きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

偽装ファクタリング コロナに乗じて中小業者から暴利

2020-06-20 07:31:47 | 政治・社会問題について
偽装ファクタリング コロナに乗じて中小業者から暴利
新型コロナ危機で資金繰りに苦しむ中小業者を標的に、「ファクタリング」を装ったヤミ金融の被害が広がっています。
本来、ファクタリングとは、顧客企業から売掛債権(取引先に商品を売った未回収の代金を受け取る権利)を割り引いて買い取り、その債権の回収を行う金融業務のことです。売掛債権を回収できれば割り引いた金額が利益となり、回収できなければ買い取り額が損失となります。
しかし最近、ファクタリングを名乗りながら、顧客の中小業者自身に売掛債権を回収させ、それが滞ると中小業者から厳しく取り立てるなど、実質はヤミ金融と同じ「偽装ファクタリング」がはびこっています。
例えば中小業者から翌月末払い・100万円の売掛債権を買い取って、5%の手数料で5万円を差し引いた95万円を渡します。これは年利にすると60%程度の高金利になります。
利息制限法や出資法で利息は年15~20%以下に制限されています。それにもかかわらず、年利数百%の暴利をむさぼる事例が増加。金融庁もチラシなどで注意を促しています。




1~2年前から、生活苦の個人を狙った「給与ファクタリング」と称する新手のヤミ金融被害も急増しています。
宣伝文句は「給与の前借りサービス」ですが、実際はヤミ金融業者が超高金利で現金を貸し付け、厳しい取り立てを行っています。
例えば10日後に支給される給料のうち10万円を受け取る権利を労働者から「買い取り」、2万円の「手数料」を差し引いて8万円を労働者に渡すケース。この2万円を利息として計算すると月利60%、年利は720%になります。
「給与ファクタリング」業者は「金銭の貸し借りではないので貸金業ではない」「手数料には法的上限がないため違法ではない」と主張します。
しかし金融庁は3月、「給与ファクタリング」は「経済的に貸付けと同様の機能を有し」、「貸金業に該当する」との見解を表明。金融被害に注意を呼びかけています。
東京地裁判決(3月24日)も「給与ファクタリング」に初の司法判断を示し、取引は貸し付けに該当すると認定。貸金業法、出資法違反の契約は無効で、刑事罰の対象になると批判しました。

日本共産党の大門実紀史参院議員は、国会で「給与ファクタリング」の問題を指摘した上で、ファクタリングを偽装して中小業者から暴利をむさぼるヤミ金融について、麻生太郎財務相に次の2点を提案しました。
一つは、制度融資をスピードアップし、困っている中小業者に早く現金を届けること。もう一つは、明らかな違法行為として取り締まりに尽力することです。
麻生氏は「貸金業者の資格がないものがやれば明らかに違法。きちんと対応させていかねばならぬと思っております」と答弁しました。(5月14日の財政金融委員会)
槐島明香(げじま・あすか 日本共産党国会議員団事務局)

「しんぶん赤旗」日曜版 2020年6月21日付掲載


いろいろと手段を変えて高金利で資金提供する悪徳業者。
もともとは、国や行政が手厚い支援策をしていれば利用する必要のないもの。
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日韓の歴史をたどる㉔ 強制労働動員 武力を背景に まともに賃金払わず

2020-06-18 07:58:36 | 日韓の歴史をたどる
日韓の歴史をたどる㉔ 強制労働動員 武力を背景に まともに賃金払わず
樋口雄一
ひぐち・ゆういち 1940年生まれ。朝鮮史研究者。元高麗博物館館長。
『朝鮮人戦時労働動員』(共著)、『協和会』ほか

朝鮮半島から米を収奪する日本の植民地政策により、朝鮮の9割を占める農民の暮らしは窮迫しました。そこに、さらなる困難をもたらしたのが、戦時下の経済・社会の統制でした。戦時動員が朝鮮人民衆全員に強制されたのです。



