2014年09月11日 サハリン発
[サハリン・クリール沿岸太平洋サケマス生産量 8万トン程度]
ロシア極東漁業者による今年2014年漁期開始から先週(2014年8月31日-同年9月6日の週)末までの太平洋サケマスの生産量は、27万9,000トンとなっている。
直近偶数年2012年の太平洋サケマスの生産量は42万5,000トンだったが、今年2014年漁期は、最終的に32万トンをわずかに上回る程度と予想されている。
サハリン州の漁業者の現在の太平洋サケマスの漁獲は、今年2014年の計画生産量の約半分の8万トンで、それを達成することができないのは明らかな状況となっている。
一部の漁業区は既に操業を完了しており、サハリン州遡河魚種生産管理委員会の対応もシロザケが中心となっている。
(関連過去情報: ①今年2014年サ州カラフトマス漁獲予想 ②今年2014年サ州各漁業区漁獲勧告 ③昨年2013年サ州操業レヴュー ④直近偶数年2012年サ州操業レヴュー)
①2014年05月19日 サハリン発
[サフニロは10万トン以上のカラフトマスの漁獲を予想している]
2014年5月16日、サハリン州副知事カレプキンが、同州水産委員会を開催した。
この中で、サハリン海洋漁業研究所サフニロは、今年2014年漁期、サハリン州管轄漁業区において、カラフトマス10万トン以上、シロザケ約3万5,000トン等の漁獲が予想されると報告した。
今漁期、カラフトマスの来遊は、その70%が東海岸に集まり、北部と南部は均等になると予想される。
同州漁業区への来遊は、押し並べて良好で、直近偶数年2012年とは、やや違った漁期となると予想される旨、報告がなされた。
②2014年04月29日 サハリン発
[サハリン州において11万トン以上の太平洋サケマス操業許可申請受付が始まる]
サハリン州政府漁業局は、今年2014年漁期の太平洋サケマス操業(スポーツフィッシング等を含む)の操業許可申請の受付を開始すると発表した。
今回申請を受け付ける漁獲勧告量は次のとおりとなっている。
南西サハリン漁業区 カラフトマス 1,170トン サクラマス 5トン
北西サハリン漁業区 カラフトマス 1,300トン シロザケ 1,327トン
北東サハリン漁業区(テルペニア湾を含む) カラフトマス 4万5,000トン シロザケ 800トン
南東サハリン漁業区 カラフトマス 3万2,600トン サクラマス 15トン
国後島漁業区 カラフトマス 300トン
択捉島漁業区 カラフトマス 2万6,200トン サクラマス 1トン
北クリール漁業区(太平洋およびオホーツク海沿岸) カラフトマス 2,000トン シロザケ 443トン ベニザケ 946トン ギンザケ 200トン マスノスケ 1トン
(*報告担当者 原口聖二 :ロシアの太平洋サケマス操業は排他的経済水域における流し網漁業以外の沿岸漁業等に対しては、TACの設定はなく、遡河魚種生産管理委員会の承認による漁獲勧告に基づき操業が行われている。極東各地域に設置された同委員会は、漁期中適宜開催され、その都度、漁獲勧告数量を調整していく。昨年2013年、サハリン州の当初漁獲勧告は、今年同様11万5千トン程度だったが、最終的に20万トンを超える生産を行った。奇数年、偶数年の豊漁年と不漁年の隔年変動について、ここ数年の乱調も指摘されている。なお、今年2014年漁期のサハリン州の太平洋サケマス漁獲量について、同年3月下旬、研究機関が単独の立場で、資源評価に基づき、約14万トンを勧告した経緯にある。
③2013年10月30日 サハリン発
[サハリンにおいて今漁期の極東太平洋サケマス操業レヴューが行われる]
本日2013年10月30日、ユジノサハリンスクにおいて極東科学操業評議会が開催され、今年2013年漁期の太平洋サケマス操業レヴューが行われた。
この会議には太平洋サケマス操業にかかわる行政、科学研究機関、業界の代表者らが出席した。
今年2013年漁期、極東地方の太平洋サケマスの生産量が約39万トンとなり、この内、サハリン州の漁獲が約21万トンを占め、同州が極東地方における、この漁業のリーダーになったことが報告された。
なお、サハリン州太平洋サケマスの生産の内、カラフトマスが18万3,000トン、シロザケが2万1,000トンを占めている。
④2012年11月26日 サハリン発
[サハリン・クリール地域はサケマス操業を完了する]
2012年11月22日、国後島の“ユジノクリリスキールイバコンビナート”(Южно-Курильский рыбокомбинат) はペルヴヒナ湾においてシロザケ操業の最後の網揚げを行った。
択捉島では、唯一“クリリスキールイバク”(Курильский рыбак)が、レイドフキー川において、1日あたり2-3トンのシロザケ操業を行っている。
ロシア漁業庁サハリン・クリール地域管理局によると、今年2012年漁期、2万7,767トンのシロザケが商業生産され、勧告漁獲量の92.88%が達成された。
この内、東サハリン漁業区では南クリール漁業区より7,000トン多い、1万4,280トンが生産された。
また、サハリン・クリールの各漁業区において勧告漁獲量の93.34%相当となる9万9,315トンのカラフトマスが生産され、この内、東サハリン漁業区で6万5,838トン、南クリール漁業区において2万7,909トンが漁獲された。
なお、サハリン・クリールの各漁業区の今年2012年漁期の太平洋サケマスの漁獲量は12万9,730トンに達し、直近不漁年の2010年を1万5,230トン(113.3%)上回る結果となった。