きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

関西財界と万博カジノ~その狙い③ 規制緩和の「実験場」に

2024-06-15 07:25:44 | 政治・社会問題について
関西財界と万博カジノ~その狙い③ 規制緩和の「実験場」に

「インフラ整備」とともに、「連名要望書」が強く求めたのは、「ソフト事業と大胆な規制改革」です。関西財界や維新府・市政にとって必要な「インフラ整備」への財政負担、支援を求めるとともに、彼らにとってじゃまな「規制」を「万博を実験場」にして取り除いてほしいというものです。

ソフト事業大胆に
「インフラ整備」が1回目の要望一発で「満額回答」を得たことから、2回目の「連名要望書」以後、もっぱら「ソフト事業と大胆な規制改革」に狙いを定めます。
「ソフト事業」では横文字だらけですが、「ライフサイエンス・ヘルスケア分野の研究開発等による健康長寿社会の実現」「大阪・関西万博を脱炭素社会のトップモデルケースとすることで、万博後の脱炭素ドミノに」「先端技術を駆使した『スマートシティ』の実現」などの文言が並びます。
そして、「ヘルスケアサービス創出」のためには「万博会場における生体認証やバイタルデータの取得に向けた制度整備等を進める必要」があるとか、「パビリオン内で取得したヘルスケアデータを基に、個人最適化された健康プログラムを提案」、「『空飛ぶクルマ』の万博会場内外における実証に向けた、各種規制緩和や手続きの簡素化・迅速化」など、あらゆる分野で徹底した「規制改革」を求めます。それこそ「未来社会の実験場」というわけです。



「空飛ぶ車」関連見学会で吉村府知事(左)と横山大阪市長(右)=2023年12月13日、大阪市此花区(大阪市HPから)

海外の規制も対象
「規制改革」は日本国内だけに限りません。今年1月の「連名要望書」では、「個人情報取扱に関して、海外規制のうち特に、強力とされるEUの規制について、適用除外や要件緩和などのためにEU規制当局との交渉」も求めています。
こうした関西財界の要望に対して、政府は2020年末に決めた「基本方針」で、「(空飛ぶクルマなど)実証プロジェクトにおいて、阻害要因となる規制があれば、大阪・関西万博を新たな技術及び新たなチャレンジを生み出す場とするために規制緩和等を積極的に進めていく」とうたいました。この点でも呼吸はぴったりです。
この「規制改革」のなかでも、おぞましいのが医療分野です。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年6月12日付掲載


2回目の「連名要望書」以後、もっぱら「ソフト事業と大胆な規制改革」に狙いを定めます。
「ヘルスケアサービス創出」のためには「万博会場における生体認証やバイタルデータの取得に向けた制度整備等を進める必要」があるとか、「パビリオン内で取得したヘルスケアデータを基に、個人最適化された健康プログラムを提案」、「『空飛ぶクルマ』の万博会場内外における実証に向けた、各種規制緩和や手続きの簡素化・迅速化」など、あらゆる分野で徹底した「規制改革」などなど。

関西財界と万博カジノ~その狙い② 「インフラ整備」9.7兆円

2024-06-14 07:11:07 | 政治・社会問題について
関西財界と万博カジノ~その狙い② 「インフラ整備」9.7兆円

「連名要望書」は政府に何を求めているのでしょうか。
第1回要望書(2021年7月)では、「万博関連事業において、会場周辺のインフラ整備等に加え、『いのち輝く未来社会のデザイン』の具体化や大阪・関西全域での『未来社会の実験場』の体現等に向けたソフト事業や規制改革にも取り組むことが不可欠」―「会場整備」と「インフラ整備」「ソフト事業や規制改革」だと描きます。

