きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

水のウソ・ホント 7回目 生物による水質診断

2008-09-03 21:50:59 | 赤旗記事特集
生物による水質診断 週末の河川汚染?

7回目は、公的機関による水質検査の落とし穴です。


 平日の昼闇、公的機関が測定した河川の水質は悪くないのに、川底にすむ虫を調べると、汚水に出現する種類ぱかりという事例を、ずっと以前に聞きました。原因は、川沿の工場が監視の目が薄い夜間に濃い排水を流していたため。また、ある渓流の底石に付着している微小な藻類に、河口部の海水混じりの水域に出現する種類が多く見られ、調査すると、上流にある廃棄物処分地から高濃度の塩分が流れ込んでいたという事例もあります。
 河川の生物による水質診断は、生態系保全などの主張は相手にされなかった「コンクリート護岸万能時代」に、生態学者が現場で地道に検証し、ボランティアが河川環境を守る視点で続けていました。淀川では、研究者や住民の努力により、絶滅が懸念されていたイタセンパラとアユモドキの二種類の魚が確認され、天然記念物に指定されました。
 現在、河川の生物調査は環境省や国土交通省、各地方自治体が協力して実施する国民的な行事となっています。
 次のステップは、治水、水利用など河川の総合的な管理や自然回復の課題への、研究者や地域住民の参画ではないでしょうか。具体的には、ダム建設の是非、急な増水・渇水を緩和するための水田回復・遊水地の指定・森林育成など。淀川水系流域委員会の活動はその先鞭(せんべん)をうけたものと期待していました。委員会の結論を行政に生かし、制度を発展させてほしいと思います。

(近畿水問題合同研究会会員 中村寿子)
(つづく)

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水のウソ・ホント 6回目 便利さの落とし穴~撥水加工、防水加工

2008-09-02 22:24:14 | 赤旗記事特集
便利さの落とし穴 撥水加工、防水加工など

6回目は、生活の隅々まで入っている、いろんな化学化合物です。

 PFOAはパーフルオロオクタン酸といい、有機フッ素化合物のひとつです。
 2007年5月、「淀川と大阪付近在住者の血中から、発がん性が疑われる高濃度のPFOAが検出された」と報じられ、不安を覚えた住民からの電話が水道部局に殺到しました。実際は1リットル中、数10ナノグラム(10億分の1以下)で、「高濃度」とは大げさだったのですが。
 PFOAは沸騰で除去できず、活性炭ろ過でも完全な除去は期待できません。生物による分解も不可能という厄介もの。テフロンなどフッ素樹脂を製造するとき乳化剤として使われます。
 類似した有機フッ素化合物が、撥水(はっすい)加工衣料、食品包装紙(ポップコーン、ハンバーガー等)に使われており、これらの物質が体内で変化してPFOAになると推定されます。
 食品の包装紙などに含まれる有機フッ素化合物濃度については、淀川レベルの一億倍程度も検出された例があり、食品への移行も確認されました。生活スタイルによっては、水よりも食品由来の汚染が断然多くなりそうです。
 撥水加工された布類、家庭で手軽にスプレーしてできる防水、紙容器のまま火にかけて作るポップコーンなど、便利な製品が数多く開発されました。しかし、一度立ち止まって考える必要も。
 オゾン層を破壊し、生物の生存に有害な紫外線を増加させる原因となったのもフッ素化合物です。フッ素自身は水銀やカドミウムのような強い毒性はありませんが、新しい化合物の開発には慎重さが必要だと思います。

(近畿水問題合同研究会会員 中村寿子)
(つづく)
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水のウソ・ホント 5回目 海洋深層水 効能あるの?

2008-09-02 22:17:22 | 赤旗記事特集
海洋深層水 効能あるの?
5回目は”海洋深層水” 流行っているが、本当に効能があるのでしょうか?


 海洋深層水が人気です。深いといっても1万メートル以上の深さがある海のせいぜい300メートル程度ですが。高知県のホームページに、種々の研究成果と用途が記述されています。
 プランクトンや雑菌が少なく、人間由来の汚染物質もないので、各種海産生物の養殖に好適だそうです。ミネラルを取り除いて真水を作るときも、フィルターが長持ちするとか。これらには納得。着想がよかったと思います。
 しかし、別のホームページの、「飲むと健康によい。豊富なミネラルが含まれる」となると、まゆつばです。海水は塩辛くてそのまま飲めません。真水にするには逆浸透膜などの特別な膜を通します。海水には、塩素イオン、硫酸イオン、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、臭素など、さまざまな元素・化合物が溶けており、ホウ素、鉄、銅、鉛、ヒ素、カドミウムなども、ごく微量含まれています。これらを膜で取り除くと純水に近くなり、「豊富なミネラル」とは言えません。逆に、取り除く割合が少なければ人体にとって不必要な元素も残ります。
 「濃縮された深層水を水道水に加えて飲んだり皮膚に塗ったりすると、病原菌抑制や血流内の酸素の活性化に役立つ」とは、理論的にも説明できませんし、動物での検証もされていません。深い海の底から汲み上げた水というと夢がありますが、特別な効能を期待しないことです。

(近畿水問題合同研究会会員 中村寿子)
(つづく)
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福田首相の突然の辞任表明 あきれるやら、ええかげんせいの気持ち

2008-09-01 23:49:35 | 政治・社会問題について
午後9時50分。NHKスペシャル「“活断層大地震”の脅威」を見るべく、パソコンテレビを入れると、「福田首相の辞任」の映像が・・・

まったく、昨年の安倍の辞任劇を回想する思いです。
辞任の理由が、「自分では、国民のための施策を通すことができないので、後任に譲る」というもの。

「国民のための施策」っていうものが曲者(くせもの)です。
ガタガタの後期高齢者医療制度を継続させる事。
イラクやアフガンの海外派兵、給油支援を継続させる事。
景気刺激と称して、証券の課税の緩和。
一般の国民が求めている、原油や穀物価格の値上げによる物価高騰に対する対策。
医療、年金などの今困っていることや将来の不安への対策。
特に若者の派遣や日雇いなどの雇用の不安定にたいする対策。
などなどに、まともに応えようとしていません。


辞めてもらって、けっこうけだけ、猫灰だらけ!
の思いですが・・・。
本当は、「解散・総選挙をやって、国民に信を問う」というのが筋でしょう。
その自信もないっていうのが、自民党の末期的症状ですね。

福田氏の辞任に際して、各党のコメントが出されているようです。
民主、社民など、福田政権の投げ出しに「無責任」と言っているものの。「解散で信を問え」とは言い切れていません。
唯一、共産党だけが、「政権を投げ出すなら、解散・総選挙で国民の信を問え」と言っています。
一番、まともな態度表明と言うべきでしょう。

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