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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

シリーズ 原発の深層 第五部・やらせの背景④ “黒い霧”今もはれず

2011-12-20 21:29:42 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
シリーズ 原発の深層 第五部・やらせの背景④ “黒い霧”今もはれず

 九州初の原子力発電所がつくられた佐賀県玄海町には、原発の“黒い霧”がたちこめています。
 「安全性をいくら追及してもきりがない」―。6月1日に開かれた玄海町議会の原子力対策特別委員会で、こんな議論を議員と交わしたのは岸本英雄町長です。
 玄海原発2、3号機の再稼働の可否が話し合われた委員会で、明確に反対したのは日本共産党の藤浦晧(あきら)町議だけでした。岸本町長は、議会で過半数の賛成があったことを判断材料に、再稼働を九州電力に要請しました。



玄海原発の起工式を報じる記事と同年の1971年に玄海町で起こった一連の腐敗事件を報じる地元紙

町長は大株主
 岸本町長は、実弟が社を務める建設会社、岸本組(唐津市)の専務取締役だった経歴があります。同社の届け出書類などによると、町長は現在も同社の株式7270株を持ち、個人としては2番目の大株主です。
 岸本組は16年間(1995~2010年)に原発関連で総額60億円以上の工事を九電やグループ企業から受注していました。
 さらに、電源立地地域対策交付金や核燃料サイクル補助金を活用した「薬草研究施設」など玄海町が発注した23億円の工事も受注しています。
 町議会原子力対策特別委員長の場合も同様です。中山昭和町議の親族が経営する中山組(玄海町)は、06~09年に原発交付金を財源とする玄海町発注の12事業、計4億円を受注。とくに中山氏が同委員長に就いた09年度は2億1000万円に急増しました。
 “原発マネー”の侵食は、1号機建設を着工した1971年から始まっていました。
当時の新聞報道をみると、こんな見出しが躍っています。「前町長を逮捕補償費など横領マル秘口座作る」「漁業補償汚職のみほした620万円唐津で豪遊二百数十回」「“原電の町”に黒い霧」…。
 町役場の会計課員による公金横領の発覚で始まった汚職は、原発の用地取得に奔走した前町長、元町議会議長の逮捕、地元漁協の組合長による背任に発展します。
腐敗の背景には、九電が投じた70億円とも言われる巨額資金の存在がありました。

懐柔の原型が
 40年以上にわたり玄海原発を見続けてきた東光寺の仲秋喜道住職(玄海原発対策住民会議副会長)(82)は、こう語ります。
 「くやしかったのは、汚職の原因に原発があるのは明らかなのに、警察が九電に指一本ふれなかったこと。あらゆる方法で地元に原発でもうかる人をつくるという地元懐柔の原型が玄海で行われていた」
 原発の黒い霧は、今もはれることはありません。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年12月18日付掲載



3・11の原発事故後、本来なら玄海原発再稼働に一貫して反対する立場にある玄海町の岸本町長。だのに、賛成したり反対したり動揺を繰り返しました。腑に落ちない思いでしたが・・・。ここでも親族が原発関連会社にかかわっていたのですね。妙に納得しました。
住民の安全に責任を持つべき首長が利権にかかわるようなことがあってはいけませんね・・・

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シリーズ 原発の深層  第五部・やらせの背景③ 会長の親族も受注

2011-12-19 23:40:58 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
シリーズ 原発の深層  第五部・やらせの背景③ 会長の親族も受注

 従業員わずか4人の会社が九州電力関連工事を年間1億円も受注―。九電本社のある福岡県の知事に届け出た建設業者の工事経歴を県の担当部署で閲覧すると、こんな不自然な実態が浮かび上がります。

大成下請けで
 玄海原発(佐賀県)、川内原発(鹿児島県)など九電関連の工事を受注した建設業者のなかには、企業規模に不釣り合いな本格工事を請け負ったケースが目を引きます。建設業法では、受注工事を他の業者に丸投げすることは禁じられていますが、原発関連工事には不透明さがつきまといます。
 福岡市中央区の建設会社A社(資本金1千万円)。従業員4人の企業でありながら、大手ゼネコン大成建設の下請け工事を九州各地で次々と受注しています。大成建設は川内原発建屋を建設しました。
 九電関連工事でも原発関連構造物建設などを下請けとして受注しています。九電関連の受注額は年間約1億円にのぼります。
 同社を訪ねると賃貸マンションの一室でした。インターホンを鳴らしても応答はありません。
 同社の創業者は九電の松尾新吾会長の親族です。九電側は「工事発注は、公平・公正にやっている」(広報担当)としていますが、松尾会長は「頼ってきた親族を助けて何が悪い」(西日本新聞9月23日付)と語っています。同社の工事には建設業法で義務付けられた専任技術者が常駐せず、実際の施工は別業者だったとも報じられています。



