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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

世界の光 核禁条約 第2回締約国会議 笠井議員に聞く③ 被爆国日本こそ参加を

2023-12-21 07:09:50 | 平和・憲法・歴史問題について
世界の光 核禁条約 第2回締約国会議 笠井議員に聞く③ 被爆国日本こそ参加を
米国の「核の傘」に依存するドイツ、ノルウェー、ベルギー、オーストラリアを含む35カ国のオブザーバー参加と発言が歓迎されたことも特徴の一つ。「わが国政府が、締約国会議開幕20分前にオブザーバー参加を決定」と発表したベルギーの国会議員には拍手喝采でした。

効果を発揮
南アフリカ代表は「どの国にも開かれている条約、いつでも歓迎」と新しい国を招くのは道徳的義務だとし、「署名・批准国を広げるのが一番の力。そのために非人道性の認識を世界中で高めよう」と語り合われました。
中満泉国連軍縮担当上級代表との意見交換で、条約はアジアでも効果を発揮し始めていることを確認できました。
中満氏は、2022年6月のウィーン宣言が、非常に強く「あらゆる核の威嚇を明確に非難」したことを強調。その文書が出たからこそ、同年11月の「20カ国・地域首脳会議(G20)でインドネシアが動いて『核兵器の使用又はその威嚇は許されない』とする宣言が出された」と述べました。
また、「北東アジアで安全保障上の重大な出来事が万一あったときに、ASEAN諸国は基本的にすべて禁止条約の枠組みで動くことが想定される」とし、「核被害者支援・国際協力なども禁止条約から始まり、NPTでも議論され、今年の国連第1委員会では171カ国の賛成で決議が採択されている」と指摘。「この条約に関与し、対話することは、被爆国日本にとってもプラスになるのではないか」と述べていました。
オブザーバーとして参加したドイツの代表は、立場は異なるとしつつも「核兵器のない安全な世界に進む方法に関する議論にかかわっていきたい」と述べ、核被害者支援や環境修復に関わっていくための手段や展望を模索していると表明しました。



中満氏(左から4人目)と懇談する(左へ)日本被団協の木戸季市事務局長、日本共産党の笠井議員と、日本原水協の代表団(右の列)=11月29日、国連本部内(加來恵子撮影)

平和の願い
同国外務省のシーグブリード核軍縮部長は、「昨年も興味深い対話ができた。条約への段階的なアプローチだ」と私の隣で語りました。日本政府こそ見習い、恥ずべき態度を改めて条約に参加すべきです。
裏金づくりで国民そっちのけの自民党政治を終わらせ、被爆国民の非核平和の願いこそ実現する政治にかえるときです。綱領に「核戦争の防止と核兵器の廃絶」を掲げる日本共産党の国会議員として力を尽くします。(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年12月20日付掲載


国連軍縮担当上級代表の中満氏は、2022年6月のウィーン宣言が、非常に強く「あらゆる核の威嚇を明確に非難」したことを強調。その文書が出たからこそ、同年11月の「20カ国・地域首脳会議(G20)でインドネシアが動いて『核兵器の使用又はその威嚇は許されない』とする宣言が出された」と。
「この条約に関与し、対話することは、被爆国日本にとってもプラスになるのではないか」と。
Xでフォローしている中満泉さん。頼もしい発言です。
オブザーバーとして参加したドイツの代表は、立場は異なるとしつつも「核兵器のない安全な世界に進む方法に関する議論にかかわっていきたい」と述べています。

世界の光 核禁条約 第2回締約国会議 笠井議員に聞く② 市民社会の役割重要

2023-12-20 07:11:13 | 平和・憲法・歴史問題について
世界の光 核禁条約 第2回締約国会議 笠井議員に聞く② 市民社会の役割重要
核兵器禁止条約第2回締約国会議で、核兵器廃絶に向けた取り組みの具体化が完結したわけではありません。
第1回締約国会議議長国・オーストリアのアレクサンダー・クメント大使は、私たちとの意見交換で、「まだまだ次の締約国会議への宿題がある。非人道性の議論、新しい科学的リサーチが引き続き必要だ。安全保障と核抑止の関係も深めるべきだ」と指摘しました。

