べると消費税率はまだまだ低い』という誤解をしがちなのですが、実は税制の成り立ちが全然違うのです。

税制にはアメリカに代表される『直接税主導型』と、ヨーロッパ諸国に代表され『間接税主導型』の2派があるのです。

『直接税主導型』とは『所得に対して課税する方式』です。具体的には所得税や法人税、県民税、市民税が中心となります。アメリカの税制を導入した日本もこの『直接税主導型』です。

『間接税主導型』では、法人税、県民税、市民税はごく低いか、または取らないようになっています。消費に対して課税するので、所得には基本的に課税しないのです。

日本は本来『直接税主導型』であるにも関わらず『消費税』の導入が行なわれ、所得および消費の両方に課税されるスタイルになっています。
これでは『税金の二重取り』です。

よって私は『消費税は天下の悪税である!』と言い続けているのです。
増税は『企業に対する付加価値税の新設』をもって行うべきなのです。
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