九電松尾新吾会長の親族企業が入るマンション=福岡市中央区

うまみがある
 大手ゼネコンで原発関連の仕事を担当する関係者はこう打ち明けます。
 「電力会社の幹部や政治家、地元有力者から『知り合いを下請けに使ってくれ』という依頼は珍しくない。維持管理にも莫大な費用がかかる原発は、業者にとってうまみのある仕事だ」
 日本共産党の吉井英勝衆院議員の要求で資源エネルギー庁が提出した資料によると、全国の原発57基の総建設費実績は約13兆円にのぼります。原子炉は、三菱重工、東芝、日立製作所がほぼ独占。原子炉建屋は、鹿島、大林組、大成建設、竹中工務店、清水建設の大手ゼネコンが独占受注しています。
 前出の大手ゼネコン関係者は語ります。
 「原発関連の工事は、利益率が高く、しかもメンテナンスなどで仕事が途切れない。原子炉メーカーになると、原子炉の原価があってないようなものだから、さらに大もうけしている。電力会社側は、電気料金に建設費を上乗せすればいいから気前よく払ってくれる」(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年12月17日付掲載



九電の会長の親族企業にわざわざ下請けをまわすように手配しているんですね。
会長職によるわいろで儲けて、さらに親族まで儲けさせるなんて・・・
ゼネコンや原子炉メーカーに支払うお金は、結局電気料金に転嫁されるんですから・・・
九電など電力会社は一円も損はしないのです。
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シリーズ 原発の深層  第五部・やらせの背景② なぜ知事をかばう

2011-12-18 21:03:23 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
シリーズ 原発の深層  第五部・やらせの背景② なぜ知事をかばう

 佐賀県選挙管理委員会は11月25日、同選管に届け出た政治団体の2010年分の政治資金収支報告書を公表しました。それによると古川康知事の資金管理団体「康友会」の10年分収入額は約3900万円。その7割を占めるのが2回開いた政治資金集めパーティーによる収入2623万円です。


再稼働をめぐり九電の「やらせ」が行われた玄海原発=佐賀県玄海町

あっせんまで
 東京都渋谷区内で催した「古川康激励会」では514人にパーティー券を売り、1925万円を集めました。政治資金規正法では購入額が20万円を超えなければ、収支報告書に名前を,記載しなくてもすみます。古川知事のパーティーも購入者の実態は不透明です。
 ところが九州電力が、パーティー券を購入したうえ、グループ会社などにも購入を働きかけていたことが、地元紙の報道で明るみに出ました。
 知事のためにパーティー券のあっせんまでするとは…。購入を働きかけた企業について九電は「個別具体的に答えられない」(広報担当)といいますが、両者の親密な関係が浮かび上がってきます。
 九電は、この古川知事の「発言がやらせ投稿に決定的影響を与えた」とした、第三者委員会の最終報告書を認めようとしません。
 玄海原発2、3号機の運転再開に向け、経済産業省が主催した佐賀県民への「説明番組」(6月26日)で、九電は社内や関係会社の社員らに運転再開支持の電子メールを番組に投稿するよう組織しました。
 番組の5日前、九電の段上守副社長(当時)や佐賀支店長が知事公舎を訪ねました。その際に知事は「発電再開容認の立場からも、ネットを通じて意見や質(だんがみ)問を出してほしい」と要望。詳細な発言内容を佐賀支店長がメモにして、メールで社内に流しました。
 メモの全文は、佐賀県礒会でも公表されました。しかし、古川知事は「やらせメールを要請したことはない」と否定。九電も佐賀支店長のメモが不正確だったと、身内の責任にしてまで知事をかばおうとしているのです。
 九電にとって古川知事は、原発推進に理解を示す、必要不可欠な存在です。原発再稼働のためなら、社会的批判を浴びようとなりふりかまわず守るつもりなのでしょう。