若者に期待
クメント氏は19歳の日本の学生に向かって、「外交官だけでは前進させられない。市民社会の役割が決定的で、とくに若い世代をはじめ広範な人々が声をあげ、核問題に関わって、みんなで議論しなければ何も進まない。この条約(核兵器禁止条約)のいいところは、シンプルさと明確さだ。だから広範な人々に分かってもらえる」と熱い期待を語りました。
2025年に開催される第3回締約国会議(3月3~7日、ニューヨーク)の議長国となったカザフスタンの代表は、被害者支援・国際協力など懸案に意欲的にとりくむと表明しました。会議参加者は、新しいステージに立った条約を各国に持ち帰り実践し努力しあうことになります。
条約の前進に貢献してきた日本の世論と運動の頑張りどきです。



オーストリアのクメント大使(左)と懇談する日本原水協の土田氏(左から3人目)、日本共産党の笠井議員(左から2人目)ら=11月30日、ニューヨーク(加來恵子撮影)

日本に失望
今回の締約国会議では、赤道ギニアの代表が「日本は核廃絶を主張する一方で、国連総会では核保有国と足並みをそろえて投票している。日本の戦略を説明してほしい」と発言しました。
その場に出席していた湯崎英彦広島県知事が答えを促され、「私たちも当惑している。日本政府が、そうした矛盾から抜け出し、少なくともここにオブザーバーとして来て議論し、最終的には禁止条約に署名・批准を望んでいる」と語ったのが、とても印象的でした。
東南アジア諸国連合(ASEAN)の外交官や学者たちも「日本の市民社会からは、いっぱい来ているけど政府はいないよね」と話題にしていて、「日本がいないのはおかしい。不思議な国」と、またも締約国会議に背を向けた日本政府への失望が広がっていたのです。
帰国翌日の4日に、衆院拉致特別委員会で早速、このような声が唯一の戦争被爆国の日本政府に対して上がっていたことを報告し、一刻も早い条約への参加を求めました。
上川陽子外相は「この条約は出口としては重要だが、核保有国は1カ国も参加していない」と従来の岸田首相の答弁のままで、全ての国に条約参加を呼び掛けた政治宣言への評価についても「日本は同条約に参加しておらずコメントを差し控える」と繰り返すだけでした。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年12月19日付掲載


オーストリアの大使・クメント氏は19歳の日本の学生に向かって、「外交官だけでは前進させられない。市民社会の役割が決定的で、とくに若い世代をはじめ広範な人々が声をあげ、核問題に関わって、みんなで議論しなければ何も進まない。この条約(核兵器禁止条約)のいいところは、シンプルさと明確さだ。だから広範な人々に分かってもらえる」と熱い期待。
東南アジア諸国連合(ASEAN)の外交官や学者たちも「日本の市民社会からは、いっぱい来ているけど政府はいないよね」と話題にしていて、「日本がいないのはおかしい。不思議な国」と、またも締約国会議に背を向けた日本政府への失望。
帰国後、笠井さんが国会で詳細を報告。しかし、上川陽子外相は「この条約は出口としては重要だが、核保有国は1カ国も参加していない」と従来の岸田首相の答弁のまま。

世界の光 核禁条約 第2回締約国会議 笠井議員に聞く① “この道”に確信

2023-12-19 07:07:48 | 平和・憲法・歴史問題について
世界の光 核禁条約 第2回締約国会議 笠井議員に聞く① “この道”に確信
11月27日から12月1日までニューヨークの国連本部で開かれた核兵器禁止条約第2回締約国会議。昨年のウィーンでの第1回締約国会議につづき、原水爆禁止日本協議会(日本原水協)や日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表とともに、日本共産党を代表して参加した笠井亮衆院議員に、会議で示された希望と確信、今後の課題、日本のとるべき態度について聞きました。(若林明)

ニューヨークの国連本部で採択された核兵器禁止条約が発効、第1回締約国会議を経て、再びニューヨークに戻ってきた会議でした。
この間、ロシアやイスラエルによる核使用の脅迫があり、他の核保有国も核戦力の維持・強化を図る重大な逆流が起こっています。核戦争の危険という世界の現実の中で、条約が生きて大きな力を発揮し、実効性・規範力を高めています。