四国縦貫道整備も
「会場周辺のインフラ整備等」として並べたのは、「此花大橋拡幅」「夢舞大橋拡幅」「大阪メトロ中央線延伸(鉄道南ルート)」「淀川左岸線(2期)整備」「うめきた2期開発」「なんば駅周辺における空間再編」「北大阪急行延伸」などから、「四国縦貫自動車道の4車線化」まで。「関西国際空港の機能強化」も盛り込み、今年1月の要望書では、「IRも開業予定」であることから、「年間発着回数30万回の実現」をうたっています。
これらについて「万博の開催に支障を生じさせないよう」「財源の確保や適切な地方財政措置」を求めました。



万博の名で進められている淀川左岸線2期工事現場=大阪市北区

政府は「満額回答」
これに対して政府は2021年8月、第1回要望書がだされた翌月に「大阪・関西万博に関連するインフラ整備計画」をだし、「満額回答」を与えます。これらのインフラ整備の総額について、政府は昨年、「9・7兆円」と公表しました。この巨額に大きな批判が生まれると、吉村大阪府知事は「万博が決まる前から計画されていたものもあり、それはちょっと違うんじゃないの」とうそぶきました。ご都合主義は今に始まったものではありませんが、「連名要望書」は自身が署名し、政府に求めたもの。見苦しい責任逃れです。
この「インフラ整備」のなかには、「安全性の向上」として、「南海トラフ巨大地震対策」「アクセスルートの安全性」などもうたわれていました。しかし、大阪府・市はみずからの責任で防災対策をすすめることはおろか、いまだに「避難計画」さえありません。政府の「アクションブラン」も、「防災DXに係る研究開発」をうたうだけです。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年6月11日付掲載


「会場周辺のインフラ整備等」として並べたのは、「此花大橋拡幅」「夢舞大橋拡幅」「大阪メトロ中央線延伸(鉄道南ルート)」「淀川左岸線(2期)整備」「うめきた2期開発」「なんば駅周辺における空間再編」「北大阪急行延伸」などから、「四国縦貫自動車道の4車線化」まで。「関西国際空港の機能強化」も盛り込み、今年1月の要望書では、「IRも開業予定」であることから、「年間発着回数30万回の実現」を。
万博に乗じて、この際なんでもありですね。

関西財界と万博カジノ~その狙い① 6本の「連名要望書」から見える2大事業は最初からセット

2024-06-13 06:36:30 | 政治・社会問題について
関西財界と万博カジノ~その狙い① 6本の「連名要望書」から見える2大事業は最初からセット

維新の大阪府・市政が自公政権とともにすすめる「大阪・関西万博」が大揺れです。
日本共産党大阪府委員会は昨年8月、「2025年大阪・関西万博中止を求める声明」を発表しました。「パビリオン建設の遅れと建設労働者への長時間労働のおしつけ」「膨れあがる建設費と関連事業費」「危険な夢洲での開催」「背景にあるカジノ建設」を理由にしたものです。その3カ月後、共同通信の世論調査で「大阪・関西万博は不要」との回答が「68・5%」ました。
今年1月に能登半島震災があり、「万博より被災地支援を」の声が大きく高まりました。そして3月28日、夢洲1区でガス爆発事故が起こりました。「いのち輝く」どころか、「命を危険にさらす」事態なのに、府内の児童・生徒を「無料招待」するという吉村洋文知事の姿勢に教育関係者から懸念と批判がうずまいています。



万博関連事業について関西財界と大阪府・市などによる連名の要望書=2024年1月

中止できない理由
これだけ問題山積の大阪・関西万博をなぜ中止できないのか。中止しようとしないのか―その背景、ねらいをリアルに語る文書があります。
21年7月から24年1月まで半年刻みに6回出された政府に対する「大阪・関西万博関連事業に関する要望書」(以下「連名要望書」)。出したのは、吉村洋文・大阪府知事、横山英幸・大阪市長、三日月大造・関西広域連合長、松本正義・関西経済連合会会長、鳥井信吾・関西商工会議所会長(大阪商工会議所会頭)、角元敬治、宮部義幸の両関西経済同友会代表幹事、十倉雅和・日本国際博覧会協会長(肩書はすべて今年1月時点)。関西財界と大阪府・市など行政トップによる連名です。
これに政府(内閣官房国際博覧会推進本部)は21年8月「大阪・関西万博に関連するインフラ整備計画」をはじめ、「アクションプラン」をver.1(同年12月)からver.4(23年6月)まで出して応えています。