構造が崩れる
 福岡県の自民党関係者は「古川知事が責任を認めて辞任したら困るのは、九電だけではない」と、こう指摘します。
 「原発は、建設から運営に至るまで巨大な利権構造ができている。これに産業界も政治家も乗っかって大きな恩恵を得ている。『やらせ』問題が知事の責任に波及したら、利権構造自体が崩れてしまう」(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年12月16日付掲載


知事が政治責任を感じて辞めてしまっては、恩恵うけてきた九電はもとより、原子炉製造企業、建屋建設のゼネコン企業の責任も追及されてしまうから・・・
「ぜひとも辞めないでくれ・・・」ってことでしょうね。

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シリーズ 原発の深層  第五部・やらせの背景① ナゾの「九州太郎」

2011-12-17 22:21:25 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
シリーズ 原発の深層  第五部・やらせの背景① ナゾの「九州太郎」

「しんぶん赤旗」の「シリーズ 原発の深層」の新しいシリーズが始まりました。
今度は「やらせの背景」。例の九州電力の原発再稼働をめぐる「やらせメール」などの背景を追います。
その時もおり、政府は福島第一原発の「冷温停止宣言」をしました。
「原子炉内の温度が100度以下になった」ことを根拠にしていますが、原子炉内の核燃料がどのような状態になっているのかいまだ把握できていません。
すくなくとも、整然と並んだ燃料棒の状態でなく、どろどろに溶けた後メルトダウンまたはメルトスルーして圧力容器、もしくは格納容器の下にべっとりと張り付いている状態でしょうね。
強制的に格納容器内に冷却水を流し込んでいることで、辛うじて再臨界にならないようになっているのではないでしょうかね。

本当に「冷温停止」なら、次は核燃料を取り出そうって事になるんですが、原子炉建屋内はまだまだ放射線量が高くってとてもそんな状態ではないようです。

これこそ、政府主導の「やらせ」ではないでしょうかね・・


さて、「しんぶん赤旗」の「やらせの背景」の紹介です・・・

 「九州太郎」。インターネット上のブログで、いまこの名前が話題になっています。
 「佐賀県と九電を悪玉に仕立てあげることで、世間の関心を他にそらそうと動いている」「第三者委員会報告書の内容…大きな疑問を感じる」―。ブログの主題は、九州電力玄海原子力発電所の再稼働をめぐる「やらせ」メール問題。徹底して九電を擁護しています。プロフィル欄は空白で、本名も性別も年齢もまったく正体不明です。
 「しんぶん赤旗」のスクープで7月に「やらせ」が発覚、大きな批判を浴びた九電は、元検事の郷原信郎弁護士を委員長とする原因究明のための第三者委員会を設置。同委員会は、佐賀県の古川康知事の関与も指摘した最終報告書(9月30日)をまとめました。ところが九電は、これに反発して見解の異なる最終報告書をまとめて経済産業省に提出(10月14日)。さらに公開質問状などで郷原氏らを攻撃するという行動に出ています。



「やらせ」問題にゆれる九州電力本社(上)(福岡市中央区)と九州電力を擁護する「九州太郎」のブログ

社外接続解除
 反論のための有力な援軍として、社内で閲覧を推奨しているのが、第三者委員会に対する批判や原発推進論を詳細に書き連ねた「九州太郎」のブログです。
 九電は10月31日、セキュリティーのために制限していたインターネットの社外へのアクセスをわざわざ解除して「九州太郎」などのブログが閲覧できるように変更。その後、「(九州太郎の)アクセス数が減少した」ことを理由に11月30日に再度、制限をかけました。本紙の取材に九電側はこの事実を認めています。また、内容が更新されるたび
に印刷して役員に配布したと報じられています。
 10月20日に始まったブログは、ほぼ連日のように長文で書き込まれています。いったいどんな人物なのか。開設者と思われる人物の痕跡が初期のブログに残されていたという情報を得て、首都圏に住む、その人物に真偽をたずねました。
 「『九州太郎』ブログが始まる前の10月中旬、自分のブログに第三者委員会を批判するコメントを書いたことがあるが、『九州太郎』は私ではない。他のマスコミからも問い合わせがあり、間違われて困惑している」

