2014年09月26日 ムルマンスク発
[“Juros Vilkas”事件 ロシア当局は刑事起訴を検討している]
2014年9月19日、15トンのズワイガニをバレンツ海ロシア排他的経済水域で密漁し、ロシアFSBムルマンスク国境警備局に拘束されたリトアニア漁船“Juros Vilkas”の事件について、当局が刑事起訴を検討しているとvesti.ru“Вести”が伝えた。
ムルマンスク国境警備局所属警備艇"Спрут"(スプルト)が、同18日、リトアニア漁船“Juros Vilkas”を検査、15トンのズワイガニをロシア排他的経済水域で密漁していたことが分かった。
“Juros Vilkas”は、船主の指示を受け、"Спрут"の検査に関する要求を受け入れずノルウエー排他的経済水域へ逃走を試みたが、結局、これを阻止され停船した。
“Juros Vilkas”は最終的にロシア法と国際協定に違反した証拠を示す書類の作成に応じ、拘束を受け、ムルマンスク港へ連行された。
ロシア当局は、これまでの検査の結果、この密漁による被害額が既に、3,000万ルーブルに達しており、逃走も試みた等、事件は悪質で、刑事起訴も検討していると明らかにした。
(関連過去情報)
2014年09月25日 モスクワ発
[リトアニア漁船の拘束は妥当である]
2014年9月21日、漁船“Juros Vilkas”拘束事件について、リトアニアが不当だとし、地元ロシア大使館に抗議を申し入れた件について、ロシア外務省は、あらためてロシアFSB国境警備当局は、国際法とロシア法に基づいて行動しており、妥当な権限を行使していると正式に表明した。
ロシア外務省報道官は、“Juros Vilkas”がバレンツ海ロシア排他的経済水域でカニ15トンを密漁したことは、検査の結果明白であり、それにもまして、当局の検査中に、ノルウエー排他的経済水域へ逃走を試みたこと等、リトアニア外務省は、重要な事実を無視していると批判した。
なお、“Juros Vilkas”はロシア当局により連行され、同年9月22日、ムルマンスク港に着いている。
2014年09月23日 ムルマンスク発
[リトアニアが漁船拘束に抗議]“ демонстрацией российской силы”
2014年9月21日、リトアニア外務省は、漁船“Juros Vilkas”拘束にかかる行動について、在リトアニア・ロシア大使館に抗議を申し入れた。
ロシアFSBムルマンスク国境警備局は、同年9月19日、15トンのズワイガニをバレンツ海ロシア排他的経済水域において密漁したとしてリトアニア漁船を拘束したが、リトアニア側は、国際水域での操業であり、海洋法に関する国際連合条約に違反していると指摘、拘束されている漁船と乗組員の解放を求めている。
なお、リトアニア首相アルギダス・ブトケヴィチュースは、“ロシアの実力組織のデモンストレーション” (демонстрацией российской силы)だと批判する声明を事件確認直後に発表した経緯にある。