万博会場の建設現場=大阪市・夢洲

関西同友会が提言
そこから見えるのは「万博」を中止できない最大の理由は「カジノ」だということです。
関西財界にとって「万博」と「カジノ(IR)」は初めから一体でした。「連名要望書」も、「夢洲(IR)と関西・西日本等を結ぶ水上観光ルートを構築し、さらなる広域観光が促進」「万博後のIR開業等の影響も踏まえ、関空の将来需要を精査中」など「IR」は当然の前提です。
橋下徹氏の大阪市長当選時に「大阪にふさわしいIR(統合型リゾート)の誘致」を提言した関西経済同友会は、12年3月に「関西統合型リゾート『KIR』実現に向けて」を打ち出し、以後毎年IR誘致への提言を出していきます。
「関西経済の地盤沈下…『負のスパイラル』に陥っている」現状のなかで、「関西一円に経済効果をもたらすような具体的な活性化策がないか」を検討した結果、「統合型リゾートの誘致が有効」というものでした。
関西財界のIR構想は当初、MICE(企業等の会議、報奨・研修旅行、国際会議、展示会・イベントの頭文字を並べたもの)の展示場面積は35万平方メートル(当時の世界2位を上回る)でした(実際の計画は2万平方メートル。大阪市のインテックス大阪の7万平方メートルをも大きく下回るものです)。
関西経済同友会で「IR」提言を発表したのは「万博&MICE・IR推進委員会」。名称の通り、「万博&カジノ」は最初から一体でした。提言は「一過性のイベントではなく、未来社会、未来都市を創造する計画は恒久的な波及効果が得られ、国際博覧会の候補地選定において有利」「インフラ整備の共通化を図ることにより双方のコストダウン、国際博覧会のコア施設をレガシーとして活用」とねらいを描いていました。
驚くべきことに、「健全なゲーミングは、ストレス発散の一つとして健康の保持増進の効果があると想定される」とさえ書き、ギャンブル依存症問題などはまったく視野の外です。カジノにすがる関西財界には、「三方よし」(売り手よし、買い手よし、地域よし)の精神や「浮利を追わず」(住友の事業精神)はどこへ行ったと問わなければなりません。
関西財界は大阪府・市と一体に、大阪・関西万博で何をねらい、何を政府に求めているか、連載でみてみます。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年6月8日付掲載


21年7月から24年1月まで半年刻みに6回出された政府に対する「大阪・関西万博関連事業に関する要望書」(以下「連名要望書」)。
出したのは、吉村洋文・大阪府知事、横山英幸・大阪市長、三日月大造・関西広域連合長、松本正義・関西経済連合会会長、鳥井信吾・関西商工会議所会長(大阪商工会議所会頭)、角元敬治、宮部義幸の両関西経済同友会代表幹事、十倉雅和・日本国際博覧会協会長(肩書はすべて今年1月時点)。関西財界と大阪府・市など行政トップによる連名。
関西財界にとって「万博」と「カジノ(IR)」は初めから一体。
「関西経済の地盤沈下…『負のスパイラル』に陥っている」現状のなかで、「関西一円に経済効果をもたらすような具体的な活性化策がないか」を検討した結果、「統合型リゾートの誘致が有効」というもの。

賃金の上がる国へ⑤ 政治が責任持ち実現を

2024-06-12 07:08:06 | 働く権利・賃金・雇用問題について
賃金の上がる国へ⑤ 政治が責任持ち実現を

ジャーナリスト 昆 弘見さん

政治の責任で賃上げというとき、人事院勧告と最低賃金制度がきわめて重要です。
人事院勧告は、国家公務員の労働基本権が奪われている「代償措置」として、例年8月に賃金・労働条件を政府と国会に勧告するものです。国家公務員が対象ですが、地方公務員、公営企業、さらに保育、社会保障などのケア労働にも広く連動し、約900万人に影響するといわれています。