「不祥事にも」
 開設者のわからないブログを“公認”したにもかかわらず、九電は「ブログは匿名が一般的」(広報担当)だとして確認すらしていません。もし「九州太郎」が九電関係者なら、新たな“やらせ”につながりかねない問題にかかわらずです。
 第三者委員会関係者はこう指摘します。「正体不明のブログまで持ち出してくるとは、公共企業としての資格が問われる。このこと自体が不祥事として問われる大問題だ」(つづく)

      ◇

第5部「やらせの背景」では、原発推進のために不正に走った電力会社・原発利益共同体の体質と無反省ぶりを検証します。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年12月15日付掲載



記事を見て、これって「Yahooのブログ」じゃないのと思って探してみましたが見つかりませんでした。
探しようが悪かったのでしょうかね。それとも閉鎖されてしまったのでしょうか・・・

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シリーズ 原発の深層  第四部・蠢(うごめ)く利権集団⑧ 大企業の“金城湯地”

2011-12-10 19:34:59 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
シリーズ 原発の深層  第四部・蠢(うごめ)く利権集団⑧ 大企業の“金城湯地”

 日本経済団体連合会(経団連)が9月11日に発表した「経団連成長戦略2011―民間活力の発揮による成長加速に向けて」には、「成長するアジアとの一体化」の項で次のような記述があります。
 「官民でアジア各国における鉄道、高速道路、上下水道、原子力発電所、通信などのハード面でのインフラ整備プロジェクトを通じて、わが国の技術・経験・運営ノウハウを展開していく」
 東京電力福島原子力発電所が過酷事故を起こしたというのに、財界は原発輸出を進めると宣言しているのです。原発は財界にどれだけの利益をもたらすものなのでしょうか。

「電機」筆頭に
 電力会社や原子力関連企業・研究機関、大学、原発立地地域の自治体などでつくる社団法人、日本原子力産業協会(原産協会)は毎年会員にアンケートを行っています。その中で原子力分野での電力会社との取引額についても調べています。
 商業用原発の着工が始まった1966年から2005年までの累計額で、最も多く取引があったのは電機産業です。その額は実に11兆円。三菱重工や日立、東芝など電機業界は、原子炉や関連設備を納入することでばく大な売り上げを実現してきました。
 次いで、8兆4300億円の取引があった建設業です。原発建設には、鹿島建設、清水建設、大成建設、大林組、竹中工務店の五大ゼネコンがすべて関わっているだけでなく、熊谷組や前田建設など準大手のほとんどが関わっています。
 6兆円の取引があったのは造船造機業。日立造船などは、発電機や熱交換器、変電設備などを納入しています。


電力会社から原子力産業への金の流れ(1966~2005)
産業億円
電気機器製造110475.9
建設業84289.6
造船造機業59832.7
原子力専業25443.7
機械製造業8482.5
窒業・土石製品製造業1976.0
鉄鋼業1718.0
運輸・通信業1257.4
金属製品製造業1088.7
非鉄金属製造業756.7
精密機器製造業462.0
化学工業68.6
繊維品製造業21.4
ゴム製品製造業14.8
輸送機器製造業3.7
原子力産業協会「原子力産業実態調査」から作成
1968年はデータが公表されていないため加えていない


多くが子会社
 2兆5000億円の取引があった「原子力専業」は聞きなれない産業です。原産協会は原子力専業について、「原子力に関わる商品やサービスを扱っているが、それ以外はやっていないという企業の分類です。ほとんどが大企業の子会社で、メンテナンスや製造業など業種はさまざまです」と話しています。
 原発関連の受注がどれほどもうかるのでしょうか。原発建設が盛んに行われていた81年12月の三菱銀行『調査』は、建設業を例に挙げてこう書きます。
 「本分野の発注は実績主義になりがちで新規参入は容易でなく、今後とも一部の大手ゼネコンの金城湯地であろう」
 大企業が間違いなく利益を得られることが原発推進の衝動となっています。
(おわり)(第4部は清水渡が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年12月8日付掲載


原理力関連の仕事は、電器産業、建設業を中心に必ず利益のあがる仕事として各社本当に重宝しているんでしょうね。
三菱重工の神戸造船所が、商船建設から撤退して原子力部門に特化する計画です。いくらもうけのためとはいえ、目先の利益のために地元の雇用をズタズタにして、未確立の技術である原子力に特化するって許されないですよね。
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