6年で深化
フアン・デラフエンテ議長(メキシコ)は「いま私たちは受け身で沈黙しているわけにはいかない。核兵器による脅威は現実であり、だからこそ強いメッセージを伝える必要がある。いまこそ、この世界に核兵器はいらないというべきときだ」と力説していました。
中満泉(なかみつ・いずみ)国連軍縮担当上級代表との懇談では、2017年の採択の喜びを確認しあい、私が「この条約は6年間で深化しましたね」と言うと中満氏は「その通りです」と応じました。
会議では、この間の進展を「希望の光」と喜び、同条約の具体化と普遍化を真剣に討論しました。注目したのは、同条約に対する「改正意見」はまったくなかったことです。
94カ国が出席した会議は、最終日の12月1日、「核兵器の禁止を堅持し、その破滅的な結果を回避するための私たちの誓約」という政治宣言を採択。「条約は現在、93の署名国と69の締約国によって強固なものとなっている」とし、この道で力合わせ「核兵器のない世界」に進めるという自信あふれる会議として大きく成功しました。会場では全ての国が主役で、被爆者・核被害者、市民社会、国会議員、若い世代、女性が輝いていました。



締約国会議のフアン・デラフエンテ議長(右)に要請文を手渡す笠井氏=11月27日、ニューヨーク(島田峰隆撮影)

宣言に結実
日本原水協や日本被団協の代表とともに私自身、被爆2世の党国会議員として議長や各国政府に要請文を提出して働きかけました。
その内容は、会議開催を歓迎し、第1回締約国会議のウィーン宣言と行動計画の具体化への期待を表明、(1)非人道的な結末を警告し、核兵器使用を許さない強いメッセージを伝える(2)核兵器の被害者支援と国際協力の実践(3)核抑止論からの脱却をよびかけるなどです。
締約国会議のサイドイベントとしてオーストリア政府とICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)が主催した国会議員会議で発言し、私の修正案も盛り込んだ声明が締約国会議で読み上げられ、政治宣言に反映されました。


「核抑止」に痛烈な批判
今日の情勢下での核被害者の訴えに耳傾け、具体化を進めた核使用の現実的危険のもと、核兵器の非人道性を改めて告発し、「核使用を絶対に許してはならない」の決意を共有しました。政治宣言は、「核兵器のいかなる使用も、また使用の威嚇も国連憲章違反」であり、「核兵器によるあらゆる威嚇を明確に非難」しています。
参加者の胸を打ったのが被爆者の発言です。
日本被団協の木戸季市(すえいち)事務局長は「ウクライナとガザから伝えられる光景は被爆者にとってあの日の再来」「原爆が人間を滅ぼすか、原爆をなくし人間が生き残るかの世界です」「希望をもたらす会議になることを心より祈念する」と訴えました。
デラフエンテ議長は「木戸さんのような経験をした人の証言に代わるものはない。条約未参加国やオブザーバー参加国に条約参加を促すもので、正しい方向への一歩となる力強い証言」と応じました。

50億人餓死
「核兵器が使用されないようにする唯一の方法は全面廃絶」ということが議論の共通の土台となりました。第1回締約国会議で設置された条約を具体化する作業部会の報告を喜びを持って聴き、「米ロ間の核戦争による気候変動で最大50億人が餓死する可能性」という科学諮問グループ報告に対して真剣に耳を傾けました。
大きな論点として深められたのが「核抑止」論への批判です。
地中海の島国マルタ代表は、「核兵器が無差別の大量破壊を行う脅威を与えている時に誰が安心できるだろうか。核抑止は決して安全につながらない」と喝破。オーストリア代表は、「核抑止力論は説得力を持っていない」「核兵器依存の固定観念の転換が緊急に必要だ」とよびかけました。私も国会議員会議で「いざという時には広島・長崎の惨禍もためらわない立場が『核抑止』論だ」と批判しました。
政治宣言は、核兵器が「平和と安全を守るどころか、強制、脅迫、緊張の高まりにつながる政策手段」になっていると痛烈に批判し、会議は「核抑止」論からの脱却を訴える報告書作成も決定。核兵器禁止条約が、核保有国による核使用の手をきつく縛る力を持っていることを実感しました。