機能しない措置
「代償措置」といいますが、これまでの勧告をみると「賃金抑制装置」という方がピッタリです。この30年来の傾向は、「民間準拠」を言い分にベアゼロとマイナス勧告が13回もあり、改善があっても多くが0%台です。
なかでも悪質だったのは、勧告を低く抑えるために、2006年に賃金を比較する民間企業の規模を100人以上から50人以上に変更したことです。企業規模100人以上というのは、1964年の池田勇人首相と太田薫総評議長の「政労トップ会談」で確認されたもので、42年ぶりの大転換です。





池田勇人元首相(1962年6月撮影)


太田薫元総評(日本労働組合総評議会)議長

きっかけになったのは、前原誠司民主党代表(当時)の05年9月の国会代表質問。小泉純一郎首相に対して、人事院勧告を「零細企業も含めた民間給与の実態をふまえたものとすべきではないか」と迫りました。調査対象の企業規模を小さくして、公務員給与を減らすべきだというものです。
この変更によって、06年の勧告は「ベアゼロ」。変えていなければ月1・12%(4252円)と特別手当のプラス勧告になるはずでした。政府の責任で元に戻すことを強く求めたいと思います。
さらに人事院勧告で重要なのは、国家公務員の高卒初任給が最低賃金以下のところがあることです。人事院は昨年、高卒初任給を1万2千円引き上げる勧告を出しましたが、いまなお8都府県で最低賃金を下回っています。公務員にも最低賃金制度を適用し、最低賃金以下をなくす大幅な引き上げをすぐに実行するべきです。

恥ずかしい水準
日本の最低賃金は昨年、時給が平均43円(4・5%)引き上げられて全国平均1004円です。これは世界から見てほんとうに恥ずかしい低さです。イギリスは4月に、物価高騰に対応して時給を9・8%引き上げて1998円にしました。アメリカでも最も高いワシントン州が2393円、カリフォルニア州が2352円など2000円を超える引き上げが相次いでいます。これが世界の動きです。
岸田首相は、「2030年代半ばに1500円台」といっていますが、あまりに遅すぎです。いま日本の各地で沸き起こっている「全国どこでも時給1500円以上」という要求に今すぐ応えるよう、運動をいっそう強化することが重要になっています。
最低賃金を時給1500円に引き上げると、2200万人以上の労働者が賃上げになる(「しんぶん赤旗」1月31日付)といわれ、国民生活改善への底上げ効果は抜群です。経営基盤の弱い中小企業への支援策をとって、実現を急ぐべきです。地域間格差をなくすために現行の地域別の最低賃金制度を世界共通の全国一律制に改めることも重要な課題です。
日本を「賃金が上がる国」にするために政治が本気で責任を果たすことが求められています。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年6月8日付掲載


政治の責任で賃上げというとき、人事院勧告と最低賃金制度がきわめて重要。
人事院勧告で、なかでも悪質だったのは、勧告を低く抑えるために、2006年に賃金を比較する民間企業の規模を100人以上から50人以上に変更したこと。
企業規模100人以上というのは、1964年の池田勇人首相と太田薫総評議長の「政労トップ会談」で確認されたもので、42年ぶりの大転換。
この変更によって、06年の勧告は「ベアゼロ」。変えていなければ月1・12%(4252円)と特別手当のプラス勧告になるはずでした。