福岡県八幡市(当時)の朝鮮人労働者=朴慶植著『朝鮮人強制労働の記録』(未来社)から

動員名簿を作り住民を統制管理
朝鮮総督府と国民総力朝鮮連盟(日本の隣組制度にあたる)が住民一人ひとりを統制・管理し、動員も系統的に行う体制で、逃れることはできませんでした。朝鮮人側を統制し、体制を支えたのが武力を持った駐屯日本軍と警察、日本の支配組織でした。
邑(ゆう)(日本の町にあたる)では、日本への労働動員名簿が作られました。対象は小作農の二・三男で、のちには長男も対象になりましたが、地主の子どもは対象になりませんでした。
強制労働動員は1939年から始まりました。37年に日中全面戦争が始まり、日本では38年に国家総動員法、39年に国民徴用令が施行されています。日本政府の資料から、日本国内(樺太、南洋を含む)に強制動員された朝鮮の労働者は、45年の日本の敗戦までに70万人余になります。このほかに朝鮮内に強制労働動員された人が158万人以上います。
日本への動員では、まったく日本語のできない人は炭坑鉱山・土木・運輸などに、普通学校を出た人など日本語のわかる人は工場にと、区分して動員されました。系統的・計画的な動員で、動員地は日本企業が申請し総督府が割り当てました。動員期間は当初は2年間の約束でしたが、戦争末期にはあと1年延ばされることもありました。
動員先の日本では食事の量の少なさが問題になりました。重労働で、大半の人が空腹を訴えましたが、炭坑などでは主食の米・麦(のちには雑穀)は朝鮮の農村で働いていたときより減らされ、副食にはキムチなどはなく、たくわんなどで口に合いませんでした。大半の現場が長時間労働でした。
炭坑では事故も多く、けがや死亡者も多かったのです。死亡した場合、遺族に遺骨を届けることになっていましたが、遺骨だけ届け弔慰金は支払わなかった、と当時を回想した江原道の日本人警察幹部が記録しています。警官は、このうわさが広がると今後の強制動員に影響があるからと心配しているのです。死亡・けがの場合も、当時はもとより今になっても、日本政府は個人に対し、おわびの手紙も補償もしていません。



日立鉱山で死亡した朝鮮人労働者の遺骨=朴慶植著『朝鮮人強制労働の記録』(未来社)から

下ろせない貯金 送金は行方不明
賃金のうち本人に渡る金額は、逃亡を恐れ「小遣い程度」に限定され、残りは食事代、宿舎代、たえず課される国防献金などに徴収され、本人の手には渡りませんでした。
一部は一定金額の貯金、希望によっては家族送金にあてられましたが、預金を下ろす自由はなく、日本の敗戦時には、混乱を理由に支払われませんでした。動員された朝鮮人の大半は既婚者で、故郷には父母や妻・子どもがいました。送金しても邑・面(日本の町・村)長の印と確認が必要で、大半の人の送金がどうなったかは不明です。特に土木現場に配置された人の送金と残された家族の生活状態はわかっていません。日本政府は今に至るまで、朝鮮人の被害について一切調べていません。
強制動員で働き手を失った家族の暮らしは困難を極めたと思われます。日本の敗戦、朝鮮人にとっては解放が近くなるにつれ、朝鮮社会でも食料の闇での売買などが盛んになり、当局も取り締まりだけでは対応できなくなっていきました。朝鮮人の生きるための行動が活発になり、最後の総督阿部信行は、総督府が朝鮮農民に強いてきた天水田(水利がなくても降雨に頼って米を作らせる田)の一部を畑にすると天皇に上奏し、許可を受けざるを得ませんでした。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年6月16日付掲載


強制動員された朝鮮の労働者たち。まともに賃金も支払われず、預金したお金を下ろす自由もなく。
これって決して過去の事ではなく、現在の特定技能実習生でも実態はあまり変わらない状態だよね。
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コロナ禍 格差と貧困を増幅 巨大資本管理の重要性浮き彫り