発言する日本被団協の木戸事務局長(左端)=11月27日、ニューヨーク国連本部

約束果たせ
核軍備縮小・撤廃について定めた核不拡散条約(NPT)第6条の義務や核兵器廃絶の「明確な約束」を、どの核保有国も果たしていないと非難し、NPTと補完しあう核兵器禁止条約を生かして、核保有国に迫っていこうという議論が深められ、政治宣言に盛り込まれたことは重要です。
核兵器禁止条約第6条の核被害者支援・環境修復と第7条の国際協力の具体化が活発に議論されたのは今回の会議の大きな特徴です。
日本原水協事務局次長の土田弥生さんが、日本国民は、広島、長崎、ビキニと3度も核被害を経験し「巨大な権力により被害が隠蔽(いんぺい)され被害者は放置された」と告発、「救援と被害の実相解明、人類と核兵器は共存できないことの普及」を呼びかけました。
太平洋の島国キリバスの22歳の青年が被害者支援の「国際信託基金」設立への期待を述べ、次回会議に向けた具体化を決めました。
「ジェンダー平等」のセッションが初めて設けられたのも核兵器禁止条約ならでは。核兵器使用による非人道的な影響が女性や子どもに不釣り合いに深刻に出ていることが議論され、新日本婦人の会の平野恵美子副会長は、「女性たちの行動が『核抑止』論を打ち破る力になっている」と力強く語りました。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年12月18日付掲載


ニューヨークの国連本部で採択された核兵器禁止条約が発効、第1回締約国会議を経て、再びニューヨークに戻ってきた会議。
中満泉(なかみつ・いずみ)国連軍縮担当上級代表との懇談では、2017年の採択の喜びを確認しあい、私が「この条約は6年間で深化しましたね」と言うと中満氏は「その通りです」と応じ。
オーストリア代表は、「核抑止力論は説得力を持っていない」「核兵器依存の固定観念の転換が緊急に必要だ」とよびかけ。
太平洋の島国キリバスの22歳の青年が被害者支援の「国際信託基金」設立への期待を述べ、次回会議に向けた具体化を決めた。


知りたい聞きたい チャットGPTとは?

2023-12-16 07:15:56 | 科学だいすき
知りたい聞きたい チャットGPTとは?


Q チャットGPTとはなんですか?

対話型AIブランドの一つ
 チャットGPTは米・サンフランシスコに本拠地を置く非営利法人オープンAIが開発した対話型AI(人工知能)サービスのブランド名です。GPTはGenerative Pretrained Transformer(ジェネレーティブ プリトレーンド トランスフォーマー)の略で、直訳すると「生成的事前学習変成器」といった意味になります。
利用者が入力した質問に対し、もっともらしい文章で回答します。対話型AIにはチャットGPTのほかグーグル社が開発した「バード」などもあります。対話型AIは生成AIの一種です。生成AIは利用者の指示で文章や画像などを生み出すAIです。ただし、インターネット上にある断片的な情報を収集し、活用するため、必ずしも回答が真実とは限りません。また、個人情報の流出や著作権侵害なども問題になっています。たとえばチャットGPTに「チャットGPT利用の危険性を教えてください」と尋ねたところ、「誤った情報の提供」「個人情報の漏えい」「偏見の増幅」「過度な依存」の4点を指摘。「誤った情報の提供」については「チャットGPTは大量のテキストデータから学習しますが、その情報が常に正確であるとは限りません」と述べていました。
日本を含む主要7力国(G7)は1日、AIシステムについてのデジタル・技術閣僚声明を採択。AIの開発者や利用者らの責務をまとめた12項目の「国際指針」を盛り込みました。生成AIを対象とした国際的ルールが定められたのは初めてのことです。生成AIには課題が山積しており、個人の権利や尊厳を最優先とした国際ルールを策定し、不断に見直すことが欠かせません。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年12月15日付掲載


利用者が入力した質問に対し、もっともらしい文章で回答します。インターネット上にある断片的な情報を収集し、活用するため、必ずしも回答が真実とは限りません。
チャットGPTに「チャットGPT利用の危険性を教えてください」と尋ねたところ、「誤った情報の提供」「個人情報の漏えい」「偏見の増幅」「過度な依存」の4点を指摘。「誤った情報の提供」については「チャットGPTは大量のテキストデータから学習しますが、その情報が常に正確であるとは限りません」と。
笑ってしまうような事態にも。
活用の国際的なルール作りが必要ですね。

群馬・桐生 生活保護 「水際作戦」を常態化 却下・取り下げ率43%

2023-12-15 07:10:22 | 予算・税金・消費税・社会保障など
群馬・桐生 生活保護 「水際作戦」を常態化 却下・取り下げ率43%
群馬県桐生市が生活保護を利用する50代の男性に対し1日1000円ずつ手渡し、全額支給していなかった問題が発覚しました。1000円をもらうためには毎日ハローワークに行き職員に印鑑を押してもらうことを条件とするなど、専門家から違法性を指摘されています。同様のケースがあることも明らかになっています。
(横田和治)