賃金の上がる国へ④ 賃金交渉三つの山場

2024-06-11 06:44:31 | 働く権利・賃金・雇用問題について
賃金の上がる国へ④ 賃金交渉三つの山場

ジャーナリスト 昆 弘見さん

日本は、賃金が決まる仕組みが世界の国々と違います。世界の多くは労働組合が産業別に組織され、使用者団体と法的拘束力がある労働協約で賃金を決めます。日本は、労働組合が企業単位で組織されているため、賃上げが企業の外に波及しません。
日本は賃金交渉のヤマ場が1年に3回あります。3月の春闘、8月の国家公務員の人事院勧告、10月の最低賃金の決定です。毎年このサイクルで回ります。

コスト抑制方針
春闘は、民間企業の労使交渉が基本ですが、人事院の給与勧告と最低賃金額はまさに政府の判断が強く影響します。これまで自民党政権は、人事院勧告と最低賃金を抑えて財界の賃金コスト抑制方針を支えてきました。岸田政権は「コストカット型経済の転換」といっていますが、コストカットの一翼を担ってきた責任は重大です。
賃上げで、やはり重要なのは春闘です。先にのべたように日本は、労働組合が企業ごとに組織されているため、交渉がバラバラで全国的に波及しません。そこで毎年春、産業別に要求や戦術を統一し共闘して賃上げを実現しようと1955年に始まりました。1974年の春闘は「狂乱物価」(物価上昇率24・5%、帰属家賃を除く)から生活を守る「国民春闘」としてたたかわれ、32・9%の賃上げを獲得しました。ストライキ件数、賃上げ率は戦後最高です。
その後、財界の抑え込み攻勢に押され、とくに2002年以降はベースアップがゼロか上がっても千円台の低額が常態化しました。連合の大企業労組が満額回答を得ても実質賃金がマイナスという状態が続き、「賃金が上がらない国」の主要な原因となりました。全労連などが「国民春闘」を継承し、大幅賃上げを要求してストライキを構えてたたかっていることはとても重要です。



1974年の春闘は「狂乱物価」と呼ばれた急激なインフレとのたたかいに(東京都千代田区)

生活向上分なし
春闘で疑問なのは、政府も財界も連合の大企業労組も、賃上げの根拠を「定期昇給プラス物価上昇分の考慮」としていることです。労働者の願いである生活向上分がありません。これが同満額回答でも実質賃金がマイナスになり、労働者をがっかりさせる原因になっています。
岸田政権が本気で賃上げを促進するというなら、この「定期昇給プラス物価上昇分」に数%の生活向上分を加味し、労働者が生活が良くなったと実感できるベースアップを財界に働きかけるべきです。
これはむちゃな話ではありません。大企業には、それができる十分な体力があります。6月の財務省発表によると、内部留保が約537兆円に増えています。前年比24・6兆円(4・7%)増という異常な増え方です。利益が出ても賃上げには回さず、企業に滞留しているこのお金を賃上げに生かすことが、政治に求められています。
その有効な方法は、内部留保課税です。日本共産党は「経済再生プラン」で具体的な提案をしています。
内部留保の増加分に年2%で5年間の時限的課税をおこない、10兆円の財源をつくって中小企業の賃上げ支援をする。大企業が賃上げをすれば課税されない仕組みをつくることで、大企業の賃上げを促進する―という内容です。
政治の責任で賃上げを実現するもっとも実現可能な提案であり、合意が広がることが期待されます。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年6月7日付掲載


日本は賃金交渉のヤマ場が1年に3回。3月の春闘、8月の国家公務員の人事院勧告、10月の最低賃金の決定。毎年このサイクルで回ります。
全労連などが「国民春闘」を継承し、大幅賃上げを要求してストライキを構えてたたかっていることはとても重要。
岸田政権が本気で賃上げを促進するというなら、この「定期昇給プラス物価上昇分」に数%の生活向上分を加味し、労働者が生活が良くなったと実感できるベースアップを財界に働きかけるべき。
内部留保の増加分に年2%で5年間の時限的課税をおこない、10兆円の財源をつくって中小企業の賃上げ支援をする。大企業が賃上げをすれば課税されない仕組みをつくることで、大企業の賃上げを促進する。