2020-06-17 12:58:19 | 新型コロナウイルス
コロナ禍 格差と貧困を増幅 巨大資本管理の重要性浮き彫り
新型コロナウイルス感染拡大の経済への影響が長期化する様相を呈しています。米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)が、事実上のゼロ金利政策が少なくとも2022年末までは続くとのシナリオを示しました。

 11日の米株式市場が急落した。背景にあるのは、新型コロナウイルスの感染「第2波」への警戒感といわれている。



テレビ会議形式で連邦公開市場委員会(FOMC)に参加する米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長(ツイッターより)

深刻な雇用問題
 FRBのパウエル議長は、「2000万人近くの雇用がうしなわれた」「多くの人々が仕事を見つけるには、時間がかかる」とし、雇用問題の深刻さを強調していた。
 議長が「失業者の増加は、特に低賃金労働者、女性、それに、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系で多い」と指摘した。注目すべきだね。
 コロナ危機は、アメリカ社会のひずみを浮き彫りにしている。議長は、白人警官による黒人殺害事件についても言及し、「私は、この悲劇的事件が、米国における人種的不正義の痛みに光を再び当てたことを認識したい」と発言した。
 資本主義大国アメリカの貧困と分断、そして亀裂をコロナ危機が増幅しているわけだね。
 国際機関はこの間、椙次いで世界経済の見通しを明らかにした。改めて、コロナ危機の深刻さが示されている。
 世界銀行は8日、今年の世界経済は、5・2%減になると予測。各国・地域の国内総生産(GDP)については、米国は6・1%減、ユーロ圏は9・1%減、日本は6・1%減だ。一方、新興・途上国経済はマイナス2・5%で、1960年以降で最悪の成長率を予想した。
 経済協力開発機構(OECD)も10日に見通しを発表し、2020年は6・0%減になるとした。年内に感染第2波が起きた場合は7・6%減と、一段の縮小を予測している。
 コロナ危機で深刻な打撃を受けるのは新興国・途上国だ。
 脆弱(ぜいじゃく)な保健制度しか持たない国、観光や国外からの送金への依存度が高い国、一次産品輸出に依存している国などは、主要国の経済の落ち込みの影響を激しく受ける。
 多国籍企業のグローバル・サプライチェーンに深く組み込まれている場合には、新興国・途上国の労働者を直撃する。

経済かく乱要因
 新興国・途上国では、かつてないほどに債務が増大し、原油をはじめとした一次産品価格が下落している。さらに、資本の急速な流出により、通貨が下落するなど多重苦に見舞われている。
 国連貿易開発会議(UNCTAD)は、2・5兆ドル(約270兆円)の支援策が必要と提言しているよ。
 UNCTADは3月の報告書の中で、「資本コントロール」の必要性を強調している。途上国通貨と資産価格の下落を抑えるため「必要とされる場合には、資本流出の増大を抑制するための対策を取る」と強調した。
 重要な指摘だ。巨大資本の運動こそが経済をかく乱する要因だ、ということを改めて示している。
 コロナ危機が新自由主義の横行を反転させ、巨大資本の管理の必要性を浮上させたことに、時代の巨大な変化を感じるよ。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年6月16日付掲載


コロナ危機のもと、資本主義大国アメリカでも、低所得者、女性、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系で失業者が増えている。
新興・途上国では、マイナス成長、債務の増大が深刻だ。
国際的な支援策が必要だと。
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コロナ対策C20の提言② 資本移動の規制が必要

2020-06-16 08:16:09 | 新型コロナウイルス
コロナ対策C20の提言② 資本移動の規制が必要
新型コロナウイルスの感染爆発は、新興国・途上国で急速な資本流出と通貨の下落を引き起こしました。通貨安によるドル建て債務の返済負担の増大や、信用力の低下による上乗せ金利の上昇などで、これらの国々の債務負担は急増しました。