「食事は1日2回に減らし、夏はエアコンが無いので近くのスーパーでやり過ごした」
そう話すのは今回の問題で当事者となった亀田晃一さん(仮名)。50代まで建設業で働くも、心疾患と糖尿病を患い、膝を痛め、長時間労働が困難に。



自宅で取材に応じる当事者の亀田さん(仮名)

1日千円ずつ支給
「役所は私が(1日1000円の支給に)同意したと言うが、そんな覚えはないし、約2カ月、生活が苦しくて何度もお金を要求していました」と亀田さん。
生活保護は憲法25条が定めた、健康で文化的な最低限度の生活を保障するものです。亀田さんは7月に申請し、8月中旬から利用開始。10月中旬まで本来1カ月に受け取るはずの半額に満たない、およそ3万円しか受け取れませんでした。
「役所は仕事が見つからなかったら保護費を打ち切ると脅してきた。膝が悪い私にバス停まで30分以上かかる職場を強制するかのように言ってきた。相談相手がいない人は他にもいると思う」
亀田さんが群馬司法書士会に相談したのは9月下旬。その後、同会の仲道宗弘副会長と一緒に市を訪ね、その場で未支給分の13万4180円が支払われました。同会は荒木恵司市長あてに運用改善も求めています。仲道氏は「行き過ぎた指導で、憲法と法律に違反している」と指摘。「生活保護利用者に対して家計改善を求めて分割払いをする例もあります。しかし満額支給しないのはおかしいし、同意の書面もない。前代未聞です」と批判します。
市の担当者は「個別のケースに応じられない」と話しますが、同県内の生活保護却下・取り下げ率を示す数値で桐生市は4割を超える異常な数値を示しています。


群馬県内福祉事務所(市部)保護の申請、開始等の状況(2020年度)
実施機関名保護申請数保護開始数申請却下数取り下げ数却下・取り下げ率
前橋市401369162911.2%
高崎市37634724129.6%
桐生市704027342.9%
伊勢崎市1981721269.1%
太田市139130816.5%
沼田市40279330.0%
館林市59509218.6%
渋川市64528418.8%
藤岡市54409424.1%
富岡市513313331.4%
安中市51397523.5%
みどり市40354112.5%
市部計154313341467314.2%
※生活保護情報クルーブがつくったものをもとに作成


一部不支給他にも
以前、桐生市で生活保護を利用していた安西佳代さん(仮名)も、大声でどう喝されるなどでPTSD(心的外傷後ストレス障害)になりました。
「毎月一度、家計簿とレシート全部をもって役所に行きました。体調が悪く行けないと電話口で怒鳴られ、本当に怖かった」
4日、市議会で日本共産党の市議が質問し、市側は他にも2022~23年度の間で保護利用者10人に対して全額支給せず、一部不支給していたことを答弁しました。
同党の関口直久市議団長は、市がこれまで窓口で大声での暴言、申請書を渡さないなど、「水際作戦」を常態化し、保護率を下げてきたとし「議会で追及しても、市長は対応しなかった」と話します。党市議団は全容解明と運用改善を求める要望書を11月に提出しています。
仲道氏は今後弁護士と相談して訴訟を検討するとともに、こう話します。
「市だけでなく、弁護士、司法書士、医師、精神分野などの専門家が関わりケース会議を開くことが大切で、その体制をつくる必要がある」

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年12月14日付掲載


群馬県桐生市が生活保護を利用する50代の男性に対し1日1000円ずつ手渡し、全額支給していなかった問題が発覚。1000円をもらうためには毎日ハローワークに行き職員に印鑑を押してもらうことを条件とするなど、専門家から違法性を指摘。
亀田さんは7月に申請し、8月中旬から利用開始。10月中旬まで本来1カ月に受け取るはずの半額に満たない、およそ3万円しか受け取れませんでした。
亀田さんが群馬司法書士会に相談したのは9月下旬。その後、同会の仲道宗弘副会長と一緒に市を訪ね、その場で未支給分の13万4180円が支払われた。
憲法にも法律にも違反しているひどい事態。許されません。