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2021年03月13日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[バレンツ海カラフトシシャモ操業再開の可能性を評価]
ロシアは国際海洋開発協議会(ICES)の勧告を受け入れ、バレンツ海のカラフトシシャモについて、資源状況が低位にあるため、2019年、2020年に引き続き、今年2021年についても商業漁業を禁止している。
全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ所長コロンチンは、ムルマンスクでの会議において、来年2022年、北部地方の漁業者がカラフトシシャモ操業を再開する機会があると予想していると明らかにし、最大でロシアの漁獲割当が5万トンになる可能性があると言及した。
コロンチンは、資源状態が現在、長期の平均水準を下回っていると推定されているが、受け取った最新のデータから、2022年には慎重であるものの楽観論があると語り、2019年級群の一定の加入が確認されており、2022年までに商業漁業向け資源の基礎になると予想していると加えた。
禁漁前の2018年、ロシアのカラフトシシャモのTACは8万トンで、漁獲実績は6万6,000トンだった。
カラフトシシャモ:
極北海域の深度725m以浅に生息する。北東大西洋では白海、ノルウェー海、バレンツ海、74°Nまでのグリーンランド沿岸で見られ、北限はビュルネイ島。北西大西洋ではハドソン湾からメイン湾。北太平洋では韓国からファンデフカ海峡。日本では北海道のオホーツク海沿岸にも回遊する。
(関連情報)
2021年03月02日 みなと新聞
[20年カラフトシシャモ輸入 カナダ8割増4300トン最大供給国に]
財務省貿易統計によると、2020年の冷凍カラフトシシャモの年間輸入量は前年比38・3%減の8695トンだった。平均単価は24・6%高の535円。これまでの主力のアイスランド、ノルウェーから6割強減ったが、カナダから8割増の4300トンで最大供給国となった。
日本向けの二大産地であるアイスランドとノルウェーからの年間輸入量は、アイスランド産が64・4%減の1996トン、ノルウェー産が64%減の2131トン。平均単価はアイスランド産が10%高の569円、ノルウェー産が27・5%高の476円だった。
アイスランドの政府機関の海洋・淡水研究所(MFRI)は2月4日付で、今年の同国周辺海域の漁獲量の上限(TAC)を12万7300トンとするよう政府に勧告。資源調査によって一定量の資源が確認できたため、当初勧告していた2万1800トンから約6倍の増加となったが、需要を満たすには遠く及ばず、今後の見通しは「高値必至」(商社筋)との声が上がる。
一方で、カナダ産の年間輸入量は80%増の4349トン、平均単価は47・3%高の539円だった。同産地からの年間輸入量が4000トンを超えたのは、4410トンを記録した09年以来。
21年1月の輸入量は前年同月比64・2%減の272トン、平均単価は41・1%高の745円。そのうちアイスランド産は99・2%減の3トン、18・1%高の661円。ノルウェー産は97・6%減の9トン、28・7%高の636円。カナダ産は9・3倍の247トン、39・3%高の739円だった。