債務支払い免除を
新興国・途上国を支援し、コロナ危機を乗り越えるために、世界の市民活動家(C20)は主に三つの方策を提起しています。①債務支払いの免除②金融資本の規制③富裕層と大企業への課税―です。
「債務支払いの免除はこれらの国々が資金を確保するための最もてっとり早い方法だ。そうすれば新型コロナウイルスの感染爆発が引き起こす健康、社会、経済の危機とたたかうために資金を有効活用できる」
「感染爆発は国際競争ではなく国際連帯・協力が必要であることをはっきりと示した。危機とたたかう途上国への支援が特に重要だ。これらの国々が必要とする追加資金をつくれなければ、結局、危機からの回復が遅れることになる」
2020年と21年に支払い義務が生じる新興国・途上国・中所得国の対外債務について、C20はすべての支払いを免除するよう要請しています。問題は、免除の呼びかけに応じない民間の貸し手や投資家がいることです。近年、個人投資家や投資ファンド運用業者の多くが新興市場の債券を買い、高いリスクを負ってきました。ところが民間債券保有者は今、自らが喜んで背負った金融リスクを負担することを嫌がっているのです。
「20カ国・地域(G20)は自国の貸し手や投資家と向き合い、少なくとも20年と21年の債務の支払いを免除するよう、彼らを説得すべきだ」



新型コロナウイルス感染爆発の犠牲者を悼む集会で泣き崩れるアーティスト=6月8日、ブラジル・ブラジリア(ロイター)

投機の停止
2008年のリーマン・ショック時と比べ、金融部門はますます肥大化しています。投資家などから資金を集めて金融市場で運用する資産運用業界は、適切な規制を受けずに膨張してきました。価格変動から得られる投機的利益を目的として、巨額の資金が新興国・途上国に流入し、一挙に流出することが、危機を増幅する重大要因となっています。
C20は、「流入と流出の双方を含む気まぐれな資本移動を緊急に規制する必要がある」と提起しています。
「G20は国際的な資本移動への規制の重要性を認め、規制の導入を受け入れるべきだ。過剰で投機的な資本流入と資本逃避、通貨の下落を防ぐためだ。さらには投機的取引を制限し、通貨と資産価格の低下をもたらす群衆行動を止めることが欠かせない」
「G20はあらゆる金融市場での空売りやコンピューターによる自動取引を全面禁止すべきだ」
「高頻度取引、デイトレード、ヘッジファンドの投機的戦略、価格変動に賭ける投機的金融商品については停止させるか重税を課すべきだ」
「租税回避地への資本移動も禁止すべきだ」


富裕層に応分の税
多国籍企業と富裕層は、租税回避地へ資金を移し、納税額を極限まで減らしてきました。企業間の税負担削減競争は、国家間の法人税率引き下げ競争を引き起こし、世界各国の税収空洞化を招きました。C20は、新興国・途上国が税収を得て経済を再建するための税制改革を提案しています。
「G20諸国は21世紀にふさわしい包括的な税制改革の実現に取り組み、すべての企業と富裕層に応分の税金を払わせるべきだ」

利益を配分
税逃れの根絶に向けて、▽多国籍企業の活動実態を示す国別報告書の公開▽多国籍企業の利益を各国に配分する新しいルールの確立▽法人の実質的所有者の登録と公開1などの臭体策を示しています。
さらに、「すべての国が参加する政府間税制委員会を国連の後援の下に創設する」という途上国の提案を支持するよう求めています。同委員会の目的は、現行の国際税制を包括的に見直し、真に公平な国際税制の基準をつくる交渉を行うことです。
(杉本恒如)(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年6月13日付掲載


開発途上国の新型コロナ対策のために、G20などは債務免除に踏み出すべきだとの提言。
また、タックスヘイブンなどへの課税逃れを許さず、富裕層に応分の税負担を求めることが大事だと。
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コロナ対策 C20の提言① 新自由主義からの脱却を

2020-06-15 06:37:30 | 新型コロナウイルス
コロナ対策 C20の提言① 新自由主義からの脱却を
世界の市民活動家(C20)が20力国・地域(G20)首脳に対して提言をまとめ、新型コロナウイルス感染拡大への対応策を提起しています。貿易・投資、雇用・ジェンダー、金融の分野での提言を紹介します。

「持続可能な発展」
貿易・投資の分野で、C20の提言は、新型コロナウイルス大流行の影響を克服しようとする各国の経済対策が、これまで多国籍大企業に奉仕し、経済的不平等を助長してきた新自由主義、市場原理主義の誤りを繰り返す恐れがあると警告しています。特に、新自由主義、市場原理主義の貿易協定は規制緩和、グローバル化、市場開放を目指しており、社会・経済的な発展や不平等の是正を重視しないと批判。国連開発計画(UNDP)の「持続可能な発展の目標」(SDGs)へ向けて経済政策を転換すべきだと勧告しています。
提言は、進行中の新たな貿易協定が、主に農業とサービスの自由化と、規制緩和を目指していると指摘。その取り組みは多国籍企業の利益に奉仕するだけで、各国経済にも、人間にも地球にも役立たないとしています。
農業の自由化のために、世界の家族農業と小規模農業が危機にあり、それが農村から都市への大規模な人口移動の主な原因だと指摘。食料供給には、農業の工業化やグローバル化ではなく、家族農業と小規模農業が重要だと主張しています。



新型コロナウイルス対策の都市封鎖が終わり、再開した学校で生徒の検査を行う教師=6月8日、南アフリカ・ケープタウン(ロイター)

現状を告発
サービスの自由化が勤労者に低賃金で不安定な雇用を強制している現状を告発。そこでは、サービス部門の規制緩和によって、労働運動の150年のたたかいの成果が大規模に攻撃を受けていると指摘しています。新たな貿易協定は、公共サービスの商業化・民営化を盛り込んでおり、勤労者と消費者が犠牲を負わされることになると警告。特に、新型コロナウイルス危機が公的保健制度の重要さを示したとして、保健制度を投資機会として扱う貿易協定交渉に反対しています。

阻止の道具
多くの貿易協定に盛り込まれている投資家対国家紛争解決(ISDS)条項について、多国籍企業が公益のための規制を阻止する道具だとして、廃止を求めています。
C20の提言は、世界貿易機関(WTO)体制の改革を求め、「自国第一」は解決策にならない、「保護主義対自由貿易」はでっちあげの二極論だと批判。真の対立軸は、「新自由主義市場原理主義」対「人間と地球の持続可能性」だと主張しています。その点で、「持続可能な発展の目標」とともに、国連人権理事会が企業活動の指針として定めた「ビジネスと人権に関する指導原則」の意義を強調しています。
(北川俊文)


人間らしい働き方
労働分野では、新型コロナウイルス感染拡大が労働者と家計に深刻な影響を与えていることを取り上げています。国際労働機関(ILO)は、世界で3億500万人分の労働時間が失われると推計。世界経済への打撃に対処するため、G20は5兆ドルを投じるとしています。しかし、社会的セーフティーネットの不足が足かせとなり、請負労働者など不安定雇用で働く労働者に支援が届かず、収入を失う恐れがあります。
C20の提言は、世界経済の回復にあたり、新型コロナウイルス感染回避のための安心・安全な労働環境を整備することや、賃上げを含む雇用の安定化を図りつつ、人間らしい働き方を構築するよう求めています。

女性の進出
また、ジェンダー平等社会の実現は世界的な優先課題です。ILOは、2025年までに労働参加率における男女間格差を25%削減できれば、世界のGDP(国内総生産)を5・3兆ドル増やせるとして、女性の社会進出を主張してきました。C20の提言は、制度設計や実行、監視という政策決定の場に女性を多く登用する必要があるとしています。
さらに、新型コロナウイルス対応の最前線となっている医療分野において女性労働者が7割を占めることから、医療従事者支援の強化を求めています。(小村優)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年6月12日付掲載


この間、世界で進行してきた新自由主義的経済、市場原理主義の経済で、コロナ危機のもとで各国の労働者の雇用、公共サービスが切り捨てられている。
この分野でも持続可能な発展(SDGs)な経済が求められている。
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